Don’t Dilly Dally

…とことことことこ

脱!ペーパードライバー

2024-08-30 19:34:11 | 滞在記(6/2024~)

私のペーパードライバー歴は20数年になります。

ずっと都内やその近郊で生活していたので、車の必要性を感じたことがありませんでした。あちらこちらに点在する駅の数々。そして数分ごとにやってくる電車。電車が止まったり荷物が多かったとしても、通りには流している無数のタクシー。

 

最初に車の必要性を感じたのはアメリカに滞在していたときでした。

アパートの目の前のバス停からマンハッタンまで行けるのですが、バスの本数は1時間に一本。しかもそのバスが来ないこともあるのです。そのあたり、さすがアメリカといったところでしょうか。(笑)

ニューヨークでは地下鉄やUberを利用していました。さすがにマンハッタンのあの混雑した中を私が運転するのはペーパードライバーでなかったとしても無理な話です。

しかし、滞在先のニュージャージーで日用品の買い出となると車が必須。休日にBFと車で買出しに行ったとしても買い忘れはあるもので、仕方なく一番近いスーパーマーケットまで歩いて行ったことがしばしばあります。

ビュンビュン車の走る橋をトボトボ歩いて渡っているのは私くらいなもの。しかも、近道をしようと道なき道を歩いていたら見事に転んで捻挫をする始末。あれには参りました。

眺めも良いし、歩くのは好きなんですけどね。

上の画像の橋の上から見た眺め。反対側からはハドソン川越しにマンハッタンの高層ビル群が見えます。

しかし、捻挫して腫れた足を眺めながら、今度こそ帰国したら絶対に教習所に通ってペーパードライバー教習を受けるぞ!と心に誓いました。

2回目の渡米の際に都内の部屋は引き払ったので、帰国後はホテル暮らしになります。都内にいる必要もないので自然の豊かな地方に滞在しているのですが、今度は近くに教習所がないのです。そしてアメリカと同じくバスは1時間に一本あるかないか。

 

現在は、古いホテルの一室を賃貸契約していますが、霧が深い朝や夜道、雨の日などは歩くのがちょっと怖かったりもします。

犬の遠吠えが聞こえる中をコンビニエンスストアを目指してトボトボトボトボ。避暑地といえどもそんな時間でないと今は暑くて歩けないのです…(涙)

職場の人に「イノシシとヘビに気をつけな」と言われています。イノシシはそれこそ猪突猛進で走ってくるそうだし、ヘビなんて恐ろしくて出会いたくもありません。そこをもの凄いスピードの車が走り抜けていったりするのです。

もう、とにかく怖いのなんの。

ところで、この辺りではキャンピングカーもよく見かけます。

次に帰国した際には小さな車を購入して、私も車で一人気ままに日本を旅したいと思っているのですが、そのためにはまずペーパードライバーをなんとかしなければなりません。

来年か再来年、渋滞の先頭をゆっくり走っている車がいたら、それはたぶん私です。

目指せ!脱ペーパードライバー!

 


時にはネガティブに

2024-08-27 08:14:43 | 滞在記(6/2024~)

職場にどうしても好きになれない女性がいます。

どこの職場にも一人くらいはウマの合わない人はいるものですが、どうもそれとも違うのです。しかし、どうしても好きになれないのです。

彼女の悪口を言ったこともないし、職場以外の友達に彼女の話をする時も「嫌い」という言葉は避けてきました。「嫌い」を認めてしまうと、本当に嫌いになって我慢できなくなるだろうと心のどこかで思っていたのかもしれません。

私は寝る前にとても短い英語の日記を付けています。

ある晩、ちょっとモヤモヤしていたので初めて彼女のことを書きました。「どうしても好きになれない」と。2〜3行の短い日記なので、次の文章は、「部署は違うけど付き合いはある」。そして最後に一言。

I just hate her.

