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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

日米野球は、日本人投手の品評会

2014年11月14日 | プロ野球

久しぶりの日米野球が始まりました。

MLBから29選手が来日して、
合計6試合を行うこのシリーズ。

第1戦が京セラドームで行われましたが、
日本は前田-牧田-大谷-西野のリレーで完封。
第1戦を飾りました。

日米野球と言えば秋の風物詩。

放送の中でも紹介されていましたが、
古くはベーブルース・ゲーリッグを中心としたまさに『大スター軍団』として来日したのが最初のようです。
そのメジャーリーグの猛打線を相手に、
あの【伝説の投手】沢村栄治が好投を見せ、
その試合はまさに【伝説の試合】となっています。

その後も毎年のように単独チーム、選抜チームなどが日本を訪れ、
その素晴らしいプレーを見せていってくれました。

ワタシは71年に来日したオリオールズ戦が、
最初に体験した日米野球です。

そのオリオールズ、
とにかく強かったという思い出しかありません。

そして74年のメッツ戦。
トム・シーバーやミヤーン(のちに大洋)などの好選手が来日。
ちょうど長嶋の引退の年で、
あの涙の引退試合の後ですから、
ファンの注目度もMAXだったことを覚えています。

しかしメッツは日本のチームにボロボロと負け続けて、
最後の方にようやく勝ち越したんじゃなかったかな?

78年のレッズには、
ジョニー・ベンチ、ピート・ローズがいましたね。
このチームは強かった。

まさに『日本では歯が立たない』状態でした。

この3つの日米野球を見て、
ワタシはとにかく『大リーグって、なんてすごいんだろう』と強い印象を持ち、
一気にメジャーリーグ好きとなっていきました。


80年代に入ると、
オールスターチームが来日することが増えましたね。

まだまだ日本人選手にとって、
メジャーで活躍するなんていうことは『夢のまた夢』でしたので、
彼らのプレー一つ一つを【あこがれ】を持って見ていたように感じました。

その時々のスーパースターが参加していたこの当時の日米野球。
しかしその位置づけはあくまでも『親善試合』。
彼らのポテンシャルは垣間見ることが出来ましたが、
公式戦のような『本当の凄さ』とは何かが違っていたような感は拭えませんでした。

また日本の選手たちも、
今のように日米野球に向けて自身を調整して臨む選手はほとんどいなくて、
何だかシーズン中とは別人のような姿をさらしたりもしてくれました。
新聞紙上で『あまりにも(メジャーの選手や観客に対して)失礼じゃないか』と叱責されていた選手もいたほどです。

それぐらいの低い意識の選手もいたということなんでしょうね。

しかしこの意識が変わってきたのが、
80年代終わり~90年代初め当たり、
野茂や古田などの『世界の野球を知る選手たち』がプロ野球選手として日米野球に参加してきた頃からじゃないでしょうかね。

彼らの年代は、
オリンピックや世界選手権などで、
アメリカやキューバ、中南米などのチームと『真剣勝負』を繰り広げてきた世代なので、
こういった日米野球などに参加する意識としても、
『どこまで本当の俺たちの力が通用するんだ?!』
ということに意識があったのではないかと思ったりしています。

そして95年に野茂がメジャーに挑戦して、
日本プロ野球界でのメジャーに対する意識はガラッと変わっていきました。

その頃から繰り広げられたメジャーリーグの世界戦略とも相まって、
『世界中のいい選手は、メジャーにスカウトされる』
流れが出来てきて、
なおかつ世界規模の大会もオリンピックのみならず世界選手権、WBCなど飛躍的に増え、
選手達の目がどんどん世界へと広がっていったのでしょう。

日米野球はその形を変えて2年ごとに開催されていましたが、
『真剣勝負』とかけ離れた試合っぷりがファンに好感されず、
かつてのようにあまり人気を博さなくなってきて、
世間の注目度も低くなっていきましたね。

いつも衛星放送から流れ出るシーズン中のMLBの迫力と、
日米野球で目にするMLBのプレーの、
何だかわからないけど『違うなあ・・・・・・』という違和感も、
ファンの注目度を奪っていたのではないですかね。

もちろん日米野球を見なくとも、
野茂を皮きりにイチロー、松井、ダルビッシュ、マーくんら、
『メジャーの看板選手として活躍する』日本人野球選手の姿から、
既にMLBが【あこがれの存在】ではなくなってきているのかもしれないですね。

もっと身近な存在としてとらえているのであれば、
『何もシーズンオフのエキジビションを見に行かなくとも』
なんていう気になるのかもしれません。

ということで今回、
NPBの新しい試みとして、
日本代表=サムライ・ジャパンの腕試しの相手として、
MLBに来日してもらって【日米野球】をやろうということに落ち着いたということでしょう。

チケットの売れ行きは上々のようです。

しかし来日したメンバーは、
かつての来日した選手達と比較すると、
『いかにも地味だなあ』
という思いに駆られてしまいますけどね。


ところで、
今回出場しているサムライ・ジャパンのメンバーにとっては、
この日米野球は『自分をメジャーに売り込む最大のチャンス』であることは疑いようがありません。

投手の2枚看板である前田(広島)金子(オリックス)にとっては、
MLBからのオファーをよりよくするための、
非常に大切な機会です。

前田は5回無失点の好投、
株をあげましたね。

金子はポスティングを使っての海外移籍が取りざたされていますので、
実に大切な登板になると思います。

そして大谷(日ハム)。

157キロ、159キロと150キロ台後半を連発する投球、
そしてまだ20歳という若さ。

MLBのスカウトがよだれを流しそうな投球でした。

7年後、
間違いなく海を渡って戦いの場を世界に求めていく若者の、
『世界デビュー』ともなる勇姿でしたね。

サブマリンの牧田(西武)も、
面白い存在として、
興味を示す球団があるかもしれませんね。


この日米野球は、
さしずめ【日本人投手の品評会】ってところですかね。

日本車並みに高性能で品質のいい【日本人投手】、
たくさんのオファーが舞い込む”売り手市場”です。

一方で野手に目を移すと、
MLBが自ら大枚をはたいて取りに行く選手は、
ほとんどいないでしょうね。

パワーで勝負できる選手のいない日本人野手については、
MLBとしてフォーカスしているのは『足と小技、バットコントロール』ぐらいのものでしょう。

イチロー、青木並みのバットコントロールを持つ選手なら対象になるでしょうが、
今のサムライ・ジャパンのメンバーでは、
そういった選手は見当たりませんね。


NPBは『3年後のWBCを目指して』若手中心のサムライ・ジャパンを結成したと息巻いていますが、
サッカーの日本代表などと違って、
基本的にWBCぐらいの大会ではメジャーにわたった選手は招集できなくなることが必至。

そんな中で前田、金子という『高い確率で、3年後は海を渡っている』選手を中心に据えた投手陣の構成ってどうなんだろうか??
なんて思ってしまいますけどね。

基本的に野球の場合、
【常設の代表チーム】を持つ意義自体に、
首をかしげてしまいますけどね。

大体ほかの国で、
代表チームを常に持って試合をしているところなんてないわけですから。

WBCがあるんなら、
その前年に活躍した選手を集めてチームを組むという今までのやり方で、
十分だと思いますがね。

【代表チームに何かを期待している】ファンなんて、
少ないんじゃないでしょうかね。

まあ、
各年代の代表チームに同じユニフォームを着させて試合をさせ、
『代表感』
を出させるというのは賛成ですけれど。


ということで、
これから残り4試合代表戦として行われますが、
いいプレーを見せて盛り上げてほしいものです。


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