近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
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撮影した写真で紹介していきます

名古屋の近代建築 その6(東区-その他)

2010-02-14 18:27:06 | 中部
名古屋の近代建築、第6回目。
東区、2009/12/7撮影分と過去写真による補足です。

※画像をクリックすると大きい画像でご覧いただけます。


旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎
(司法省営繕課・山下啓次郎・金刺森太郎/T11/煉瓦・RC3/重要文化財)

(撮影データ;EBONY SW45・SUPER-ANGULON 58mm F5.6 XL・6x9判・1/30秒・f22 1/2・ライズ+シフトアオリ)
1989年から名古屋市市政資料館として公開されています。  控訴院は全国に8つ建設されましたが、 現存するのは名古屋と札幌だけです。

正面玄関部分

(撮影データ;EBONY SW45・Nikkor SW 90mm F8・6x9判・1/30秒・f22 2/3・ライズ+シフトアオリ)
シフトアオリをしているのは、塔屋のドームが楕円に歪まないようにするためです。

会議室

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)
内装は素晴らしく、一見の価値があります。T11の建築でRC造りですが、外壁に赤煉瓦を使う等、明治の風格をかもし出しています。

表題写真は旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎内部、中央階段室です。
(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)


旧大喜多寅之助邸
(愛知県営繕課・神保技師/T9/木2/文化財指定なし)

(カメラ;RICOH GR Digital II)
M~Tにかけて弁護士・名古屋市長として活躍した大多喜寅之助の事務所兼邸宅です。写真の洋館は事務所部分で、邸宅は和風建築です。現在は愛知県議員会館として利用されています。


大洋ビル
(星野保則/S6/RC5/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・1999/3/22撮影)
事務所ビルゆえに装飾が少ないのですが、最上部のロンバルジアバンド(連続したアーチ状の装飾)がアクセントになっています。
前回登場した大洋商工の新社屋のようですが、現存企業ではないらしく、詳しいことは分かりませんでした。


旧日本陶磁器工業組合連合会共同販売所
(志水正太郎/S9/RC3/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)
大洋ビルの右隣にありますが、表は新しいビルになっています。
どう見ても裏面(実際、裏通りに面している)なので正面は新ビルに隠れてしまったのでしょう。元は前が広場になっていたのでしょうか?


旧同心会館
(不詳/T末/RC2/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・1999/3/22撮影)
元、仏教系の施設だったらしいのですが、詳しいことは分かりません。
動物のレリーフがあるのは、そのためでしょう。


徳川美術館旧本館
(吉本与志雄/S10/SRC1/登録文化財)

(カメラ;Nikon new FM2・1999/3/22撮影)
佐野時平の設計競技一等入選安をもとに、渡辺仁、大江新太郎らの著名建築家が創案(外観設計)し、吉本与志雄が実施設計しました。渡辺仁は後に、よく似た外観の帝室博物館本館を設計しています。
名古屋には県庁、市役所、徳川美術館と3棟の帝冠様式建築が残っています。
撮影後10年余り、ネガフイルムの右半分が退色しています。


旧尾張徳川家名古屋大曽根邸第1、2号土蔵(蓬左文庫旧書庫)
(不詳・吉本与志雄/M32頃・S10移築改造/土蔵2・RC補強/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・1999/3/22撮影)
S10、尾張徳川家名古屋大曽根邸にあった2棟の土蔵を移築合体し、RCで補強して蓬左文庫書庫としました。吉本与志雄はそのときの設計をしています。


旧東海中学校講堂
(酒井勝・大脇勲・宮川只一/S6/SRC3/登録文化財・名古屋市都市景観重要建築物等)

(撮影データ;EBONY SW45・Nikkor SW 90mm F8・4x5判・1/30秒・f22 1/3・ライズアオリ)
東海学園は、M21創設の浄土宗愛知支校に始まり、M42に東海中学校と改称されました。

入り口部分拡大

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影・トリミング)
入り口部分の柱が仏教系のデザインですね。


旧名古屋市筒井尋常小学校
(名古屋市建築課/S11/RC3/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)
名古屋市内に唯一残る、戦前RC建築の小学校です。


旧名古屋陶磁器貿易商工同業組合事務所
(鷹栖一英・丹羽英二/S7/RC2/登録文化財・名古屋市景観重要建築物等)

(撮影データ;EBONY SW45・SUPER-ANGULON 58mm F5.6 XL・6x9判・1/8秒・f22・ライズアオリ)
幾何学的なモチーフを随所にあしらった、アール・デコの影響を受けた建築ですね。
3階はS21の増築です。


旧葛城内科
(不詳/S5~6/木2/文化財指定なし)

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)
スクラッチタイルに丸窓や直線による表現など、当時流行したモダンなデザインです。綺麗に改修されていることもあり、古さを感じさせない建築です。


旧佐々成吉邸
(自家設計?/T13/RC2/文化財指定なし)

(カメラ;RICOH GR Digital II)
住宅としては最も初期のRC建築です。
2階に卓球をするための広間があり、振動対策としてRC造りを採用したと思われます。


旧川上貞奴邸
(あめりか屋/T9・S13改造・H16移築/木2/登録文化財・名古屋市景観重要建築物等)

(カメラ;Nikon new FM2・2007/4/30撮影)
電力王と称された福沢桃介が川上貞奴のために建設した邸宅です。余談ですが、「春の波濤」という大河ドラマで風間杜夫と松坂慶子が、この二人を演じていました。
移築前は白壁・主税・橦木町並み保存地区の中にありましたが、現在は保存地区と通りを隔てた場所にあります。


次回は名古屋の7回目です。名古屋がまだまだ続きます。


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