父は、子どもの頃、
好きなバイオリンの勉強をしたいと思って、
密かに、
音楽学校の入学書類を取り寄せた。
ところが、祖母に見つかってしまい、
ビリビリに引き裂かれてしまった。
祖父が早く亡くなったこともあり、
やむなく、大分県の精錬所に入って
仕事をすることになった。
それ以降、
父のサラリーマン生活が始まった。
太平洋戦争の頃、
朝鮮にある鉱山で働いて、
戦争が、終わって引き上げて来た。
父はその後も、
音楽学校に行く機会はなかったが、
楽団に入って演奏したり、
近くの子どもに教えたり、
孫が生まれたら孫に教えたりして
生涯をバイオリンと共に楽しんだ。
僕は、バイオリンを弾きたいとは、
まったく思わなかつたが、
楽しみがあることは、
素晴らしいことだということを
父から教えられた。
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