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田舎ぐらし(50)

ー 人生いろいろ、仕事もいろいろ ー


「西国立志編」
サミュエル・スマイルズ 中村正直訳
講談社学術文庫

   「天はみずから助くる者を助く」ということばがある。100年余り前にイギリスで出版されたサミュエル・スマイルズ著「セルフ  -  ヘルプ」の中にある。
 日本語訳は明治4年、 「西国立志編」として出版され、その独立自尊のスローガンは明治の青年たちを奮い立たせたという(「自助論」竹内 均 三笠書房)。言わんとする所は自助、自分の食い扶持は自分で稼げということである。

 100年前の日本は歳をとれば年金で生活できるなどというのんきな国ではなかった。一般労働者向けの年金は昭和16年、労働者年金法の施行による。(ウィキペディア「日本の年金」)

 あれから数えて幾星霜、今でも、うちの会社には年金などありませんから・・・とすましている所もある。一時そんな会社で働いたことがある。大学受験用の教材を売る仕事だった。フルコミッションである。だから、残業手当どころか基本給さえない。ひとつも契約を取れないと、その月の給料は零である。実際、零の月がいくつもあった。

 この時、稼ぐということはこういうことなんだと思い知った。本来、給料というのは会社が稼いだお金を従業員の働きに応じて分配するものだろうと思う。だから、契約ひとつ取れないのに ♪  タイムレコーダー、ガチャンと押せばどうにか恰好 がついて ♪  ” 給料をもらえるなどということは理屈に合わない。

 これとは反対の意味で理屈に合わない会社があった。余分に働いたのに残業手当を出さない。 ちゃんと働いているのに見合ったものを出さないのはけしからん、フェアでないと思ったから、“ 拝啓 裁判官さま ” と紙に理屈を並べて裁判所に言いつけたら、存外簡単に解決した。
この時、世の中にはフェアな会社とアンフェアな会社の2種類があることを知った。

 それでもまあ、定年になって歩いてきた道を振り返ってみると、乞食もせずドロボーも働かずに、なんとか自分で糊口をしのいできた。

 明治時代はもとより、フルコミッションで働いた 頃と今を比べると、天と地ほどの違いがある。昨今は働かなくても口座にお金が入ってくる。

( 次回は ー 結婚しないワケ ー )


 
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