年末といえば・・・・
仕事の締めやあいさつ回り、
家に帰っても大掃除、年賀状書き、などなど・・・・・。
やることはまさにてんこ盛り。
のんびりしている暇はありません。
そしてやっとすべてが片付く31日、
テレビの前でホッとするというのがスタンダードなワタシの過ごし方です。
そんな年末。
昔はもっぱら、
紅白歌合戦と日本レコード大賞に、
心躍らせていました。
ある一時期、
『年末はやっぱり、歴史ドラマだなあ・・・・』
なんていうこともあったりしながら、
新世紀前後からはもっぱら『格闘技イベント』に傾倒していきました。
まさに『百花繚乱』とも言うべき格闘技の”大晦日絵巻”。
K-1,プライドの『2大巨頭』が、
『今年の大みそかはどんな凄いマッチアップを見せてくれるんだろうか』
と心躍らせた数年間がありました。
その後この両格闘イベントが消えて、
2010年ごろからは、
『大晦日はボクシングを見よう』
ということになったのかどうだか、
大晦日にボクシングの世界タイトルマッチを行うという流れが、
ここ数年は定着しています。
K-1,プライドという【総合格闘技】は、
ルールを最小限に絞った【果し合い】的な雰囲気を醸し出すことで世間の注目を浴びた存在でした。
【世紀末】
という時代背景にぴったりと合った、
ローマ帝国時代のグラディエーター的格闘イベントでしたね。
『血の匂いは民衆の熱狂を呼ぶ』
という様な感じがしていました。
まあ、2000年経っても”人間のさが”は覆しようがないってことですかね。
しかし同じ格闘技の中でも、
長い歴史を持つボクシングは、
ちょっと違った経路を持つ競技ですね。
ガッチリとしたルールの中での【スポーツ】的な色合いも持った、
『格闘技とスポーツのいいとこどり』
の競技なんじゃないかと、
ワタシは思ったりしているわけです。
そんなことでここ数年、
大晦日に【ボクシング世界タイトルマッチ】が行われるようになってきました。
主に”KOダイナマイト”内山高志と、
井岡一翔の世界タイトルマッチが中心となっていましたが、
井岡がタイトルを失って世界タイトル戦が組めず、
今年はちょっとラインアップの違う試合が組まれています。
そして今年は、
大晦日だけでなくその前日の12月30日にも世界タイトルマッチが組まれました。
ということで、
30日、31日だけで3つの興行、
8つの世界タイトルマッチが行われるという豪華な年末となった今年、
その『世界戦』の紹介並びに予想をしてみましょう。
◆12月30日
≪ボクシングフェス2014 SUPER BOXEO≫ ~東京体育館~
◇WBO世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・オマール・ナルバエス(アルゼンチン) × 前WBC世界Lフライ級王者・井上尚弥(大橋)
まずはスーパースターへの道を歩み始めた、井上尚哉の世界タイトルマッチ。
デビュー6戦目で世界Lフライ級の世界タイトルを掴んだ井上が、一気に2階級上げて”2階級制覇”を狙う一戦です。
チャンピオンのナルバエスは、まさに難敵中の難敵。
フライ級で11度、Sフライ級で14度防衛の『チャンピオンの中のチャンピオン』で、
戦績は43勝1敗2分。
その1敗はあのスーパースター、ドネアのバンタム級のタイトルに挑んで判定負けしたもの。
ドネアでさえも攻略できなかった守備力の高さを、
井上がどう攻略していくのかに注目が集まっています。
井上はこの難敵を葬り去れば、
『世界のスーパースター』への第一歩を記すことができるという大事な一戦。
ボクシングファンの中での注目度は、
9月の八重樫vsロマゴン戦に勝るとも劣りません。
ワタシは期待を込めて、
井上の『閃光の左』がナルバエスを打ちぬいて中盤KO勝ちと予想しています。
◇WBC世界Lフライ級王座決定戦 12回戦
同級3位・八重樫東(大橋) × 同級1位・ペドロ・ゲバラ(メキシコ)
そして9月にロマゴンと激戦を行い敗れた八重樫には、
再度チャンスが舞い込んできました。
それがこのLフライ級の王座決定戦です。
この試合、元々井上が保持していたタイトルを返上したために行われることになったもの。
八重樫は階級を一つ下げて、
『3階級制覇』に挑みます。
最近ワタシもこのブログで度々指摘するように、
『〇〇階級制覇』
などというものは、
この百花繚乱の『世界タイトル増発時代』においてはあまり意味をなさないもの。
ファイティング原田氏や具志堅用高氏が戦っていたころとは、
そのベルトの重みも全然違います。(無論、今の方がすごく軽くなったということです)
だからこその、
『どういう相手と、どういう試合をしたか』
という、
ボクシング本来の”闘いの質”が問われる時代となっているのです。
ベルトコレクターのように、
『最速での〇〇階級制覇を成し遂げた』
なんて言っても、
人々の心に残らない戦いをしているようでは、
ファンの共感も呼ばないし、
何時しか忘れ去られてしまうということですね。
そういった点では、
八重樫は今の時代にぴったりと合った、
『ファンの魂を揺さぶる』
ファイトを見せてくれるので、
ファンが長くそのファイトを語り継ぐ存在として、
光輝く選手なのです。
その八重樫の王座決定戦。
9月の試合のダメージも抜けきらないうちのタイトルマッチですので、
一抹の不安を持っていますが、
純粋に『彼のファイトが見たい』ワタシにとっては、
本当に楽しみな一戦です。
ただ、
最近のインタビューなどを見ていると、
『何だか八重樫選手、穏やかすぎやしませんか?』
なんて感想をワタシは持っていたりして、
『ロマゴン戦を経て、燃え尽きてしまったのではなかろうか?』
と心配になっちゃったりしています。
まあ、
彼のことですから、
『答えはリングの上で』見せてくれることでしょう。
予想はもちろん八重樫選手のKO勝ち。
ラウンドは8~10Rぐらいかな?
