ショートショート ８

チャレンジは何度でも原作：Jane Nelson 翻訳：polo181 ポリオワクチンを発見した偉大な科学者、ジョーナス　ソーク(Jonas Salk)は本当の意味での”挑戦”を知っていたのではないか。新聞記者の一人はこう質問しました。「貴方のこの発見はいずれポリオと言う言葉を死語へ追いやってしまうほど偉大なものだけれど、過去の２００回に及ぶ失敗例を何と考えますか？」彼の返事は次のようなもの . . . 本文を読む

中年からの健康法 ②

私は男性の平均寿命まであと５，６年残っているから、”健康法”なんて偉そうなことは本来書く資格はない。しかし生まれてこのかた大きな病気をしていないから、多少は物を言えるだろう。昨夜のＮＨＫのラジオ深夜便で中年男性の健康法は、「散歩と料理」だと言っていた。私は散歩はよくするが、料理は全くしない。だから、５０％失格している。さて、”私の”健康法だが、まず最初に、食べ物を良く噛むということを上げたい . . . 本文を読む

ショートショート ７

Mr. Roth原作：不詳 翻訳：polo181 私たち姉妹は姉の転地療法のために、郊外の平屋に引っ越してきてまだ間がない頃でした。そんなある日、玄関ではなく勝手口のドアーをノックする人がいました。私たちは用心深く鎖を掛けたまま数センチだけ開けました。そこには、ボロをまとった老人がしなびた野菜をカゴに入れて立っていました。日焼けして顔は黒光りしていて、髭も髪の毛も真っ白で、額には深い皺が刻まれ . . . 本文を読む

私がリラックス出来る場所

六畳の洋間にタンスが２本、カラーボックスが４個、パソコンラックと椅子、プリンター用の可動式テーブル、勉強机と椅子、石油ファンヒーター、サイドテーブル、ゴミ箱、消火器、ラップトップＰＣ２台、ハンディー掃除機、がある。まさに足の踏み場もないとはこのことを言うのだろう。 ショートショートの翻訳を初めてから一週間ほどになるけれど、家の何処へ行っても落ち着く場所がなかった。神経を集中して文意を正確に把握し . . . 本文を読む

ショートショート ６

若い未亡人原作：Alice Gray 翻訳：polo181 夫は突然の事故で死に、彼女は二人の息子を育てるために一人、取りのこされました。最初のうちは、同情的な友達や心配する人たちに取り囲まれていました。彼等は食事を運んできたり、ハガキをよこしたり、電話を掛けてきたり、一緒に祈ってくれたりしました。そして、数週間が過ぎて数ヶ月の時が流れて行きました。そして全部の人たちが夫のことを忘れてしまった . . . 本文を読む

散歩には出たけれど

台風１４号の影響で関東でも雨の日が続いている。といっても、今のところ小糠雨だ。傘が邪魔だけれどないと困るといった具合。先月の２６日に帰宅してから１０日余りになるけれど、家に閉じこもりきりの生活が続いている。妻の買い物の後にくっついてスーパーに行ったりはするけれど、店内をぶらぶらするだけで、さしたる用事もない。 これはいかんぞよと思ってカメラと傘を車に放り込んで、多摩川べりまで行ってみた . . . 本文を読む

ショートショート ５

ぼく、ひとりぼっち 原作：不詳 1904 翻訳：polo181 年の頃は６，７歳の子供が駅のベンチに縮こまって座っていました。その子は初老の女性のすぐそばに座っていたので、みんなはその人の子供だと思っていました。彼の足には泥んこの長靴。足はまだ短いので地に着かず、二本の棒のようにベンチから突き出していました。この子はお尻で体を動かせてもう少しだけ右側のその女性に近寄りました。そのはずみで、彼の汚 . . . 本文を読む

低酸素に弱い体

八月中旬の信州は、はや秋だ。７日が立秋だったからあたりまえといえば当たり前。蓼科高原から八ヶ岳方面を見ている。吹く風は冷気をはらんで肌を刺す。標高が２０００を超えるあたりから呼吸が楽でなくなる。昔こんなことがあった。富士五合目まで車で上り山頂を目指した。八合目あたりで極度の疲労で体が動かなくなった。当時ところどころに酸素小屋があって１００円払うと５分ほど酸素を吸わせてくれるのだ。最後の頂上に至ると . . . 本文を読む

ショートショート ４

ビルという青年原作：Rebecca Manley Pippert 翻訳：polo181 人は彼をビルと呼んだ。彼の髪の毛はボサボサで穴だらけのＴシャツを着てジーンズを履いて、いつも素足だった。これは大学生活４年間を通しての文字通り彼の”制服”だった。彼はきわめて頭脳明晰で、ある種神秘的な顔つきをしていて人懐こい性格だった。彼は大学在学中にクリスチャンになった。大学のキャンパスを隔てた向こうに、そ . . . 本文を読む

鼻毛剃りを買いました

前まえから気に掛かっていたのだけれど、思い立って鼻毛剃りを買ってきました。真ん中のボールペンのような形をしたのがそれです。時々、ご老人で鼻毛を伸ばした人を見かけることがありますね。うっかりすると、いつの間にか鼻から飛び出した状態になります。みっともなくて、専用のハサミで時々切り取るのだけれど、すぐに生えてくる。いっそのこと、抜いてしまえとむしり取ることがありますが、これも解決にはなりません。またす . . . 本文を読む