9月4日手術が終わってから
麻酔がさめてくるにしたがって、右脇腹の内部の痛みが徐々に増してくる。
左腕には点滴の管と陰部に採尿のパイプが垂れ下がっていて、右側には術後の内臓出血液を
吸い取るための陰圧(マイナスの圧力)をかけたプラスティックのボールがぶら下がっている。
これが厄介なものでして、パイプが右脇腹から肝臓の下まで差し込まれているのだ。
だから、体を動かすと、あるいはあくびをしたり咳をするたびにそのパイプが痛みを誘発する。
以下は、麻酔でもうろうとする中、妻にメモしてもらった私の言葉です。酸素マスクをしているので、
聞き取りにくいのか、何度も何度も同じことを話しては書き留めてもらった。
「手術室に入ったとき12,3人の顔が見えた。『皆さん、宜しくお願いします』と言った。
それしか覚えていない。病室に帰ってから体の重みを感じない。右わき腹が鈍痛。
体は雲の上、頭がボーッとしている。人の声はよく聞こえる。熱は6度7分らしい。私としては
やや高い。とにかく何か飲みたい気分。手術中の感覚は無し。エライコッチャ。
あそこを見られたのが恥ずかしい。尿道に管が入っている。尿道が痛い感じ。胸から心電図モニター
へと、すべての情報が集められている。ふくらはぎにマッサージ器。一晩中動き続ける。
エコノミー症候群を防ぐため。のどがカラカラ。左人差し指に酸素濃度テスター、
右手にはナースコールのブザー。痛み止めの注入が始まる。
全身が震えだす。やや吐き気がする。時々肺の痛みあり。」(PM7:10から同8:00)
手術室に入ったのがPM4:20で、病室の戻ったのが7:10とのこと。妻のメモより。
午後8時ごろに妻が帰ってゆく。ここからが「苦闘」の始まりです。
手術着をきたままスッポンポンで身動き一つできない。看護婦さんが時々きては、
床ずれ防止のために体位を少しだけ変えてくれる。頭が冴えて眠れない。全く眠気がないのだ。
夜中の二時ごろどうしても何か飲みたいのでナースコールを握る。看護婦さんが飛んでくる。
私「ポカリスエットを少しだけ飲ませてください」と懇願する。彼女「主治医に止められていますから
我慢してください」私「それじゃあ、ウガイをさせてください」彼女はすぐに応じてくれて、
吸い飲みを口に。だが、それが苦くてにがくて我慢がならない。そこで、「冷蔵庫にコーラが
ありますから、それでウガイをさせてください」かなり躊躇したが、彼女「それでは内緒で、
2回だけ」と折れてくれた。これで、口の中が爽やかになって、その日は終わったのだった。
明日に続く