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野党共闘は勝つために必要な戦略だ

2016-07-16 | 必見!の所見
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選挙は勝たなければならない

 参院選が終わり、14日からは東京都知事選が始まりました。この2つの「闘い」において、私が所属する民進党は、野党共闘という戦略を基本的に採りました。具体的には、形は様々ですが、参院選の32の1人区全てで野党統一候補が実現しました。また、目下選挙中の都知事選では、野党統一候補として鳥越俊太郎氏を擁立するだけでなく、直前まで立候補する意向だった宇都宮健児氏の協力を取り付けることも実現させました。

 しかし、先の参院選では、1人区で11勝21敗、そして全体でも自公を始めとする改憲勢力が3分の2以上を占めることを許す「大敗」の結果となりました。また、都知事選においても、告示日の直前まで野党側の候補者が決まらず、また、宇都宮氏が立候補断念に至るまでの経緯についても不透明さの問題が指摘されるなどしています。

 このように、野党共闘という戦略は決してバラ色のものではありません。しかし私は、選挙はやはり勝たなくてはならず、その為の戦略として野党共闘は現時点では必要不可欠であると考えます。


野党共闘せずに1人区で11勝できたのか

 「3分の2以上を取らせない」という最低目標すら達成できなかったことから、「野党共闘は空回り」等の厳しい報道や評価が一部あります。1人区でも勝ち越すどころか11勝21敗と大きく負け越していますから、野党共闘が必ずしも必勝法にはならなかったのは事実でしょう。しかし、3年前の参院選では31の1人区で2勝29敗だったことを考えれば、野党共闘という戦略が功を奏したからこそ、厳しい状況ながらも11勝できたと言うべきではないでしょうか。実際、1人区における野党4党の比例代表の合計得票と統一候補の得票を比較すると28の選挙区で候補者の得票が上回るなど、野党共闘は足し算以上の効果が出ています

 また、野党共闘、特に共産党との協力に対する批判として「野党共闘は、足し算どころか、保守票が逃げてかえってマイナスになる」というものがありますが、今回の参院選では、民進党は比例票を全国で3年前よりも400万票以上(合計約1175万票)、得票率にして7.5ポイント以上多く(合計約21%)獲得しました。また、共産党、社民党、生活の党もそれぞれ3年前よりも得票率を伸ばしており、野党共闘はマイナスどころか相乗効果があったとも言える結果となっています。


※党派別の得票・得票率(平成28年7月12日朝日新聞より抜粋)


 従って、野党共闘は、選挙全体で勝つには十分ではなかったものの、3年前よりも勢力を挽回するのに大きな効果があったと考えるべきでしょう。足らなかったのは、各政党、特に最大野党である民進党への支持でした。今回の野党共闘により保守層の一部が民進党から離れてしまったとしたら、それは民進党が共産党や市民団体等に先導された形で野党共闘路線に乗った、つまり、受け身の野党共闘だったからだと考えます。そうではなく、民進党が目指す国の形や政策を最大野党として示し、それらへの賛同を他党に呼び掛け連携するという形、つまり民進党主導での野党共闘を実現することができれば、支持を更に増やすことは十分可能ではないでしょうか。


選挙を闘う準備だけでは選挙を勝つのに不十分

 野党共闘が今の都知事選で功を奏するか、つまり、統一候補である鳥越氏が勝利するかは、結果を見なければもちろんわかりません。しかし、鳥越氏が野党統一候補となったからこそ最終的に宇都宮氏陣営の支援を得ることができたのであり、その分、鳥越氏にとって選挙戦が有利になっていることは間違いないでしょう。

 宇都宮氏の不出馬の決断については私も最大限の敬意と感謝を表したく存じます。宇都宮氏不出馬に至る経緯について「そんな野党共闘はおかしい」等のご批判は無理もないものと思います。現在立候補している有力3候補とは違い、既に2度都知事選に挑戦した経験があり、今回の選挙を闘う準備を最も進めていたのが宇都宮氏であることは事実でしょう。

 ただ、そうした準備が短期決戦の都知事選で与党候補に勝つのに十分だったかと言えば、恐らくそうではありません。だからこそ、先に立候補の意思表明をしていた宇都宮氏ではなく、知名度とジャーナリストとしての実績がある鳥越氏が野党の統一候補として選ばれ、その判断は多くの方から支持を得ているのです。参院選直後の、当初は予定されていなかった都知事選であったために短期間での候補者選びに伴う様々な不手際等はあったものの、そうした現実は冷静に受け止められなければならないと思います。

 自分が正しいと信じる政策を実現するために議員や首長を目指すのですから、そのためにはまずは選挙に勝たなければなりません。では、選挙に勝つためには何が必要か。国政選挙や首長選挙で言えば、野党としては、現時点では、野党共闘という戦略です。民進党員としては、民進党単独で選挙に勝つことがやはり理想ですが、残念ながら現在はそのような状況にはありません。違いを乗り越え、一致できる政策、考えの下で連携して選挙に臨む野党共闘は、現実を少しでも理想に近づけるための立派な手段であるはずです。

 参院選では不十分ながらも一定の結果を出しました。都知事選でもやるべき活動を最大限行えば、野党共闘の効果は十分に発揮されるものと信じています。

 お読み下さり、ありがとうございます。


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