伊豆七不思議というものがあります。私がそれに興味を持ったのは今年の初詣で大瀬神社に行ったときに出会った不思議な池、「神池」がきっかけでした。そんな伊豆七不思議を数日かけてさらっと順番にまわってみました。
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【大瀬神社の神池】
神池は、海からもっとも近いところでは20メートルほどだというのに淡水を保っている不思議な池です。
静寂そのもの。
神社についてはこちらから。
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【石廊崎権現の帆柱】
伊豆半島の先端にある石室神社に江戸時代から伝わる伝説です。Wikipediaによると、海面から30メートル以上の断崖絶壁の上に石室社殿が千石船の帆柱を枕に建てられており、きちんと奉納すれば船は進み、奉納を忘れると暴風雨などで船が進まなくなるとかなんとか。
画像右側に見えるのが社殿です。
社殿から海側を見たのがこちら。
この先にお社があります。ちなみにこちらは縁結びの神様でもあり、一緒に行った友人はある相手を思い描いてお参りをしていました。その後、その相手と結ばれはしたのですが、友人側から交際をお断りしていたので、ご利益があるのかないのかちょっと判断しかねます。
社殿はこのような感じで趣があります。
この神社で引いたおみくじの内容がとても気に入ったので、私はそれを信じてこの一年を過ごすことに決めました。(笑)
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【堂ヶ島のゆるぎ橋】
西伊豆の堂ヶ島に伝わる民話的伝承です。
簡単に説明をすると、海賊が大暴れをして村を襲っていた時代のこと。海賊が村の薬師堂に続く橋を渡ろうとしたら大地震のように橋が大きく揺れて、海賊頭はそのまま薬師様の前に差し出されてしまいました。薬師様に諭されたのか、薬師様のお姿を見て勝手に改心したのか、とにかく海賊頭は心を改め薬師様に支えると誓ったそうです。
それ以来、心の汚れた人間が橋を渡ろうとすると揺れるようになり『ゆるぎ橋』と呼ばれるようになったとか。今はその橋も薬師堂もなく石碑だけがポツンと遺されています。
下にチョロチョロと水が流れており、その先にあるこちらの洞窟のほうが神秘的だと思ってしまうのは私だけでしょうか。
この洞穴の向こうは伊豆の海が広がっています。この神秘的な雰囲気は、たとえ薬師堂が存在しなくても、今も変わらず薬師様に守られている土地だということなのかもしれません。
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【手石の阿弥陀三尊】
南伊豆にある阿弥陀窟にまつわる江戸時代から伝わる伝説です。
この伝説そのものには諸説あるようですが、この阿弥陀窟は国の天然記念物に指定されています。波の静かな晴天の日の正午頃、この洞窟に小船で入ると、暗闇の中に金色に輝く三体の仏像が現れると言われているのですが、実際には洞窟の奥の光の加減で洞内の岸壁の凸部を照らすことによって、あたかも暗闇の中に金色の阿弥陀像のように見えるものと考えられているそうです。
だいたいこのあたりにあるはずなのですが、海からでないと行けず、しかもカヌーのような小型の乗り物でないと入れない場所のようです。さらに波の静かな晴天の日の正午頃というかなりなピンポイント。もはやそのほうがよっぽど七不思議です。
上の画像の右奥あたりが阿弥陀窟のはずですが、私がそこへ辿り着けることはおそらく一生ないでしょう。
関係ないのですが、こちらは近くにあったトンネルです。なかなか味のあるトンネルなので思わずパチリ。
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【修善寺の独鈷の湯】
有名な独鈷の湯も伊豆の七不思議に入っています。
空海(弘法大師)が修善寺を訪れたとき、川で病んだ父親の体を洗う少年を見つけ、その孝行に感心した大師は、「川の水では冷たかろう」と、手に持った独鈷秤で川中の岩を打ち砕き、霊泉を噴出させ、大師が温泉が疾病に効くことを説き、父子は病を完治させることができたという伝承が残っています。これよりこの地方に湯治療養が広まり、修善寺温泉が始まったと言われています。
以前は入浴可能だったように記憶してますが、さすがに今は風紀の問題なのか入れなくなっています。公衆わいせつ罪に該当してしまうのでしょうか。まあ観光地のど真ん中でスッポンポンの人なんて見たくないですけど。
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【函南のこだま石】
函南の山中にある大きな石にまつわる伝説です。
おくらと与一という貧しい母子がおりました。おくらと与一はこの大きな岩で一休みをすることが多かったそうです。おくらが病に倒れてあの世へ逝ってしまったのを悲しんだ与一は、おくらといつも語りあっていたこの岩に向かって母親を呼び続けました。すると、岩から「与一〜、与一〜」と母の声が聞こえてきたそうです。与一は母の声を聞くためにこの岩に通い続け、それを見た村人たちが『こだま石』と呼ぶようになったとか。
たぶんこの石なのですが、あまり自信がありません。
もし違う石だったらゴメンナサイ。とても辺鄙なところにあるので、この石だということにしてこの日は帰宅しました。(笑)
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【河津の鳥精進酒精進】
河津の来宮神社の氏子に伝わる風習です。
伝承に由来して、河津では命が災難にあったとされる12月18日から12月23日まで
・鳥を食べない
・卵も食べない
・お酒を飲まない
という「鳥精進酒精進」が守られており、この禁を破ると火の災いに遭うと信じられています。今でも給食のメニューから鶏肉・卵が外されるなど風習が守られているそうです。
ところで、河津といえは河津桜も有名なので最後はこちらで。
こちらが河津桜の原木とされています。
河津桜は濃いピンク色が特徴で毎年バレンタインの頃に咲き乱れ、菜の花の黄色とのコントラストを楽しませてくれます。ソメイヨシノも美しいですが、河津桜の可愛いピンク色もまた心を和ませてくれます。
春ですね。