昭和の御大礼の女性皇族のお召しの唐衣裳を、ご紹介します。大正の御大礼の唐衣裳との、一番の違いは、昭和の時には先の記事でも書きましたが、唐衣の裏地に板引きの加工は、華美を、押さえる為か廃止となりこれは平成の御代でも同じです。
こちらは、朝香宮妃允子内親王が、昭和の御大礼の際にお召しになられた唐衣裳です。允子内親王は明治天皇の皇女で、大正天皇の母親違いの異母妹ですのです。そして、昭和天皇の叔母にあたります。
昭和の御大礼の際に唐衣裳をお召し朝香宮妃允子内親王
こちらは、允子内親王が大正の御大礼の際にお召しの唐衣裳。
こちらは、秩父宮妃勢津子殿下が昭和の御大礼の際にお召しの唐衣裳です。秩父宮様は昭和天皇の弟君です。
昭和の御大礼の際に上記の唐衣裳をお召しの勢津子妃殿下、妃殿下はこの年の9月28日にご結婚なされたばかりでしたので濃色の長袴をご着用されていらっしゃいます。
こちらからは勢津子妃殿下の唐衣裳
唐衣
深紫地の亀甲地文様に白色の雲鶴の丸紋の上文様の二陪織物
裏地 深紫地に小菱文様の綾織物
表着
紅地の入子菱地文に白色か紋(か中八重菊紋)の上文様の二陪織物
裏地 黄色地平絹
大正の御大礼と表着の表地は同じですが、裏地は薄紅の平絹から黄色の平絹となりました。そしてそれは平成の御大礼でも同じです。
打衣
紫地の綾地綾
裏地 紫地平絹
五衣
萌黄地に松立涌文様の綾織物
裏地 萌黄の匂いの平絹
五衣は大正時代と同様で比翼仕立てとなっています。
単衣
紅地の幸菱文様の固地綾
こちらからは允子内親王の唐衣裳です
裳
白地の三重襷地文の綾織物に桐▪竹▪鳳凰の摺り画
長袴
紅地精好
裏地も同様
秩父宮妃勢津子殿下が昭和の御大礼の際にご使用された檜扇
昭和の御大礼に参列された各皇族方
昭和の御大礼で調進されたこの唐衣裳は、そのままの形で平成の御大礼の時に受け継がれます。