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同僚に絞殺された秋田美人キャバクラ嬢

2013-07-28 18:24:31 | レポート2
注射欠かせぬ被害者

 「川反に勤めている娘が帰ってこないんです」。5月23日午後、秋田市下新城中野のキャバクラ従業員、伊藤理香子さん(22)の両親から地元の秋田臨港署に相談があった。

 伊藤さんが勤めていたのは、川反のビル3階にあるキャバクラ「レジェーラ」。伊藤さんは毎日、家族が運転する車で出勤。帰りは従業員に送ってもらったり客からタクシー代をもらったりしていたが、22日夜に店に出たまま23日午後になっても帰らず、その夜は出勤しなかった。

 若い女性が一晩帰宅しないだけで家族が警察に届けたのは理由がある。伊藤さんは膵臓(すいぞう)の細胞が破壊されることによって起こる1型糖尿病を患っており、1日数回のインスリン注射が欠かせないのだ。「娘が死んでしまいます」。両親は訴えた。

 秋田臨港署は翌24日、店長の神山達也容疑者(26)=秋田市東通=と同僚の秋元麗奈容疑者(21)=同市八橋本町=に「伊藤さんの行方を知りませんか」と尋ねたが、2人とも「店が終わった後、1人で帰りましたよ」「きのう出勤しなかったので心配していました」と答えた。

ところが、2人はその日夜に出勤せず失踪。前日の売上金4万650円がなくなっていた。川反を管轄する秋田中央署がレジェーラの実質経営者からの届け出を受けて神山容疑者を「特異行方不明者」として全国に手配していたところ、25日夕、仙台市泉区内で秋元容疑者が運転する軽乗用車に神山容疑者が乗っているのを宮城県警の警察官が見つけた。

 秋田中央署の捜査員が仙台に急行し、2人を秋田に任意同行。うち神山容疑者を26日、売り上げを持ち逃げした業務上横領容疑で逮捕した。

 ■閉店後の店内で殺害

 「店長と一緒に里依(りい)ちゃんの遺体を捨てました」。事情聴取を受けていた秋元容疑者の口から29日、衝撃の言葉が飛び出した。里依とは伊藤さんの源氏名「倖月(こうづき)里依」のことだ。秋元容疑者は「如月莉々愛(きさらぎ・りりあ)」を名乗っていた。

 秋元容疑者の供述通り、レジェーラから直線距離で約12キロ離れた秋田市太平八田の山中に伊藤さんの遺体が埋められているのが見つかった。秋田中央署はこの日深夜、死体遺棄容疑で秋元容疑者を緊急逮捕。翌30日午後に同容疑で神山容疑者を再逮捕。6月8日には両容疑者を殺人容疑で再逮捕した。

 伊藤さんの死因はひもで首を絞められたことによる窒息死で、遺体は毛布にくるまれ、接客用のドレス姿で首にはビニールのひもが巻き付いていた。

 捜査関係者によると、レジェーラは5月23日午前1時の閉店時は両容疑者と伊藤さんの3人だけで、閉店直後に神山容疑者が伊藤さんをビニールのひもで絞殺。秋元容疑者は準備段階から共謀したとされる。遺体を毛布にくるんで、早朝に秋元容疑者の車に運び込んだ。川反は飲食店が閉店した夜明けから昼ごろにかけてはほとんど人通りがない。山中への遺棄時間は午前10時から正午ごろの間とされる。

その夜、殺害現場であるレジェーラは何事もなかったかのように営業。両容疑者は翌日、警察から伊藤さんの行方を聞かれたため、仙台に逃げたのだ。

 ■姉妹のような人気嬢

 「今日はね りりあちゃんとデートしてから一緒に出勤しましたあ(//∀//) 最近毎日一緒! 休みの日も一緒! カップル並みに一緒にいる気がする。笑 にこいちなのです(*´艸`*) ほんとに妹みたいで めんちょこちゃん~」

 倖月里依こと伊藤さんは自らのブログ「RII’s BLOG」で1月17日に、1歳下の如月莉々愛こと秋元容疑者への親愛の情をそう表現している。

 秋元容疑者もブログ「りりあタイム☆」で「りいちゃん大好き~てへ」(3月9日)、「安定のふたりです~ りいちゃんらぶ~~」(4月22日)などと記述。双方のブログには2人でピースサインをしている写真が何枚も載っている。3月には秋田空港からの直行便で一緒に韓国旅行に行ったほどの仲だ。

 レジェーラの元関係者によると、同店は地元で飲食・風俗情報誌を発行するグループがプロデュースして、昨年5月にオープン。伊藤さんは開店間もなく、秋元容疑者は10月に入店した。指名ランキングで常に1、2位を争う人気嬢で、情報誌の表紙やグラビアを飾ったこともあった。

 「ライバルなのに姉妹のように仲が良かったんです。なぜこんなことに…」と、この元関係者は声を落とした。

 神山容疑者の知人によると、同容疑者は仙台市出身で「司法書士を目指していたこともあるが、東日本大震災を機に秋田に来たんだ」と話していたという。別の飲食店を経てレジェーラのボーイになり、8月に当時の店長が酒気帯び運転で逮捕されたのに伴って店長に昇格した。昨年、交際していた女性との間に子供ができたが、その後女性と別れている。

 ■親友より彼氏を優先

 「サオ管理って知ってますか?」。3人を知る川反の同業者が声をひそめた。サオとは男性器を指す隠語。夜の商売で、経営者や店長が男女関係を使って従業員をコントロールすることを、そう言うのだそうだ。

 「店長(神山容疑者)と莉々愛ちゃん(秋元容疑者)は親密でした」と、この同業者は証言する。地元紙も、伊藤さんが秋元容疑者に「店の雰囲気が悪くなるから店長と別れたほうがいい」と話したため秋元容疑者が不満を抱いていた-と報じているが、同業者は「それだけではありません」と言う。

 レジェーラには伊藤さんの親類の女性も働いており、神山容疑者はその女性にも接近し、伊藤さんが神山容疑者に「親類には手を出さないで」と詰め寄ったのだという。一方、秋元容疑者は神山容疑者の心をつなぎとめようとしていた。

 こうした人間関係のもつれから、神山容疑者が伊藤さんをうとましく思い、秋元容疑者は親友の伊藤さんより彼氏である神山容疑者を優先した可能性がある。事件前には秋元容疑者と伊藤さんが激しく言い争う姿が目撃されている。

 両容疑者は捜査本部の調べに対し「伊藤さんとトラブルになった」と動機を供述し始めており、捜査本部はトラブルの具体的内容について取り調べや裏付け捜査を続けている。

 複数の容疑者が逮捕された場合は合図などで口裏を合わせないよう別々の警察署に分散留置されることが多いが、両容疑者は同じ秋田中央署の留置施設に勾留され、神山容疑者は成人男性居室、秋元容疑者は女性居室にいる。

 一つ屋根の下で寝起きしながら決して顔を合わせることのないキャバクラ嬢と店長。冷たい壁を見つめながら何を思っているだろうか


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