ー ボトムライン ー
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近くの銀行に記帳に行った。遺言信託と書かれたパンフレットが置いてあったので一冊持ち帰った。
最近は終活、終活とやたら耳にする。遺言は終活の柱だと思うが、なかなか手をつける気にならない。
縁起でもないという思いがあるし、そもそも後に残す財産などたいしてない。それでパンフレットは後で見ようと事務室の机に放り投げておいた。
2,3日後、何気なく書棚の本を一冊引っ張り出した。初心者向けの経営の本である。パラパラめくり、損益計算書のところで手を止めた。
損益計算書は一定期間の売上高からかかった費用を差し引くことで、その期間儲かったか損をしたかを見るもの。
売上から費用を差し引いていって、表の一番下に出てくる数字が損益である。この一番下の欄をボトムラインといい、配当があるかないかはここの数字で決まる。株主はここを見る。
何のことはない。遺産の額はいわば損益計算書でいうボトムラインの数字だ。生涯収入から生活費、学費、家の建築費など諸々の費用を差し引いていよいよお迎えという日に残った数字が遺産の額になる。相続人はここを見る。
遺書を書かない理由がもうひとつ増えたような気がする。