不思議と最後のその一言を書いた瞬間に心がスーッと穏やかになりました。

それ以降、彼女の存在がまったく気にならなくなりました。大袈裟な言い方をしてしまえば、寛大な心で接することが出来るようになったのです。

「嫌い」を認めるのも時には必要なことなのだな、とあらためて思いました。私にとって「嫌い」を認めることは、「負け」を認めるのと同じことになっていたのかもしれません。

私は幼い頃から協調性に欠けており、「嫌いなものは嫌い(=嫌なものは嫌)」という強烈なキャラで親や教師を悩ませてきました。成長して、社会に出て、それがただの甘えなのだと気づき、自分なりに努力して社会性を身につけてきたつもりです。

ただそれが妙な形で仇となり、自分で自分にストレスを与えていたのだと思います。嫌いなものは嫌い。そうしたネガティブな気持ちの扱い方をやっと習得できたのかもしれません。

おそらく大半の人のストレスの原因のほとんどが人間関係だろうと思います。たわいもない日常の些事だと頭ではわかっているのに、心の中ではモヤモヤしてしまう。ハラスメントとなるとまた別の話ですけどね。

嫌いなものは嫌い。私は私。

そう思って見上げた空に吹いてきたのは秋の風でした。

また台風が近づいてますね。

大きな被害がでませんように。

 


16世紀に思いを馳せて ~New York Renaissance Festival~

2024-08-24 15:40:03 | 回顧録

夏といえばお祭りです。

でも、残念ながら今年は一度も行けませんでした。すでに日本の夏も終わろうとしています。

というわけで、昨年の夏にアメリカで行った「ニューヨーク・ルネッサンスフェスティバル」の思い出を綴ってお祭り気分を満たすことにしました。

Renaissance Festival というのは、16世紀の素敵な街を再現し、当時の仮装をして楽しむお祭りです。アメリカ各地で開催されているようですが、私はニューヨークのお祭りに行ってきました。

思い思いの仮装を楽しむ人たちでいっぱいです。

カメラを向けるとポーズをとってくれました。

素敵な笑顔。

店員さんたちのボルテージも高めです。

カッコいいお姉さんたち。

 

朝食もそこそこに出発してきたので、まずは午前のおやつタイムと決め込みました。

ターキーとフライドポテト。皮がパリパリに焼けたワイルドなターキー。

私が豪快にターキーにかぶりついている写真もありますが、さすがに載せるのはやめておきます。(笑)

 

お腹を満たした後は、16世紀の古の気分に浸りながらブラブラとのんびり散策。

開場時のエントランスは、まるで蜂の巣を突いたような賑やかさでしたが、中に入ってしまうとゆったりと散策することができました。こんなところでもこの国の国土の広さを感じてしまいます。

 

腹話術を見たり、

 

マジックを見たり、

ブラックジョークを連発するマジシャンに観客は大笑い。自分のスマホに目を落としていた白人男性はリアクションでマジシャンに怒られていました。(笑)おどけて返す白人男性。マジシャンのリアクションにおどけて返せるところもやはりアメリカ人ですね。

 

そうこうしているうちに午後のおやつタイム。BFのお目当てがこちら。

Onion Blossom

玉ねぎの丸揚げです。

ワーオ。私は初めてこのオニオンブロッサムを見たのですが、この可愛らしく楽しいビジュアルにまずはビックリ。外側からちぎってチーズを付けて食べます。ヤバイ、これは止まらなくなる味です。(笑)

 

みんなのお目当てもこちらのようで、店の前には買い求める人たちでいっぱいでした。

 

そういえば、以前の投稿『サムライ魂』に載せたお侍さんもこのお祭りで会いました。

ラテン系のお兄さん。16世紀といえば日本では戦国時代ですもんね。

 

まだまだ暑い晩夏の週末でしたが、午後の太陽が傾き始めて、日差しが辺りに陰影を与えだした頃に心地よく吹いてきたのは秋の風でした。

 

帰り道では、過ぎ去った古き良き時代の香りに思いを馳せながら助手席でひとりウトウト。

心地よい車の揺れが私を眠りへと誘い、次は私も仮装してこようと夢の中。

 

楽しかった晩夏の思い出。

日本では台風シーズンの到来です。秋の終わりにはBFがアメリカから日本に遊びに来る予定。その計画を立てながら、今年は部屋で「読書の秋」を決め込むつもりです。

 


鵺が鳴く夜は恐ろしい!?

2024-08-22 07:25:59 | 雑記

「鵺(ぬえ)」と呼ばれる鳥がいます。

正式名はトラツグミというそうで、夜の森に「ヒーヒー」と響き渡る鳴き声が古くから不吉だといわれ、「鵺(ぬえ)」と呼ばれているそうです。横溝正史原作の古い映画『悪霊島』でも「ぬえの鳴く夜は恐ろしい」とキャッチコピーに使われていました。

「鵺(ぬえ)」を検索してみると、

『平家物語』に登場し、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビで (文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれる事もある)、 「ヒョーヒョー」という、鳥のトラツグミの声に似た大変に気味の悪い声で鳴いた、とされる。

