「爵銀龍」
原初を刻むメル・ゼナ
Primordial Malzeno
古龍種
古龍目 爵銀龍亜目 メル・ゼナ科
全長約1873.47〜2477.15cm
全高約800.27cm
・狩猟地
城塞高地、大社跡、溶岩洞、塔
・概要、特徴
キュリアに寄生されることなく、原初たる威容を保ち続けてきた 「本来の爵銀龍メル・ゼナ」 と呼べる特殊個体。純然にして無垢の、真のメル・ゼナの姿である。
原初から今まで、刻まれてきた時を超えて現れた事から、「原初を刻むメル・ゼナ」と名付けられた。
紅の月の下、妖しげな恐怖を振り撒くメル・ゼナの印象とは真逆に、陽光注ぐ中に現れ、厳粛で重厚な佇まいは目を奪われるほどに美しく、神々しさすら感じられる。
その身にはキュリアとの共存を拒否し続けてきた意志と、 同族を無惨なる血鬼に堕としたキュリアへの憎悪と怒りが満ち、対峙する者は背筋が凍るような威圧感を覚える。
キュリアの侵食を受けたメル・ゼナに比べて外殻は重厚で、雄大な体格。盾翼と呼ばれる大型の翼が特徴的である。 この盾翼は翼膜を支える指が自在に伸縮する構造をとり、指を延ばし広げれば盾、縮めて細くすぼめれば剣の如き形態をとる。
それを王国騎士が持つ剣のようにしなやかで柔らかな軌道で振るう様は、剣の舞を思わせる。
また、その名の通り盾のように構えることで、襲いかかるキュリアの牙を通さずに弾き飛ばす、冰龍イヴェルカーナが放った極低温ブレスを真正面から凌ぎ切るなど、堅城の如き防御力を見せる。
その身に纏う甲殻は傷一つなく輝きを放ち、あらゆる外敵から身を守ってきた。そして穢れなき龍の鱗はかつて守護者と呼ばれた頃、悠久の平和を示すと語り継がれていた。
薄く開いた口腔から妖艶に覗く牙を目にした者は、その艶めきに意識を奪われ、いつしか甘美な眠りに落ちてしまうという。
尾は自在に開閉する三叉の矛であり、強大な破壊力をもって古き時代、今日でいう冥淵龍ガイアデルムと天と地をまたいでの激闘を繰り広げた。
体内には脈動する力の根源とされる玉石、「刻冥の龍血玉」が在る。それは奈落から昇り、昏冥を照らす紅い月に見紛うほどの美しさを持つといわれている。
・生態
かつては王国を含めた人間の活動圏内にその姿を見せることは少なく、存在は知れど生態は謎に満ちている。一説には人々との接触を極力避け、互いの領域を侵さず、結果として長らく人間との共存を果たしてきたのではないかともされている。
残忍で狡猾とされていたメル・ゼナの気質は、キュリアとの共生で秘められた攻撃性が露わになった結果であり、この本来のメル・ゼナはかつて王国と共存することができていた歴史が示すように、基本的にヒトやその国を襲うような性格の古龍ではないと認識を改められつつある。
ただし己の縄張りに固執し、苛烈に侵入者を排斥する性質は通常種と同じく持ち合わせており、特にテリトリーにおいて多大な影響力を齎す、それこそ他の古龍種などの生物に対しては徹底的な排除を試み、激突する様が観測されている。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1800097689440518647?t=FqEXsVAqtcFJ65MIPlm46w&s=19
・王国に伝わる伝承
特命騎士たちの調査により発見された文献によれば、深淵の悪魔の存在を謳った御伽噺の続きの中に言及されており、その内容は
「悪魔は”鬼神”を呼ぶ。『爵』を冠する鬼神は彼方より現れ、『白銀』の槍でもって大地を灰燼となす滅浄の裁きを下す」
というものであった。
観測拠点エルガドでは、これを”辺り一帯を壊滅させて王国を危機に陥れるほどの被害を齎すもの”と想定したが、実際は「メル・ゼナが深淵の悪魔を追い払った」という解釈こそが正しく、当時も本種が縄張りを守ったことで結果的には王国が護られていた。
この事から、かつての人々からすればメル・ゼナは”救国の騎士”であり、この御伽噺も畏敬の念から作られたものと思われる。
此度王域にその姿を見せたのは、メル・ゼナとガイアデルムが同時期に討たれた事で還る場所を失ったキュリアが暴走し、それを「深淵の悪魔」の浸出に等しいと感じた事で、その元凶が「祭壇」と見て、その使徒たるキュリア共々、己の縄張りから浄滅させるべく到来したため。結果として、王域を外敵から守る騎士としての機能を発揮したといえる。
件の個体はキュリアによる侵食を防ぎきれず暴走するが、キュリアとの共生を最後まで拒み、傷を負ってなおキュリアに抵抗するその光景を目の当たりにして真相を察した猛き炎と王国騎士は討伐対象をメル・ゼナからキュリアへ変更、彼らの手で周辺のキュリアが駆逐されたことで戦意を収めて飛び去っていった。
その姿に護国の志を見る者もあるが、メル・ゼナはあくまで己の縄張りを守るべくキュリアの拡大を食い止め、殲滅するために行動していたに過ぎず、本種もかつて王都や城塞高地を壊滅に陥れ、此度も王域全土に被害を齎したことに変わりはない。
また、一部では最早後戻りできない侵食率に到達した個体も存在しており、止むを得ず討伐に至っている。
・危険度、戦闘能力
戦闘においては強靭な盾翼を剣のように振るっての刺突や薙ぎ払い、矛の如き尾によって敵対者と格闘し、真っ向から騎士の様な立ち振る舞いで相手を攻め立てる。
振るえば豪快に地を砕き破壊するほどの剛力と硬度を備えた盾翼による攻撃を仕掛け、そこに更なる追撃を繰り出す戦法が特徴的。
盾翼を刺し貫くように突き刺してから続けざまに薙ぎ払う、盾翼を振り払って外敵を地面に打ち付け、身動きを封じた隙に尾で鋭い追撃を繰り出す連携など、卓抜した剣技の如き連撃は対処に苦慮する場面が多く、一瞬の油断や動きの読み違いが命取りとなる。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1816808494118629495?t=iT2laQBk2ssAtrECQltliA&s=19
