”人々”の、悲鳴のような悲痛が伝わってきた。
ゴリアテから放たれた悪鬼らは、世界を破壊し、人々を滅ぼさんとしていた。
霊廟の中を飛ぶインドラに、”声”があった。
―ここは、世に現れた神が来るべき場所では無い…立ち去るが良い―
インドラは応えた。
”ヴリトラが世界を滅ぼさんとしている。ヴリトラを再び封じる術は無いか”
―”それ”は来たるべき終焉だ、その戦いの勝者こそが次の世界を創る。ヴリトラに勝てないとしたら、それはこの世の定めである―
”何故、あのような悪魔が現れた?”
―神を創る為だ。世界を統べる力が必要だ。その時、聖と邪は現れる、聖は勝ち、邪は奈落に縛られる。それにより世界は秩序を得る事が出来る―
”封じる力は無いのかと聞いている”
―神であるお前が、この世界の理を否定するのか?―
”神などと名乗れるか、この有様で”
―理の滅びを求める神か、それも良い、ならば倒すが良い、それで解る―
眼下に、或いは壁面に無数の、人?が埋まった宝玉があった。
インドラも思い出した、自身もまたここで、”神として創られた”のだ。
その歪が、自身の眼前に広がっていた。
歴史かが記された碑石の中を飛ぶ
霊廟の管理機構が行く手を阻みつつ
霊廟の外には、ヴリトラが出現
ヴリトラを倒すと、それはしかし、世界へ四散して行った
ヴリトラは滅び、それと共に、インドラが手にしたヴァジュラもまた、壊れていった。
台地は変わり続けていた…ヴリトラの呪いか、或いは定めか、世界の崩壊は進んでいく…インドラはやがて気付いた。
ここはもう、自身らが、神々が居られる世界では無くなっていくのだ。ヴリトラもまた、邪なる物では無くなっていく。予言された終焉、それは回避する事は出来なかった、神の力を持つ存在はもう、その力を失って行くのが解った。自身もまた、或いは下等な「何か」、”それ”にも劣る様な…そんな様へと、或いは変わっていくのかもしれなかった。
世界は、消えはしなかった、それだけは、何かの確信のような物としては残った。ラグナロク、神の黄昏は今、始まったばかりだ。世界は変わっていく、神々の居ない、新たな”何か”の為の、そんな世界へと。
インドラは思った。自分に残された役目はただ、その最後を見届ける事だけだ。
…或いは、ヴリトラが良しとしなかった、”それ”として。
と言う訳で、何とかクリアしました。見ると残機が9とか、ちょっとそうですかそれは残念でしたねな感じに。一応ゲームの性格上、ともかくクリアすれば良い、的なのは間違いないのですが、簡単、と言うにはちょっと苦労する部分もまあ、有るかもです。
色々と、因縁は感じるゲームではあり、ストーリーを乗せられた?のも、そう言う色々な経緯の結果、かもしれません。結局、霊廟の管理機構を破壊してしまえば、「この世界に”神”はもう誕生し得ない」訳で、ブリトラも、いやともかく敗者たる者もまた、或いは地下深くに封じられ怨念を膨らませ続ける…と言う事態も無くなる訳ですが。大災害の様なそれは起きなくなる、それはでも、原始的な戦争、それのある時代へ戻る…そう言う事かもしれない、その辺混沌な結末と言う事には成ります。
”これ”に、賛否はある結末かもしれませんが、個人的な、こんな感じだとまあ、面白いかなぁ、と。
という訳で、また或いは次のゲームで。