映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。カンヌ国政映画祭で監督賞を受賞したメキシコ人監督の作品「闇のあとの光」です。
メキシコ映画は、まったくと言っていいほど馴染みがなかったのですが、今回の作品を観て、カルロス・レイガダス監督の芸術的な手法に驚きました。
メキシコの小さな村を舞台に。美しい妻と幼き子供二人と何不自由のない生活をおくるファンの家に、突然赤い光を放つ謎の生命体の出現。その後に歪みはじめるファンの家族とその周囲の日常が描かれていき、衝撃的な結末と静謐なラストで締めくくられる不思議な作品です。
全面を覆う万華鏡のような不思議なカメラワーク。家族の取り巻く社会が断片的に進み、その場面ごとに「自然」「性」「暴力」「家族愛」「依存」などのテーマを持ち描かれ、アート的なコンセプトで神秘や魔力を持ってます。
共感を持つか、また、拒否を示すか。監督自身も語る観る人に委ねられる作品と言えます。