東電社員 “福島を忘れない”
この活動を通して、気持ちを新たにした社員もいます。
ノートに思いをつづった1人、東京で企業向けの営業を担当している水野優(みずの・ゆう)さん。
原発事故が起こったのは入社の1か月前でした。
入社後、電話や窓口で怒鳴られるとやりきれなさを感じたと言います。
“あのとき、まだ会社の人間じゃなかった。
私は悪くない。”
東電社員 水野優さん
「どうしても福島のことに、自分の中でフタをしていたような状態があって。」
事故から3年、多くの同期が会社を去っていきました。
会社全体でもすでに1,500人が辞めました。
その7割は、40歳以下の若手です。
そうした中、去年10月、福島の活動に参加。
初めて被災地に入り、地元の人たちと一緒に働く中で、福島から目をそらしてはいけないと強く感じるようになりました。
“私には何もできないかも知れません。
でも私は現実を知ることができました。”
水野さんは、いつも身につけている物があります。
福島での活動で使った「放射線測定業務」の免許証。
『福島の人たちを忘れない』という思いからです。
東電社員 水野優さん
「支援活動ひとつとっても、それひとつで何が進むのかとか、元の状態に戻るのかといわれたら、全くそんなことはないんですけど、“やらないといけない”ということは確か。
それをコツコツやっていくしかない。」