MFの里山には、雄が3羽、雌が2~3羽入ってきます。それぞれが
棲み分けしていて、争うことは決してありません。しかし、この時期は
入ってきたばかりだから、人慣れしていなくてビリビリしている。
ユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖するそうだから、おそらく人とはあまり
接触していないだろう。登山を楽しむ歩行者が沢山いるから、
ちょいと顔を出しては引っ込め、また出てくるといった具合だ。
それが、12月も末頃になると、山道にヒョコヒョコ出てくるようになる。
その時が、撮影チャンスです。雄は、視認はしているけれど、まだ撮影は
できていません。明日も、ルリの雄狙いだ。
下は、2年前に餌付けに成功した時のルリビタキの♀、その名はペロやんです。
とても賢い鳥でして、毎朝10時には森の入り口で、私の来るのを待っていた。
私が出張で関西へ出かけるときは妻が代役をしました。缶詰のミルワームを
与えていました。「今日はここだよ」と声をかけるとそちらにやってきて、
次の日はまた餌を与える場所を変えた。でも、いつも私の後を追いかけて、
餌の在処を見つけるのだった。だから、雨の日も風の日も、森に通いました。
しかし、翌年の冬にはやってきませんでした。ショックでした。口笛を吹いて、
探して歩きましたが、ついに「別れを」覚悟したのでした。
私にとっては、とても悲しい別れでした。いまもその面影を追っている。
デジブック 『話しかけに応じる野鳥』