小さな花原作:James McCulcheon
翻訳:polo181
※ これは1935年に起きた実話です。中心人物は英名で表記します。
Fiorello LaGuardiaは世界大恐慌やそれに続く第二次世界大戦当時にニュウヨーク市長を務めていた人物です。彼の身長はわずか155㎝しかなく、左胸にはいつもカーネーションを付けていたので、彼を敬愛するニューヨーカーから”小さな花”と呼 . . . 本文を読む
青年は悲しみに打ちひしがれて、両手で頭を抱えて正座をしている。ブロンズ像のように堅く冷たく動かない。息を詰めては大きく吐き出し、さらにまた吐き出すのだった。たった一つくり抜かれた小窓からネオンが明滅して青白い彼の頬を照らす。部屋には裸電球がぶら下がっていて、机代わりのミカン箱がぼつりとひとつ。両側の板壁の向こうから、夕餉の楽しい会話がときおり伝わってくる。彼は小刻みに体を震わせてポタポタと涙を . . . 本文を読む
息子が必要だったのだ
作者:不詳 翻訳:polo181
看護士は、見るからに疲れ果てて不安げな様子の青年を見つけて、老人のベッドの処へ案内してきました。「息子さんが来られましたよ」と彼女は患者の耳元で囁きました。患者が目を開くまで何度も何度も同じ言葉を繰り返しました。老人は心臓の痛みを和らげるために、かなりの量の鎮静剤を投与されていたのです。でもそのうち、虚ろな目を重そうに開いて、酸素テントの . . . 本文を読む