イチロー選手が、日米通算4257安打の記録を達成しました。
ここ数ヶ月、野球賭博問題や清原和博元選手の覚醒剤による逮捕など、プロ野球を取り巻く環境が最悪な状況にあった中で、メジャー日本人選手の朗報とは言え、明るいニュースであったことは確かです。
日米合わせての安打記録とは言え、日本人選手による世界的な記録は、王貞治氏のホームラン記録に並ぶもので、ベースボールの記録に燦然と輝くものだと思います。
当のイチロー選手は、今回の記録を冷静にとらえており、記録は破られるものとの彼の信条のようなものが感じられました。
また、メジャー通算安打の4256安打の記録を持つピート・ローズ氏からも、記録に対しては認めないものの、イチロ―と言う野球選手がメジャーの歴史の中での卓越した選手であることは、ローズ氏やメジャーで活躍する選手も素直に認めているところが、イチローの選手としての偉大さを物語っています。
また、イチロー選手の野球人としての偉大さも、今回の記録更新の中でのインタビューで感じられます。ストイックな生活の中で培われる肉体と精神はもとより、彼のインタビューの中で、印象的だったのは、ヤンキースの偉大な選手であるデレク・ジータを引き合いにして、記録を作るものは、人格者であるべきだと言うメッセージ。
メジャーでも薬物疑惑などにより、野球殿堂入りが困難な選手がおり、安打記録を持つピート・ローズでさえも、八百長事件によりメジャーから永久追放されている事実を思うと、かつて野球界には尊敬できる人物は少ないと言っていた彼の哲学を感じます。
おそらくは、イチローの中にある人格者は、野球に導いてくれた高校野球時代の中村監督やプロ野球時代の仰木彬監督やWBCでの日本代表監督だった王貞治氏などに限られてるように思います。
その意味でもイチローと言う人は、野球選手と言うよりは数少ない野球人であると思うのです。