ヨンハの傍らにある一杯のコーヒーのカップにやなせたかし童謡詩集 勇気の歌
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2000-09
命を感じていたのに
そこにいたヨンハの命が消えてしまったとは未だ受け入れたくない
全てに命があったのに
今はヨンハが消えるなら世の中全てが消えてほしいとさえ思う
あの笑顔に再び命を吹き込むことができないものか
・・・・・
10年後のある日
渋谷の交差点で遥か昔に見た青年を見かけた
キャップに隠れた横顔は紛れもなくヨンハだ
日本でのコンサートを残し世を去ったといわれたヨンハだ
追いかけて確かめることも出来ずたたずむ
「空似だね」
その後ネットでうわさが立った
「ヨンハに似た人を見た」
変わらずヨンハに心を奪われたファン達は
「まさか・・・」
と思いながら逢いたいとそれぞれが思っていた
毎年命日に行われていたファンの集いでも口々に言っていた
「ミニョンさんみたいだね」
「記憶がなく別人として生きているのかな」
日本で誕生したパク・ヨンハの「冬ソナ」そのものだった
その日ヨンハの姉からのメッセージが届いた
「ヨンハの姿を見たといううわさがありますが
ヨンハはもういません」
「これからもヨンハは夜空に輝く星のままです
星に祈ってください」
またヨンハの姉は一枚のはがきを送った
「悪戯ばかりしないでください
混乱させないでくださいよ
韓国にも来て下さいチソンはバスケばかりです
私の弟へ」
そのはがきはアフリカの中央に位置するある国に届けられた
もちろん受け取る本人はいない
毎年姉から届くはがきでその国の人々は記憶を新たにする
10数年前アジアの国の青年が広報大使として訪れてくれたこと
小さな命を腕に抱き涙を流すまいとこらえる人がいたこと
姉は弟を忘れて欲しくないと便りを送っていたのだ
砂漠には命が引き継がれていた