現実的に問われると、それは確かに返答には窮する。
「ヒキニートに何が出来る?」社会性を喪失した、そこに有るのは、働けない個人でしかない。
「紛争解決機構が、売春を強要する事はない」正義は勝つからだ、という理屈はでも。セレブ領域の「関係」を前にすると必ずしも、という場面は少し…出てくる。本人が裕福な家に生まれた時、その年齢まで相応、「良い暮らし」をする事になる。その累積する「恩」は、そのまま勝手に外へ嫁に出る事を許さない、家の為になる相手の所、それを必然と要求される、事には成る。その時、その「実家の為になる相手」のどれもが、本人にとって”売春を強要される相手”でしか無かったら?そこには、何かの袋小路は有る訳で。
自身の想定に対して、もちろんか、見落とし、想定外、そう言うのは、実際には結構ある訳だが。
長野県中野市で発生した散弾銃発砲事件も、数日過ぎて、色々情報が解ってきた経緯はある。犯人は、13代続く農家として歴史ある家で、更に親は市議会議員も任期4年を4期、その時は市議会議長まで務めており、中野市に対してかは重大な影響力を持っていた、そんな家の長男だった、訳だが。ただそうすると、必然か、子供は親に要求される事は有る、訳だ。
お前は家業を継ぐ人間だ。
その時、不意に想像するが、そこに未来は有るのだろうか?
中野市では、つまりもう15年以上前だ、その頃既に、当時の主産業である「えのき栽培」は、かなり利益性を喪失しつつあった、現実は有る。地元民、或いは農協でさえ「農業」それに未来を見出しにくく成っていた状況は、結局は今に至るまであまり変化なしに続いている訳だが。耕作放棄地も増え、高齢化も深刻、となると、地元での嫁の来てもない…というまず重い現実を前に、何か変化を考える、それは当然の衝動だ、が。
”相手”は、この町で、市議会議員まで務める存在ではある。
何かもっと、別の事を。それは息子で有ってもタブーだった、そう言うのは有るのかもしれない。
自分も現地で、農協(JA)に少し関わりつつも思った事は、硬直して動かない、というそんな実感では有って。提案?というか、酒の席でのそれでしかないが。「何か、中野市の農作物その他にポイントシールとかつける様な感じで、中野市発の付加価値を提供する…って感じは出来ないのか?」そう言う事は言った事は有るが…もちろんか、今に至るまでそういう話はまあ、無い。それでいて今は、Vtuberの「信州なかの」というキャラまで居る?という違和感は多少ある訳だが。明確に”それ”を農作物の販売促進につなげる、という流れは無いまま、利益性それは、喪失する方向へ雪崩れていく事には成った訳で。
ともかく実感的に思う事は、現場での「農家」自身が、自身らに未来がない、それを言う状況だった事だ。
結局、犯人もまた、”それ”は次第に重く感じ始めたのでは有るまいか、自分の代はもう、先がない。
打開を!というルートは、犯人が考えるまでもなく”全て”塞がって居るのだ。自分の家が農業で利益を上げる時、それ以上に廃業する農家が増えていく現実がある、高齢化や体力の無さ等々、競争に対応する事が出来ない。そのまま先に進めば、自身だって議員を継ぐ事には成ったかもしれないが。その前にまず、自身の身を固める事が出来ない、収入を親の年金に依存する様なものだ、そしてその先は無いのだ。意識的な袋小路に陥る時、全てが無意味に成っていく結果、彼は次第に邪を宿す様になって行って。
コロナ禍の終焉は、そんな更に悪化した状況に対して、「さあ、働け」それを言う事には成る訳で。
この犯人の家に、全ての原理が有るのか?は、まだ解らない。実際にはもっと大きな外側の空気、”それ”に逆らえないという事かもしれない。ともかく家の歴史が、後継者に「他の道」を示し得なかった、というのは少し感じる重さではある。一つの終焉の先で、この家の影響力は弱まる?としても。ただ言える事だ、犯人が陥った状況、「選択できる何をやっても意味がない」その先で、時間で増幅し続ける自身の無能さ、それは打開される道は有ったろうか?
一度社会からドロップアウトしてしまったヒキニートは、果たして何が出来るのだろう?
”これ”に明確な?突破口を見いだせない限りは、奈落は不意に残り続ける事になる、のかも。そして次の犠牲者もまた、同じことを繰り返すだけなのでは。
なんでこんな事になったのか、それは少し、深刻さを伴って残る。