IRON MAN 3の原作をレビュー。この本、去年の海外漫画フェスタでAdi Granovさんのサインをもらうためだけに買った。これについては、あまり納得してない。(本当は、スケッチ描いてもらいたかった。無理を承知でお願いしたけど、主催者の人に断られた。本人描いても良さそうだったよ。理由は十分理解できる。しかしな、2,500円でサインだけってのはな。ちなみに、サインは下の方に添付した画像を参照。)そんなこんなで年が明けるまで読まず仕舞いだったのだが、連休続きで暇だったのと、手元のアメコミが尽きたので、読書開始。
粗筋。この作品の題にもなっているExtrimisなるナノテク兵器が研究所から盗まれ人体実験が行われる。それを使った被験者は異常な体力と回復能力を得る。彼は、テキサス州オースティンのFBI施設を襲い、ワシントンDCに向う。それを止めるべく、IRON MANが立ち上がるというもの。
いつもの通り、気に入ったシーン等について。まずは、Adiさんの画。素晴らしいの一言。しかし、この本、薄いアメコミ6冊分なのだが、これを描くのにどんだけ時間がかかったんだろう。いくら商売とは言え、その集中力に頭が下がる。ちなみに筋書きはWarren Ellisが担当。
主人公Tony Stark(= IRON MAN)を手玉に取る秘書のおばちゃんが好きだな。設定でもう一つ好きなのは、Tonyのいるところから、IRON MANが出てくると不自然なので極力避けているところ。正体をばらさなにのは、ヒーローものの醍醐味の一つ。
SalなるTonyの師匠の指摘は興味深い。アルコール依存から抜け出したTonyは、結局アルコールの代りに、IRON MAN作りに依存しているという点。あ、ちなみに、何故Grateful Deadの曲をSalがドアベルにしているかってところが、訳者の人にはピンと来てなかった気がする。このバンド、ヒッピーを代表とする1970年代の文化の象徴みたいなバンドだから使われているんだよ。ヒッピーじゃなくても未だにこのバンドが好きな人は沢山いる。おいらはどうも馴染めなかったけど。
騒ぎを起こした真犯人は、去年映画を見た時に、ラスボスはこの人だったら良かったのにと思った人。(下記のリンクを参照。)これは個人的に正解だと思う。
http://green.ap.teacup.com/amecomitoramen/857.html
それから、ちょっとわからない点。Tonyの会社の外で、戦争に使われる武器への抗議行動をしている集団が、IRON MANの飛び立つところを見て、かっこ良いと感心するところ。IRON MANも殺戮兵器の一つでしょ。意味があってこのシーンを使っていると思うのだが、作者の意図を想像できない。
一方、気に食わないところ。映画の時も感じたんだけど、このExtrimisを撃ちこまれると超人的な力を発揮して、怪我しても治っちゃうという設定。気持ち悪い。SPIDER-MANの敵、Freakとそっくり。傷つくとさなぎの中にくるまっちゃうところもね。ちなみに、このExtrimisの発表が2005年で、Freakが2008年なので、Freakの方が模倣犯。もう一回書くけど、気持ち悪い。
それから、最後に最後にTony Starkが取った手段。自らもExtrimisを使い、敵と対等になるという選択。反対。やはり、彼のこれまでの知識を全て使って兵器を作るとか何かで勝って欲しかった。Tony のこれまでの業績は凄いとか何とか散々言った後の結果がこれではな。
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