この寒い時期に 子供のころ
どじょう釣りしていた という
おじいちゃんの言葉が、
不意に 記憶の片隅から 鮮明に
思い出した。
こんな、時期に どじょうなんて
と思っていた。
雪が、降り始めた 12月29日
朝の8:00は、息も 白くなるような
そんな寒い中
家の近くの 小川に
おかっぱ頭の 男の子 とも 女の子とも
よくわからない 子がたたずみ
釣りをしていた。
誰も 周りに居ない環境下で
わかさぎでも 釣るような
小さな竿から 糸を垂らしている。
普段なら 気にも止めない風景として
通り過ぎるのだが
有給消化日として、1日早く 連休を
取得したものの
何の計画も なく 取らされたような
休みのため
誰かとの 会話に 欲求を抱えたのか
その子に 近づいて 声をかけてみようと思った。
近づいてみると おかっぱ頭の子は
灰色の 髪の色だった。
寒い中 着ぶくれした防寒具も 灰色
周囲は、いまだ 雪は積にいたらず
なぜか 照り返しを受けるような
きらきらとした 灰色の防寒具
おしゃれ というよりも
めずらしい感じの装いに
目を 凝らし さらに 歩を進めて近づいた。
近づいた 傍から 川底をのぞき込む
ちいさな 何かが 泳いでいる
のとは、別に 黒い 丸く薄い感じのものが
ゆっくりと うごめいている。
なにか 餌を撒いているのかと思い
『どじょう釣りですか?』と尋ねてみた。
子供は、ビクッと振り返り
あわわと 口をパクパクさせている。
何かに 驚いているように くるっと
反転したために
その勢いで、川に 落ちてしまった。
あっ!! と 驚いたのは、事実だが
落ちたその子が、バタバタもせず
川底に ゆっくり沈んでいく。
驚かせたためだと思い 慌てて駆け寄るものの
何か異様な光景に 手が出せない。
川底に ゆっくり ゆっくり 沈んでいく
その子を じっくり 眺めて立ち尽くす。
目の錯覚か?
その子が、ゆっくり 沈むたびに
ひと回り 小さく 丸く 薄くなる。
その辺の 棒切れを 差し伸べてみようにも
まわりには 何もなく
さらに 沈みゆく 子を 眺めていた。
ゆっくりと 沈みながら 丸く 薄いものへ変化し
ある位置で、ゆっくり 浮遊し始めた。
異様な光景ではあるものの
幻想的にも 思える光景に ずっと たたずみ眺めていたら
川底から 大きな手が、現れ
いままで、そこにあったものを すべて
奪っていった。
いきなりの 出現に 驚き
後ろへ転んでしまった。
という状況で、
12/29 夢から 覚めた。
小説みたい~。
意味深な夢だったね。