添付画像はX-MEN 8号、Uncanny X-MEN7号の表紙を連結したもの。Chris Giarrussoの作品。久し振りに彼の画を拝めて眼福。元々の画は、1991年に出版されたX-MEN (1991)の1号の表紙で、4種類の異なる表紙とそれらがまとまった表紙が存在する。(当時1冊を除いて全て入手したね。)元の画は今はDCの重鎮に収まっているJim LeeとScott Williamsによるもの。それへのオマージュなわけだが、Giarrussoが得意とする鏡を忠実に踏襲しつつ彼独自の世界感を描いていて大好きなvariantだ。
X-MEN 8号の筋書をJed MacKay、画をRyan Stegman、Uncannyの筋書をGail Simone画をDavid Marquez、Edgar Salazarが担当。今回はちょっと長め。
粗筋をサラッと紹介。各誌の前号でミュータントの収容所Graymalkinに誘拐されたBEAST、JUBILEE、CALICOを救出すべくアラスカが本拠のX-MENとルイジアナが本拠のX-MENが奪還に立ち上がった。
X-MENは身近にある差別の対象をミュータントに替えて、差別を批判するのが王道。今回もそれを遺憾なく発揮している。収容所長Ellis博士の台詞。”The two muties that I wanted to speak with sitting together. No. Not with that implies level of equality peers. Speak to.” 勉学を収め博士号を取った人とは想像もつかない酷い言葉。
それでいて、CALICOの両親が資産家であることから収容所への寄付の要求を企むEllis博士は中々の曲者だ。
殺傷も辞さないMAGIKの台詞を制止したことに対する、MAGIKの言葉とCYCLOPSの返事。”You used be fun. “Please I was never fun.” 他人から見た自分自身と自分自身の評価が違って面白い。もう一つCYCLOPSへの尊敬の念と恋愛感情が並存した時期があったのかな。もう少しの彼らの関係を深堀して欲しいとも感じる。
続いてUncanny 7号。ニューオーリンズ部隊の側から見た今回の襲撃が描かれているが、アラスカチームとのボタンのかけ違いから内輪もめ。X-MEN対X-MENを期待しているファンもいるだろうから、ファンサービスだとはわかっちゃいるけど、このシーンは不必要かな。
何とかルイジアナチームの攻撃を踏みとどまらせよう説得いていたCYCLOPSの台詞と横で聞いていたPSYLOCKEの感想。”She didn’t see it my way.” “I rather assumed.” CYCLOPSの生真面目な性格が出ていて面白いな。彼は電話の相手ROGUEが彼の説得を受け入れてくれると心から思っていた。一方PSYLOCKEは最初から否定的。
若手のピンチを救うべくPSYLOCKEをテレポートで別の場所へ運んだNIGHTCRAWLERの台詞。”I’m afraid you might murder somebody, quite possibly me.”本気かどうかわからないが、捨て身で仲間を助ける彼の姿勢は好きだね。Simoneはこれまであまり活躍の場がなかった(あったがつまらなかったか)NIGHTCRAWLERを上手に使っている。
最後に現れた敵に寝返ったミュータント達Trusteesは、Blobは良いとして元X-FACTORのSYRINとWildchildか。