9月5日、手術後二日目。計画ではこの日から歩行訓練に入る予定だった。
ところが、新米の男性看護師が採尿パイプの取り外しに失敗して大騒ぎになってしまった。
パイプをさし組むだけではすぐに抜けてしまうから、差し込んだパイプの先端が
膨らんで引っ張られても抜けない構造になっている。紡錘形の網の袋が開いて、それが
いわば「もどり」となっている。彼は手元でいろいろと操作をするのだけれど
なかなか、その「風船」をしぼめることができない。膨らんだままだから、
引っ張っても出てこない。私は引っ張られるたびに「痛い」を連発する。業を煮やした
私は、彼に「泌尿器科の先生を呼んで来い」と叱責した。あわてた彼は、走り去った。
「先生は外来の診察中だから、しばらくこのままで待ってください」という。30分ほど
待っていると、女性の医師が現れて、いろいろと操作をしてやっとの思いでパイプを
抜くことができた。が、その時激痛が走った。問題は、さらに発展する。
すぐさま、トイレへ駈け込んで放尿した。出るは出るは、あれほど大量の尿がでたことは
かつてなかった。驚いたことに、血尿なのだ。便器が真っ赤に染まって一瞬恐怖を覚えた。
尿道が痛い。激痛が走る。泌尿器科の医長が飛んできて、「痛み止めを出しましょうか」という。
内心「愚かな奴だなと思ったが」私は、それを断って「しばらく様子を見ます」と答えた。
痛みどめなんて単なる対症療法ではないか。根本的な治療にはならない。たわけ!
それ以降、出血は徐々に収まって、痛みも和らいできた。私は、口に合わない食事だったが
早く立ち直りたいと考えていたから、出されるものを、できるだけ全部たべるようにした。
病棟内を歩き回って体力を回復させて、早く内臓の痛みを解決したいと目論んだ。
で、今日(9月12日)で術後8日経過しているが、クシャミと欠伸はできないが、咳や
呼吸に支障ななくなった。摘出された胆嚢と石は家内が撮影してあるけれど、あまりにも
生々しいので掲載するのはひかえます。
これにて、今回の「ドタバタ騒動」についての記述は終わらせていただきます。
何かの参考になれば、幸いです。全身麻酔下の手術は思いの外、つらいものです。