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田舎ぐらし(49)

ー 相続 耕耘機も遺産だから ー


 畑でスコップを使っていたら、知り合いのご夫婦が通りかかった。家内は向こうの奥さんと世間話を始めた。旦那さんはふたりから離れてこちらに来られた。たまたま相続の話になった。旦那さんもいろいろ考えることがあるらしい。

 私はよそ様のように高価なマンションや億の金はない。といって、何にもないというのも癪である。何か探さなくてはいけない。考えをめぐらせていると、ふと思いついたものがある。

 話は数年前にさかのぼるが、引っ越してきた時、前の畑は荒れ放題だった。最初スコップと備中鍬で除草を始めたが、慣れない作業で、体は30分ももたなかった。一番の強敵は茅の根だった。テニスラケットの目のように、びっちり絡み合った根をスコップで四角に切ってふるいに入れ、それを家内とふたりで揺すって根を選り分けた。気の遠くなるような仕事をやっていた。

 そこへ耕耘機がやってきた。耕耘機が掘り起こしてくれた茅の根を松葉ぼうきでかき集めると、みるみる菜園全体が黒い土に変わっていった。その後も耕耘機には、肥料のすき込み、畝立て、雑草駆除と散々世話になった。。おかげで今では毎年食べきれないほどの野菜を作ることができる。

 この先、歳をとればとるほど耕運機に頼るようになる。
なにより非常時に備えて保存食を作っておく余裕もできる。イモなどは日に干したり、土に埋めておけば食べるものがなくなった時ひもじい思いをしなくて済む。


 ここのところ、日本の周辺の海が騒がしい。仮に、国籍不明の潜水艦が日本に向かうタンカーを1隻沈めたとする。そうすると、以降石油の輸入は全部止まる。なぜなら次からは石油を取りに行こうとする船はいなくなるだろうから。石油が来ないと米や野菜を運ぶトラックの燃料もなくなる。スーパーの棚からキャベツやダイコンが消える。70年前、終戦後の光景の再来だ(田舎ぐらし(24))。あくまで、仮の話である。

 だから、わが家の一番の財産は20万円の耕耘機である。

 しかし、悩みもある。それは山の神が救いようのない機械オンチであること。先日、オイルを交換しようと思い、新しいオイルを持ってくるように言った。倉庫から出てきたのを見ると、あろうことか手に仮払い機用のガソリン缶を持っている。
 よもや、日本中の女がこうではあるまい。うちの山の神だけであると思いたい。「みんなそんなもんだよ」などと口に出してはいけない。心に思ってもいけない。それは大変失礼なことだからである。

( 次回は ー 人生いろいろ、仕事もいろいろ ー )


 


 

 


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