ニューヨークチーズケーキ

今はgleeのまゆげ王子×お洒落くん・ばっとまん蝙蝠×夜鳥中心。更新は寝ているカメ並。

悪の仮面

2011-02-26 | ザ・バットマン&TT(ディック!!)
ジョン・ジョーンズに愛着がわいてきてしまったどうしょう。はまりたての時名前わかんなくて”とかげ”って書いてあったのに・・・とかげぎゃないよ、火星人だよ。
ジャスティス・リーグでフラッシュが「火星人が仲間でありえないことはない」っていってたけどスーパーマンだってクリプトン星人だし。

今日はCNのブレイブ&ボールドで「復讐のアート」でロビンちゃんがでるらしいから楽しみだなぁ!!


今回はスレイドの弟子(愛人?)になって病んでくロビン。悪役ロビンって、いいと思います。


悪の仮面(マスク)

静かで清楚な小城、その城では仮面の男と少年の不思議な生活が営まれていた。
昼は最上階の塔の美しい部屋で快楽の時をすごし夜は街に出て行く。
その生活にも少年は何食わぬ顔で従っていた。していることには雲泥の差があるが似たような日常を営んでいたことがあったからだ。

少年は仮面の男が仕立てさせた簡素な、しかし美しいブラウスと黒い半ズボンをきていた。
少年は仮面の男に服従させられていた。仕方のないことだ。そんな失望と男が苛む快楽の日々だった。はじめは拒絶し脱走も試みた。しかし全てだめだった。男の手によりいつもより狂楽を与えられるだけだった。

男が少年の部屋のドアを開けた。

「ロビン。―住み始め一ヶ月だが住み心地はどうかね?」
「城みたいな所には住みなれてるよ。」

少年は前の前の家を思いだした。苦い思いだ。

少年―ロビンは窓辺へと頭を預けた。ずれたマスクをなおす。
この生活になってもマスクだけは外す気になれなかった。
男―スレイドは何度もスクに手を伸ばしていた。マスク一枚の壁、それを越えたときがロビンがこの生活を受け入れた証だからだ。しかしロビンはそれをかわしていた。

スレイドはロビンの肩を撫でた。
昨日の夜、ヴィランの為の特訓で打った傷は青くなりそれすらもロビンのほっそりとした体を際立たせた。

「いい子になったものだ。」
「…考えてたんだ。僕の未来は決まってるから、昔の僕のこと。」

緑の波打つ瞳には遠い昔が映し出されていた。

大都会の夜のビルをすり抜けていた毎日。
一緒に映る影、自分が一生一緒に居たいと思った人、しかしその影は自分を手放した。あの時の絶望と黒い感情―しかし自分はまだ諦めなかった。
その人に教えてもらったのは胸の甘い疼きじゃなくて人を助けることだと、思いこみたかった―そして新しい生活。充実して、信頼していた、しかしその安息に終止符を撃ったのは今、抱きしめられているこの男だった。

「僕は何を思って日々を過ごしてきたんだっけ…」

初めは純粋な憧れだった、次は身を焦がす愛だった、人の為に身を犠牲にしたい気持ちだった、そして安らぎだった―

「―はず、だったんだ。」

仲間を守る為だった。そのためにスレイドの元にきた、はずだった。

ちがうんじゃないの?

誰かがいった。

君は必死にそう思おうとした、でも君がいつも思ってたことは、さ―

誰が、笑った。

スレイドの視界はロビンの心とは別に窓の外の静かなる森だった。

「スレイド。」

手の中のロビンはどこかへいってしまった。
そこにいた少年にスレイドは見惚れてしまった。
気づいた、かれはロビンとゆう名の少年、だった。

少年は笑っていた、妖艶に、しかしきりりとした深くなった緑の瞳で。

「お前の悪戯もこの城での仕打ちも許したわけじゃない。だけどもうどうにもならないなら楽しんだ方がいいかなって。」

ロビンだった少年―ディックはまた微笑んだ。これが答えだ。
自分は確かにキラキラと輝くかけらを持っていた。しかし今までそれを輝かしく魅せていたのはその欠片を持つ自分が黒い姿だったからだ。

自分の人生のはいつも裏返しだったじゃないか。
密かな恋心の分、自分を拾った相手を憎んだ。
燃え上がる愛情の裏に自分だけの物にならないことを嘆いていた。
自分を犠牲にしょうと思ったのは愛されなくなった自分が居なくなればいいと思ったからだ。
どこにもない安らぎを感じていたのはただ傷を舐めあっていたからだった―。

自分の気持ちは解っていた。ただ認めなかっただけで―ディックは癖でマスクのあった場所に手を伸ばし、止めた。

「そう、思うことにした。」

窓を開けると、ディックは人生の半分を共にした布切れを投げた。それは綺麗な弧を描き、刺さりそうな森に落ちていった。

「君が決心をしてとても嬉しいよ…君は今日また生まれた。新しい、君に。」

新しい自分になった眺めは上々だった。開けた窓から冷たい風が痛い。しかし背中の新しく共に人生を歩む体温を感じるにはいい。

「さあ、君が望むことを言いたまえ。それが第一歩だ。」

ディックは少し惜しく思いながらスレイドから離れ隣の窓辺へと移った。
しかしすぐに腕の中で暑さを感じられるだろう。
ディックは楽しげに一回回ってスレイドに笑いかけた。

答えはもう決まっていた。

「そんなの一択さ。バットマン。僕がヴィランとなるなら彼が僕の目標だ。」

そう言って、ロビンだったことを捨てたディックはスレイドの胸へと飛び込んだ。

――――――

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