札幌で世界の最新アート作品に出合える特別なアートイベント「札幌国際芸術祭」の公募企画の一つ写真展「Future is in the Past(未来は過去にある)」。写真をベースに活動する札幌大谷大学の学生、卒業生、教員、ゲスト作家らで構成された総勢19名による展覧会です。2024年1月20日(土)~2月25日(日)の会期で札幌市指定文化財「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」で開催中です。
本日は写真展「Future is in the Past」の鑑賞です。「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」公募プロジェクトに採択された企画で「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」で開催されています。先般「サッポロファクトリー」ユナイテッドシネマ札幌で映画『ゴールデンカムイ』鑑賞後の和洋折衷喫茶「Nagayama Rest(ナガヤマレスト)」でのランチの際に開催を知りました。その日は後の都合で十分鑑賞時間がとれなかったので本日改めて出かけできました。
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会場の「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」は「サッポロファクトリー」の東側に隣接する「永山記念公園」内にあります(地図)。
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写真展は廊下で連結している「旧永山武四郎邸」及び「旧三菱鉱業寮」の両館で開催されているのですが「旧三菱鉱業寮」側の出入口は冬季閉鎖のため「旧永山武四郎邸」側入口から館内に入ります。
先ずは「旧永山武四郎邸」側の展示へ。
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写真展「Future is in the Past」(主催:旧永山邸 × 札幌大谷大学・今研究室)のチラシ。写真をベースに活動する札幌大谷大学学生、卒業生、教員、ゲスト作家らで構成された総勢19名の作品を展示。
参加アーティストは赤川綾乃、藤本 遥、畑江俊明、今泉奈採、稲田健汰、方川結以花、加藤未夢、今 義典、南 有咲、木工詩諸里、奈良岡美咲、梨木愛奈、大橋 輪、大橋鉄郎、酒井広司、酒井愛未、杉尾はな、鈴木涼子、露口啓二。チラシのメインビジュアルは酒井愛未さん「その先は破滅」(2014)。
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応接室として使用されていた洋間と表座敷の和室。
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洋間には今義典さん(札幌大谷大学教授)の「普通の人々」シリーズを展示。
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その一つ「川口のあけみ」(2007)。埼玉県川口市の狭い住宅露地で未来を夢みる『あけみ』だそうです。今は聴衆は犬と近所の子供のみです。
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表座敷として使われた和室には酒井広司さん(札幌大谷大学非常勤講師)の4×5の大判フィルムカメラで撮った作品「4×5」。左は旧室蘭駅のD51、右は旧三笠炭鉱住宅。
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和室縁側から見える旧永山邸庭園の雪景色。
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脇座敷に展示されている大橋鉄郎さん(卒業生)の作品「探鉱のカナリア」(2023)。芦別市にある坑夫像を写真に撮って紙工作のように組み立てたものとか。脇のモニターでは、炭鉱等で有毒ガスが発生した際には人間よりも先にカナリアが気付くことを引き合いに“アーティストも社会にとってのカナリアといわれる”などと解説しています。
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同じく大橋鉄郎さんの「鉄柱とカッペ」(2023)。炭鉱夫の命を支えた坑道内の鉄柱とカッペ(梁)。大人2人でやっと待ちあげることができるほどの重量があったという鉄柱が軽そうに宙に浮いています。以上で「旧永山武四郎邸」の展示鑑賞を終了し「旧三菱鉱業寮」へ。
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「旧三菱鉱業寮」1階の和洋折衷喫茶「Nagayama Rest(ナガヤマレスト)」 奥の展示。
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加藤未夢さん(卒業生)の作品「犬-備忘-」(2023)ほか。モデルは飼い犬の老いたシベリアンハスキー犬。
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「旧三菱鉱業寮」2階ホールと展示風景。寮に滞在する人たちの談話室として使用されたホールは人気の撮影スポットでもあるそうです。
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畑江俊明さん(造形作家)「街角で:過去と未来の狭間」(2021‐2023/2024)。
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特徴的な丸窓のある展示スペース。
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今泉奈採さん(卒業生)の「ミルクドレス」(2017年)。6ℓの牛乳をスタジオで延々とモデルにかけ続けて生まれた唯一無二のドレスだとか。
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酒井愛未さん(卒業生)の「その先は破滅」(2014)。「Future is in the Past」のメインビジュアル。46億年の年齢の地球と5秒の寿命のシャボン玉を重ね合わせて今にも破滅しそうな地球を表しています。
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「旧三菱鉱業寮」2階廊下の展示。
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方川結以花さん(卒業生)の「吾輩は猫である」(2023年)。
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2階奥の和室に展示されている鈴木涼子さんの「軍隊手帳」(2023)。軍医だった祖父が満洲で亡くなる前に軍隊手帳に残した妻宛の手記(熱烈なラブレター)と戦後に手帳を手にして死ぬまで独身を貫いた祖母の写真ほかの展示。戦争が無ければ二人の運命は・・を問う作品。
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露口啓二さんの《「住むこと/建築」-シリーズ「移住」より》の6組12点のカラー写真。パッと見には普通の家あるいは何の変哲もない住宅地のようですが様々な状況下での内地からの北海道への植民、福島原発事故による周辺住民の強制退去にかかわる地域の人びとなどの「住居」を撮った写真。最後の写真は福島県双葉町北広町(2020年撮影)。
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以上で「旧三菱鉱業寮」側の鑑賞も終了。全ての作家さん、展示作品を紹介できませんでしたが大変に見応えのある写真展でした。会場の「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」の雰囲気も良く建物見物とともに二重に楽しめました。ありがとうございます。
写真展「Future is in the Past」
会場:旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮(札幌市中央区北2条東6丁目9-22)
日時:2024年1月20日(土)〜2月25日(日) 10:00〜19:00
定休日:2月14日(水)
主催:旧永山邸 × 札幌大谷大学 今研究室
お問い合わせ:旧永山邸管理室(Tel: 011-232-0450)
E-mail: info@sapporoshi-nagayamatei.jp
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(2024.2.22)