「北海道立近代美術館」では《時間》をキーワードに作品がもつテーマやイメージを読み解く展覧会《近美コレクション 時間をめぐって》が開催中です。また道内各地の特色ある美術館を紹介する「アートギャラリー北海道」事業として日本近代を代表する彫刻家・中原悌二郎氏の足跡を回顧する《没後100年 中原悌二郎展》が同時開催されており併せて同館が新たに収蔵した作品類も展示されています。
先般「北海道立近代美術館」で世界屈指のエジプト・コレクションを誇るオランダのライデン国立古代博物館所蔵品の展覧会「古代エジプト展」を鑑賞した際に反対側の展示室で《時間》をキーワードとする展覧会《近美コレクション 時間をめぐって》等が開催されていました。当日は「古代エジプト展」を鑑賞するのが精一杯だったため本日改めて鑑賞に出かけてきました。館内は「古代エジプト展」の鑑賞者で大変な人出でした。
「北海道立近代美術館」の東側エントランス。ファラオポーズで記念撮影する女性を含め来館者のほとんどは「古代エジプト展」目的と思われます。
入館すると「待ち時間約60分」の表示が出ていました。もちろん目的の展覧会ではなく「古代エジプト展」です。「北海道立近代美術館」のウェブサイトでは“土日・祝日に比べて比較的空いている平日におきましても、館内への入場時、入場後のチケット購入にお待ちいただくほか、入場制限時には入場整理券を配布しており、観覧まで相当の時間(場合によって1時間以上)お待ちいただくことが予想されます”と出ていましたが金曜日の午前中でこの状態です。お盆休み期間中の土日は大変な混みようでしょう。
ロビーの様子。奥のモニター横で入場整理券を配布していました。
反対側の《近美コレクション 時間をめぐって》&《没後100年 中原悌二郎展》等の会場入り口。静かなものです。展示は《新収蔵品展》⇒《近美コレクション 時間をめぐって》⇒《没後100年 中原悌二郎展》の順番になります。
【新収蔵品展】
福井爽人《海皎》1995年。
野見山暁治《ぼくの切れっぱし》2000 年。作家は101歳となった現在も旺盛な制作活動を続けておられるそうです。
山本正年《花生“窓”》1986年。
レオノール・フィニ《エルヴェティウス夫人の猫》1985年。
大井戸百合子《秋の市場》1981年。
【近美コレクション 時間をめぐって】
“本展覧会では、「時間」をキーワードに、作品がもつテーマやイメージを読み解きます。光と闇によって廃墟に浮かび上がる特定の場所や時代を超えた時間(池田良二)、不在の暗示が想起させる記憶(クリスチャン・ボルタンスキー)、痕跡として写し出される土地の歴史(岡部昌生、露口啓二)、そして時を刻みながら明滅する数字が表すたゆみない命の再生(宮島達男)。写真、版画、フロッタージュ、デジタルカウンター、ガラス、木彫など、多彩なメディアと手法によって表現される作品の「時間」をめぐってください。作家の内面や思惟、歴史や社会への批判、普遍的な問いへのまなざしなどが、私たちを思索や創造へと導いてくれることでしょう。”
展示会場入り口付近。
会場全景。
瀧川嘉子《境 KYOH NO.53》1993年.
池田良二《Reborn door 再生される扉》1988年。
クリスチャン・ボルタンスキー《モニュメント:ディジョンの子どもたち》1987年。
上掲作品の解説。難解です。
宮島達男《Monism/Dualism No. 6》1999年。
中江紀洋《宿世からの追伸》1979年。
中江紀洋《過去への夢》1994年。かなりの思考力を試されるような展覧会です。きらいではありません。エジプト展の混雑と対照的な静寂の世界でした。
【没後100年中原悌二郎展】
“北海道釧路に生まれた中原悌二郎(1888-1921)は、移り住んだ旭川や札幌で美術への傾倒を深め、絵画を学びます。21歳の時に荻原守衛と出会い、ロダンがもたらした力感あふれる表現に感激し彫刻へ転向。重厚で力強い塑像表現を追求し、院展を中心に作品を発表すると、非凡な才能に注目が集まります。その後、病のため旭川の養家で療養生活を余儀なくされながらも、制作への情熱は冷めず再上京。院展で受賞するなど評価が高まりつつあったさなか、32歳の若さで没しました。
没後、友人で彫刻家の平櫛田中が保管していた作品を基に、有志によって組織された中原悌二郎遺作保存会が全作品を収集。1994(平成6)年、旧旭川偕行社を活用した中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館が開館し、その業績を展示・顕彰してきました。
道内各地の特色ある美術館を紹介する「アートギャラリー北海道」事業として開催する本展では、旭川市彫刻美術館、札幌芸術の森美術館の協力を得て、日本近代を代表する彫刻家・中原悌二郎の足跡を回顧します。”
没後、友人で彫刻家の平櫛田中が保管していた作品を基に、有志によって組織された中原悌二郎遺作保存会が全作品を収集。1994(平成6)年、旧旭川偕行社を活用した中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館が開館し、その業績を展示・顕彰してきました。
道内各地の特色ある美術館を紹介する「アートギャラリー北海道」事業として開催する本展では、旭川市彫刻美術館、札幌芸術の森美術館の協力を得て、日本近代を代表する彫刻家・中原悌二郎の足跡を回顧します。”
オーギュスト・ロダン《眠れる女(裸婦)》1887年と会場全景。
荻原守衛《文覚》1908年。
荻原守衛《鉱夫》1907年。
中原悌二郎《老人》1910 年。
中原悌二郎《保田龍門像》1915年。
中原悌二郎《乞食老人》1918年。
中原悌二郎《憩える女》1919年。
現存作品12点だそうです。
石井鶴蔵《中原氏像》1916年。合掌。
以上で鑑賞終了です。2階から見た1階ロビーの様子。まだまだ来館者が途切れませんでした。
近美コレクション《時間をめぐって》&アートギャラリー北海道《没後100年中原悌二郎展》
開催期間 2022年07月10日~2022年08月21日
休館日 月曜日
開催場所 北海道立近代美術館
主催者 北海道立近代美術館
料金一般 510(420)円 高大生 250(170)円
※( )内は、10名以上の団体料金
※無料になる方:65歳以上、中学生以下、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(ミライロID利用可)及びその介護者(1名)など。高校生は毎週土曜日および学校の教育活動で利用する場合は無料
「北海道立近代美術館」
札幌市中央区北1条西17丁目
[電話番号] 011-644-6881
[開館時間] 9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
[休館日] 月曜日(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/
https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb/
札幌市中央区北1条西17丁目
[電話番号] 011-644-6881
[開館時間] 9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
[休館日] 月曜日(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/
https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb/
(2022.8.12訪問)