ArchicadのTipsとして
1.建具が延焼線にかかるかどうかの自動判定
2.ALVS計算の半自動化
の例を書こうと思います。
その前に、これらにはゾーンが重要な役割を持ちます。
で、ふと気になったことは、独学でArchicadを習得しようとしている設計者は「ゾーン」をどれ程理解しているかという事です。
そこで、独学でArchicadを習得する教材としてのGraphisoft社のArchicadMagicを覗いてみたところ、Magic2の11ページに掲載されていました。
これだけではおそらく「ゾーン」の機能は理解されないでしょう。
そこでとりあえずは本題に入る前に「ゾーン」の確認をしたいと思います。
ゾーンはプロジェクトにおける空間単位です。
これはゾーンツールを使⽤して作成します。
通常、ゾーンは部屋を表現しますが、建造物の棟、住宅地の区画、または建物の機能的なエリアも表現しま
す。
3D のゾーンは、単純なマスモデリングにも使⽤でき、エネルギー評価機能のモデル再検討プロセスの
基盤を形成します。
他の要素と同様に、全てのゾーンの下部は配置フロアにリンクされます。プロジェクトでゾーンを上のフロ
アに上部リンクすることもできます。
必要に応じて、上部リンクまたは配置フロアからのオフセットを定義します。
これはゾーン⾼さに影響を与えます。
あるいは、上部リンクを使⽤せずに、固定のゾーン⾼さのみを⼊⼒します。
※ Archicad24HELP、957ページより抜粋
ゾーンを使えば空間の面積、体積等を測定できます。
上手く使えば平均天井高も自動計算できるでしょう。
最初にあげたTips1はゾーンで3M、5Mの延焼範囲を作成し、建具がそれらの範囲内にあるかどうか、或いはそのエリアに引っかかるかどうかを判定します。
Tips2では建具がどの「部屋=ゾーン」に配置されているかを判定し、建具直上までの高さと境界までの距離を入力することにより、必要な計算をします。
但し、必要な面積を満たすかどうかは判定できません。
計算するのは、各建具、各部屋の採光・自然喚起・排煙の面積です。
私が今お手伝いしている物件では、直上高さと境界までの距離以外はすべて自動計算できました。
用途地域や周辺環境など条件が複雑でなかったのが幸いしました。
図面上で窓のサイズや腰高を変更するだけで必要な計算ができ、ALVSの調整が終わったと同時に図面の修正も終わったので、かなり効率化出来たと感じています。
次回から、上記2つのTipsの詳細を書いていきたいと思います。
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