「チ・カ・ホ」北大通交差点広場(東)で6月23日(金)~25日(日)の会期で開催された菅原一剛「ウクライナ写真展」。2019年に菅原氏がウクライナをニブフからキーウまで横断した時に撮影した作品の写真展でウクライナの人々の日常が映し出されています。“菅原一剛の平和の祈りが伝わる写真展”です。
読売新聞の広告欄に出ていた写真家・菅原一剛氏による「ウクライナ写真展」。「チ・カ・ホ」北大通交差点広場(東)で開催されていると知り出かけてきました。現在のウクライナ情勢を伝える写真展かと思ったのですが撮影は2019年4月とのこと。菅原氏の写真はモノクロが多いようですが会場に展示されている写真は全てモノクロで説明もありません。見る者が想像するしかないのですが、お母さまが亡くなったため帰国した知人の会社のウクライナ人社員に同行して撮影した写真ということで全体の雰囲気として鎮魂歌のような写真展でした。菅原氏のウェブサイトを見ていると“菅原一剛の平和の祈りが伝わる写真展、ぜひお近くへお越しのさいは足を運んでみてください!! ”と出ていたので必ずしも的外れな印象でもなかったのかも知れません。
菅原一剛「ウクライナ写真展」会場の「チ・カ・ホ」北大通交差点広場(東)。地下鉄「大通駅」から「チ・カ・ホ」へ入ったすぐの場所です。
《菅原一剛「ウクライナ写真展」に向けて》
2019年4月、ぼくはウクライナをニブフからキーウまで横断した。
それは知人の会社に勤めるウクライナ人社員のお母さまが亡くなってしまい、彼のお父さまとの、ご家族との写真を撮って欲しいとの社長の願いを受けて、その旅に同行した。
それは知人の会社に勤めるウクライナ人社員のお母さまが亡くなってしまい、彼のお父さまとの、ご家族との写真を撮って欲しいとの社長の願いを受けて、その旅に同行した。
初めて観るウクライナの景色はそれまでに数度訪れたことがあるロシアの風景そのものだった。そんな光景の中で、ウクライナに残る妹さんやお父さまとの大切な写真の撮影を繰り返し、なんとお墓参りまでご一緒させていただいた。
そんなウクライナの人々の日常と、そしてそんなご家族のあたたかいつながりを目の当たりしていたこともあって 2022年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻には個人的にもなんとも言いがたい悲しみがある。
そしてその2ヶ月後の4月24日、現在連続テレビ小説「らんまん」のモデルでも知られる植物学者・牧野富太郎博士の生誕160年のお誕生日に、ぼくは牧野博士の手によって製作されたさくらの標本写真をまさにさくら色に染めて、博士が幾度となく話されていた言葉と共に、牧野博士の故郷でもある高知の「高知新聞」をさくら色に包んで、一日も早く争いのない世界が訪れることを願って、各家庭にお屈けした。
牧野富太郎博士の言葉。
菅 原 一 剛
1960年札幌生まれ、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、早崎治氏に師事。
1960年札幌生まれ、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、早崎治氏に師事。
フランスにて写真家として活動を開始して以来 数多くの個展を開催。1996年に撮影監督を務めた映画「青い魚」は、ベルリン国際映画祭に正式招待作品として上映される。2004年フランス国立図書館にパーマネントコレクションとして収蔵される。2005年ニューヨークのPace MacGilll Galleryにて開催された「Made In The Shade」展にロバート・フランク氏と共に参加、またアニメ「蠱師」のオープニングディレクターを務めるなど、従来の写真表現を越え、プリンターの久保元幸氏と共に多岐にわたり活動の領域を広げている。2010年サンディエゴ写真美術館に作品が収蔵。2014年作品集「Datlight|Blue」上梓。2023年青森県立美術館にて写真展「発光」を開催。大阪芸術大学客員教授。
写真には説明書きが一切ありませんので"お墓参りまでご一緒させていただいた”とのことからの勝手な想像です。
亡くなられたお母様と縁のあるウクライナ正教会の教会内部。
教会の古びたオルガン。
こちらは首都キーウにある2014年のウクライナ騒乱の犠牲者の追悼碑。親露派のヤヌコーヴィッチ政権が崩壊した2014年のウクライナ騒乱が現在までつながるロシアとウクライナの間の一連の関係の発端。そんな追悼碑の写真が鎮魂歌という印象を抱かせました。
墓参の様子でしょう。
その道すがらにある戦車。
キーウの街のようす。賑やかそうですがどことなく寂しげでもあります。
???。
夜の街を闊歩する(?)ウクライナの若い女性。
雑貨屋さん。「ROSHEN」(英語: Roshen Confectionery Corporation)は1996年に設立された第5代ウクライナ大統領でもあるペトロ・ポロシェンコによって所有・管理されているウクライナのチョコレート会社だそうです。
「ウクライナ写真展」のフライヤーにも使用されている写真。メッセージは白い平和の翼でしょうか。
以上で鑑賞終了です。予想とは少し趣が異なる写真展でしたが印象的で考えさせるものでした。ありがとうございます。
菅原一剛『ウクライナ写真展』
会期:2023年6月23日(金)~25日(日)
会館時間:(6/23)13:00~19:00 (6/24)10:00〜19:00 (6/25)10:00~16:00
会場:チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)北大通交差点広場[東]
入場料:入場無料
問い合わせ: ウクライナ写真展実行委員会 011-290-1111
会館時間:(6/23)13:00~19:00 (6/24)10:00〜19:00 (6/25)10:00~16:00
会場:チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)北大通交差点広場[東]
入場料:入場無料
問い合わせ: ウクライナ写真展実行委員会 011-290-1111
(2023.6.26)