いろいろ。

同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

スピリット

2007-01-27 00:04:00 | 映画-2007年

「カンフーには弁髪がよく似合う」

 オレの記憶が確かなら、ジェット・リーがこの作品を最後にカンフー映画に出ないとか出るとか、そんなことを言ってたから、すごい興味があったのを覚えてる。
 しかも、ジェット・リーの役が霍元甲――精武門の――つまり『ドラゴン怒りの鉄拳』や『フィスト・オブ・レジェンド』の師匠なわけで。
 これは観なければ! と思ってたけど、結局、劇場では観ることができず。
 今回、DVDで観ました。

 まず、何よりも久しぶりに本格的なカンフー映画の新作を観れたことが嬉しかった!
 しかも、時代は19世紀末から20世紀初頭、弁髪姿のジェット・リーは否が応でも『ワンチャイ』シリーズを彷彿とさせた。
 で、この弁髪姿のジェット・リーのカンフーが格好いいんだ!
 それに、『ワンチャイ』シリーズから映像技術が上がったってこともあって、それ相応に特撮技術も上がっててさらにカンフーアクションが格好良くなっていた。
 それと椅子とかハシゴとか、そういうアイテムは使わないストレート勝負も、実在の武術家っぽくて良かった。
 カンフーシーンだけなら、かなりの高水準だと思う。

 ストーリーの方はというと……どこまで事実なのかというと、けっこう眉唾だとは思う。
 でも、それはそれでいいんでないと思った。そもそも、霍元甲が毒殺された――そして、ドラゴンが怒りの鉄拳を振るった――っていう話も創作なんだし。
 むしろ、霍元甲っていうカンフーマスターがベラボーに強いってのが、オレ的には楽しかった。

 前半は、霍元甲がカンフーの腕っ節で同胞をぶちのめすってシーンの連続なんだけど、これがカッコイイね!
 いろいろ説教臭いことを諭されながらも、トンパチで暴れまくる霍元甲の強さが良かった。

 で、因果応報で反省。正直、この辺りは退屈っていえば退屈だった。
 英雄が挫折して、復活するための「タメ」の部分だったんだろうけど。物語の定石といえば定石なんだろうけどね。

 復活した霍元甲が上海に向かうあたりからは、一気に物語のテンションが上がっていく。
 西洋人との決闘で中国人の誇りを取り戻そうとする一連の流れは――ちょっと、涙がウルっときた。
 手元にある本によれば、この決闘は実現しなかったみたいだけど……。
 でも、映画として、物語としての盛り上がりはここでグッと強まっていった。グイグイって、エンドへ向かって力強く引っ張られるカンジ。

 そして、ついに上海に精武体操会が設立されたときには、なんか懐かしさのようなモノが込み上げてきた。

 中村獅童とのラストバトルなんだけど。たぶん、これは完全な作り話だと思うけど……
 ポン刀VS三節棍というオレは初めて観る対決だったけど、これがまたカッコイイ! 中村獅童も良かった!
 ただ、毒を喰らいながらも闘う霍元甲は……う~ん、オレ的には、ちょっといまいち。
 仕組まれた陰謀がこれだったってことなんだろうけど。ちょっと、無理があるよな。
 中村獅童に良いセリフを言わせて、それなりに日本に配慮してくれたのは……まあ、わりとどうでもいいかな。いや、中村獅童は格好良かったけどね。
 オレ的にはスッキリ勝った上で、日本人が卑怯にも毒殺→ドラゴン怒るってカンジにしてほしかった。

 だけど、これを観た後は『ドラゴン怒りの鉄拳』を観たくなるような、そんなカッコ良さのあるカンフー映画だった。
 お調子者がぶちのめされて反省して、再起するっていうカンフー映画のお約束も、ちゃんとあったし。
『ワンチャイ』シリーズほどには爽快感がない(主人公は毒殺されちゃうからな)のが、減点といえば減点かな。
 でも、久しぶりにカンフー映画を観たなっていう満足感のある映画でした。

『スピリット』(DVD)
監督:ロニー・ユー
出演: ジェット・リー、中村獅童、他
点数:8点


最新の画像もっと見る

コメントを投稿