「猿知恵の働くゾンビ?」
『リビング・オブ・ザ・デッド』のロメロが作ったゾンビ映画ということで、わりと期待しながら観てみました。
舞台は、ゾンビ登場によって人類が壊滅的ダメージを受けた近未来。『リビング~』の未来ともいえそうな舞台。
『東京ゾンビ』の後半みたいだな、と思ったりした。
う~ん、なんか、あんまりパッとしない映画だったな。
知恵を付けたゾンビってのは、いろいろ考えたのかもしれないけど、ことホラー映画として観た場合、大して怖くなかった。
わけがわかんないけど、とにかく群がって、襲いかかってくるからこそゾンビって怖いと思うんだけど。
何らかの意志を持って、知恵を付けて、計画的に群がってくるんじゃゾンビとしての怖さがなくなってしまう。っていうか、こういうのは『エイリアン2』で十分にやってるはずだし。
おまけにエイリアンと違って、相変わらずゾンビはのろまだし。
ゴア描写も今さら感があったので、ホラーとしてはいまいちだったかな。
ただし、ゾンビホラーではなくて、「意志を持った人類以外の生物」との戦い・抵抗の映画としてみたら、それはそれでまた違った見方ができるのかもしれないけど。
でも、あいにく、それも『猿の惑星』がやっちゃったしな……。
でも、ゾンビと人間の対立以外にも、富める者と貧しい者という人間同士の対立も描かれていた。
こういう設定をゾンビ映画に持ち込んだことは、さておき。
ストーリーとして、主人公グループとゾンビグループが分断されてしまったのは、ちょっと致命的だったのでは。
だって、街でゾンビの大群に住人が襲われているとき、主人公グループははぐれゾンビをチマチマ倒してるだけなんだもん。これじゃあ、盛り上がりに欠くよ。
「ゾンビ映画」としては新しい試みがあったのかもしれないけど、ホラー描写を含めていまいちな作品だった。
『ランド・オブ・ザ・デッド』(DVD)
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、他
点数:4点
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