朝8時に起きて、妻と協力しながら山荘の冬支度をした。
今日から半年はだれも使わない。だから、念入りに掃除をしたり水抜きをした。
管理会社が、その間見回りに来てはくれるけれど、戸締まりは厳重にしてきた。
いつもの通り、妻をおさんどんから解放するためにファミレスで夕食だ。
左隣に座っていたのが、若い女性と車いすに座った青年だ。
見るともなく見ていると、女性は何くれとなく青年の介助をしている。
私たちも彼らとほぼ同時に食事が終わって立ち上がった。
レジ係の女性は小走りにエントランスに行き、内側と外側、両方の
ドアーを全開にしてからレジに戻り、会計をしている。
それだけではなく、立て込んでいるお客を待たせて、二人を見送りに
立ち、「気をつけてお帰り下さい」と声を掛けた。
このことだけで、心が晴れ晴れして、レジの順番が来るのを待っていた。
先客は、3人の女子高校生だ。伝票は一枚だけれど、割り勘だから、
一人ずつ計算をする。「私はこれとこれとこれです」と申告すると、
一人が終わり、続いて次の人、そして最後の女子高生の順番になった。
彼女は、同様にしてレジを済ませると、私の方を向いて、
「お待たせしました」とはっきりとした口調で挨拶した。
私は、軽く会釈をして、その言葉に応えた。ああ、まだ若いのに、
しっかりとした挨拶ができるのだなあ。きっと良いお母さんになるに
違いない。と、想像を広げて、ほぼ一日かかった労働の疲れが飛んでしまった。