雌火竜の如きサマーソルトを繰り出したかと思えば直後に盾翼を交差させて突撃し、そのまま盾翼を薙ぎ払う攻撃などは特に警戒すべきであり、体力に猶予が無ければ的確な追撃に為す術なく討ち果たされるだろう。
最大の特徴はキュリアの影響を受ける前の聖騎士然とした印象と、侵食された後の暴走する姿の二面性である。
原初を刻むメル・ゼナは、三度変貌するのだ。
普段は前述の通り、翼と尻尾を巧みに扱い、騎士の如く毅然と然と立ち振る舞うが、やがて体力を失った身体がキュリアに侵食されると一変し、キュリアの力に順応する。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1816809617760096304?t=VFvcJmdk-lGktpMAxYFQag&s=19
やがてキュリアがその身に群がり、侵食が始まると 「血氣覚醒状態」へ移行。この状態では通常個体と同様に胸部及び前脚にキュリアが集き、繰り出す攻撃にも変化が見られ始める。
従来の盾翼と尾を巧みに用いた肉弾戦に加え、この段階からはキュリアを使役するようにして獲物を追い詰めるようになる他、通常個体同様に対峙したハンターを捕らえて精気を奪う行為も見られ、メル・ゼナとの命の駆け引きを強いられる。
更に侵食が進むことで「血氣烈昂状態」へと変化。美しかった白銀の甲殻は黒い鋼のように、翼膜は禍々しい紫色へと染まる。
キュリアを伴う攻撃もより熾烈になり、従来の個体に見られた「ダークロードブリス」も使いこなし、通常個体と同じく龍属性エネルギーの波動を放つ攻撃も扱う。
通常のメル・ゼナの攻撃とは相違点も見られ、この状態の原初を刻むメル・ゼナはエネルギー波ではなく黒い風圧を高速で飛ばし、標的を追尾するキュリアを放つなど、通常個体には見られない攻撃方法も扱う。
特に警戒を要する行動として、垂直に飛翔しつつ自身を中心としてキュリアを放ち、両盾翼を伸ばしながら急降下して地に叩きつけ、キュリアの群れを爆ぜさせ放射状に波動を飛ばす攻撃がある。
叩きつけられる盾翼の威力は言わずもがな、放射状に放たれる波動に吹き飛ばされればただではすまない。
更なる脅威として、盾翼を左右に大きく展開し、前方にキュリアを集らせ、一気に射出する攻撃を放つ。放つ寸前の紅い光を見逃し、無理にガードを試みれば、たとえガード強化スキルを発動していたとしても貫かれ、致命的な一撃の元に倒れ伏すこととなろう。
最たる大技はメル・ゼナが垂直飛翔し、無数のキュリアの群れを雨の如く降らせ、地面からは自身を中心に次々と波動を放つというもの。降り注ぐキュリアや地を這う波動に気を取られた獲物は、ダークロードブリスによって自身の直上へ迫ったメル・ゼナの放つ膨大なエネルギーの爆発によって確実に仕留められる事となる。
戦闘により傷つき、メル・ゼナの体力が失われていくと遂にキュリアが全身を完全に侵食した「血氣触烈状態」 と呼ばれる姿へ変貌する。
この状態となると全身は闇のような漆黒に染まり、翼膜や甲殻の隙間からは燃え盛るような朱色の光が溢れ出すようになる。
この状態では極限まで高まった圧倒的な力に衝き動かされるように、息つく暇すら与えぬほどの無慈悲な猛攻によって敵対者を追い詰める。極点に達した聖なる暴虐の力を抑え込む術はない。
恐るべきは、なんと片手では到底数えられぬほどの回数に及ぶ怒涛の連続攻撃。標的がその場から逃れんとエリアを移動してもなお、執拗に追いかけて攻撃を続けようとする姿には恐怖を覚えるだろう。
しかし、暴走したキュリアのエネルギーに耐えられず、翼膜をはじめとした身体の組織が崩れるような様子も見られ、爆発的なエネルギーに蝕まれるためか、時折その力に抗うかのような姿を見せる。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1816814667014008833?t=Ogu2Xby9ER19henm8Sss6Q&s=19
暴走するエネルギーの影響から、最終的に発揮するその力はキュリアと共生する通常個体以上と目され、深淵の悪魔を超える最大級の脅威として、観測拠点エルガドにおいては最たる危険度を秘めたモンスターの一種として扱われる。
・利用
原初を刻むメル・ゼナの素材を使用して作られた装備は不死の怪物から民を守るため戦った騎士が身に着けていたとされ、怪物の血を浴びてもなお、白銀の輝きは濁ることなく輝き続けるという。誇りと覇気を感じられる気高き一品。
・ソース
MHR:S
HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集 pg.184.185、276、348〜349、379
https://www.mhw-blog.com/mhrise-sunbreak-info/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%8A%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%80%8B%E4%BD%93%E3%81%A8%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%83%89%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%95%E3%81%A8%E5%AF%BE
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