ということは、平安時代からトラツグミの鳴き声は、不吉な前兆として例えられていたわけです。一度トラツグミの鳴き声を聞いてみたいものです。

と長年思っていたのですが、なんと先月の終わり頃に初めてその鳴き声を聞くことができました。最初はなんの音だろう?と不思議に思ったのですが、あの笛のような鳴き声、すぐに「鵺の声だ!」と気が付きました。

恐ろしいというより、私には幻想的でどこか神秘的な鳴き声にも聞こえました。ヒョーヒョーという憂いを含んだ物悲しい鳴き声でした。

そして、『平家物語』の冒頭を思い出しました。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

とても雰囲気があります。

そういえば、横溝正史先生の作品に『悪魔が来たりて笛を吹く』という作品もありましたね。やはりトラツグミの鳴き声からの着想でしょうか。私はホテルの一室でトラツグミの鳴き声を聞いたのですが、もしこれが、誰もいない別荘の一室で聞いたとしたら…?窓の外は漆黒の闇、なんの物音ひとつしない部屋で、あの鳴き声を聞いたとしたら…?

かなり怖いかもしれません。

ところで、西欧に伝わる不吉な女の妖精「バンシー」というのがいます。「泣き女」とも呼ばれており、バンシーの泣き声を聞くと死者が出ると言われています。

バンシーの正体もトラツグミということはないでしょうか。

と思い、トラツグミの分布を検索してみたら、主にアジアに生息しているようでした。バンシー伝説の発祥はアイルランドやスコットランド。さすがに違うか。バンシーは叫びに近いと云いますしね。

 

こちらはネットでお借りしてきた実際のトラツグミです。

あら、可愛いお姿なんですね。

ちなみに、トラツグミの鳴き声を聞いたあと私はひどい夏風邪にやられました。

 


あの夏の日 ~Happy Day Farm~

2024-08-20 07:49:58 | 回顧録

まだまだ暑い日が続いていますが、お盆を過ぎ朝晩はようやく秋の気配を感じるようになりました。連日の猛暑には閉口しながらも、夏の終わりは少し寂しい気持ちにもなります。

 

昨年はアメリカでひと夏を過ごしました。ある日、フリーペーパーの中に『ひまわり畑』の記事を発見。大好きなヒマワリの花。BFと予定を合わせて早速行ってみることにしました。

天気の良い日曜日。早々に車で出発。ハイウェイをおりて、窓の外の田園風景を楽しみながら車を走らせると、『Happy Day Farm』の可愛らしい看板に辿り着きました。

駐車場に車を止めて、見出し画像のエントランスから入園。

ファーム内は、中央広場に用意された大型トラクターで移動します。

まずは『ひまわり畑』へ行くトラクターに乗車。

ひまわりの黄色い明るい笑顔がいっぱいの中を歩けるようになっていました。

大きなヒマワリに囲まれた巨大な迷路です。

途中、「なんにも見えない」と親子連れの白人の小さな女の子がしょんぼりしているところに出会いました。

確かに小さな子供の目線では大きなヒマワリの茎しか見えないはずです。どれどれとしゃがんでみると、何やら途轍もなく恐ろしい場所に迷いこんだ気分になった反面で、ヒマワリの根元に暮らす小人を発見できそうな気分にも。

こんなフォトブースもありました。

 

中央広場に戻り、次は、『ブルーベリー畑』行きに乗車。

ブルーベリー好きの BFが、収穫用のバケツを購入したので、2人でせっせとブルーベリーを摘むこと数10分。

そして収穫したブルーベリーがこちらです。

暑い中よく頑張りました。(笑)

メインの広場では自家製のレモネードを売っていました。

もちろん購入です。

夏の終わりの暑い日。乾いた喉に冷たいレモネードが気持ちよく沁み渡ります。

目の前にはバブルカー。アメリカ人の親子が大きなシャボン玉を作って遊んでいました。微笑ましい光景と心地よい疲れにしばらくぼんやり。

そして、新鮮なトウモロコシをガブリ。

美味しい。冷たいレモネードを飲み、新鮮なトウモロコシを食べて、暑さとブルーベリー摘みで疲れた身体もすっかり元気になりました。

帰り際にはヤギたちにもご挨拶。

素敵な一日。

現在はホテルの調理場に勤務しているので、今年は忙しく目まぐるしい夏を体験しています。これはこれでとても充実した毎日。きっとこの土地を去ってからも懐かしく想いだすことでしょう。

そろそろ猛烈な暑さも少しは和らいでくるはず。

遅ればせながら、残暑お見舞い申し上げます。