本日の映画レビューはブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞に輝いた「ザ・ホエール」です。
ハムナプトラで有名なブレンダン・ジョンソンがカムバックして挑んだ映画が今回の作品、特殊メイクにより体重272キロの孤独な男を演じ、オスカーに輝きました。ちなみにメイクアップ・ヘアメイク部門でもオスカーを獲得しています。監督はダーレン・アロノフスキー、レスラーやブラックスワン、マザーなどの映画で知られています。この監督、とにかく主人公をいたぶることが多いです。今回の作品も精神的にも肉体的にかなりやられてます。ただ、今回は少し希望がもてるものでした。
物語は大学講師の引きこもりの男チャーリー。重度の肥満を抱える彼は自らの姿を隠しながらリモートで教えています。余命僅かであることを悟った彼は、長年会うことが出来なかったひとり娘への絆を取り戻そうとすします。
映画はチャーリーが生活の中心となる居間と寝室だけで進んでいきます。登場する人物も介護をする親友の女性リズ、娘エリーに妻、ある宗教団体の宣教師のトーマスとごくごく少ない人々と進んでいくのですが、登場人物が伏線となってチャーリーが現在のような生活となった事実と真実が明らかになっていきます。
現在の進んだ技術によって作られたチャーリーの肉体ですが、作られたものとは思えない造形とブレンダン・ジョンソンの生身のような演技が輝きを放ってます。また、介護士の女性を演じたホン・チャウの演技も個人的にはオスカーに値するものでした。また、根底に流れる思想的な背景と文学的な要素を取り入れた演出もとても素晴らしいです。
余談になりますが、今回のアカデミー賞、エブエブの独壇場的な結果でしたが、今回のブレンダン・ジョンソンの主演男優賞は納得できアジア旋風の中での獲得に納得できる結果でした。また、後には主演女優賞にノミネートされているケイト・ブランシェット主演のターが控えていますのでこちらの方も楽しみにしています。
ぜひ、エブエブとは違う骨太の舞台劇ともいえる「ザ・ホエール」観てない人はぜひ鑑賞ください。