◇WBC世界ライト級王座決定戦 12回戦
同級1位・ホルヘ・リナレス(帝拳) × 同級2位・ハビエル・プリエト(メキシコ)
もう一つこの興行では、
世界タイトルマッチが組まれました。
帝拳ジム所属のリナレス選手の世界王座決定戦です。
過去2度の世界タイトルを獲るこのリナレス。
全盛期のキレはすごかった。
しかし『打たれ弱い』という致命的な欠点を突かれて大事な試合を落とすことが多く、
今現在も無冠となっています。
あの凄まじい攻撃を見たいと思う半面、
正直さほど注目を高くしてはいません。
相手はさほどの選手ではないので、
KOで勝利を飾ってくれることでしょう。
その他でこの興行では、
オリンピック金メダリストの村田諒大の試合も行われます。
村田としては来年の世界戦線への殴り込みに向けて、
内容も問われる試合となりました。
まだそのポテンシャルの半分ぐらいしか見せていないと思われる村田が、
進化しているということを見せられるのでしょうか。
◆12月31日
≪THE BEST Of BEST≫ ~大田区総合体育館~
◇WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・内山高志(ワタナベ) × 同級9位・イスラエル・ペレス(アルゼンチン)
こちらは大晦日恒例の興行。
今年も”KOダイナマイト”内山選手が登場します。
昨年の大晦日に金子を下して8度目の防衛に成功した『日本のエース』ともいえる存在のチャンプですが、
結局今年は大晦日まで1試合も組むことが出来ず、
1年ぶりのリングへの登場となりました。
既に35歳の内山選手。
防衛回数を重ねるにしても、はたまたビッグネームと対戦を組むにしても、
あまり間を置きすぎるのはどうかと個人的には思っています。
今が選手として、
まさに絶頂期にあると思われる内山選手、
もっと世間の注目を集める方向に、
シフトチェンジしてもらいたいところです。
しかしながら、
かつて世界戦で1度破った三浦選手が、
どんどん力をつけて内山選手を追ってきており、
来年は『統一世界戦』が現実味を帯びてくるかもしれません。
そのためにもこの試合、
スカッと勝って『内山健在』を見せつけたいところでしょう。
1年ぶりのリングということで、
”試合勘”の戻りと”年齢によるピークアウト”という不安要素がささやかれていますが、
果たしてどうなるでしょうか。
まあ、相手が強豪ではないので、
試合自体の趨勢ははっきり言って見えている対戦です。
内山選手にとっては、
やはり『勝ち方』にこだわる試合となるでしょう。
内山選手の3RKO勝ちと予想しています。
◇WBA世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・河野公平(ワタナベ) × 同級5位・ノルベルト・ヒメネス(ドミニカ)
河野公平選手は、苦労を重ねた上に世界タイトルを掴み取ったチャンピオン。
ジムの方針で今年1年は『亀田興毅と(タイトルマッチを)やりたい』と言い続けていましたが、
それもかなわずこの試合に9か月ぶりの登場となりました。
絶対的な強さを持っているわけではないので、
この試合もスカッと・・・ということにはならないかもしれませんが、
彼にとってはチャンピオンベルトを保持し続けることが何よりも大事なことと思われますので、
頑張ってほしいと思っています。
今後どういう路線を突き進んでいくのか、
暗中模索の状態だと思われますが、
実直に前に出続けるファイトスタイルに好感を持つファンも多く、
『昭和の匂いのするチャンプ』
として息の長いリング生活を続けてほしいと思っています。
ワタシの予想は、
判定で河野選手のタイトル防衛。
◇WBA世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・アルベルト・ロセル(ペルー) × 同級9位・田口良一(ワタナベ)
あまりよく知らない挑戦者ですが、
井上尚哉選手との対戦はよく覚えています。
あの時は『よく頑張るなあ』と思って見ていましたが、
実力の差はいかんともしがたいという印象もあったので、
世界タイトルに挑戦するほどの選手になるとは思いもしませんでした。
王者も絶対的な強さを持っているわけではなく、
まして井上尚哉と比べたら比較にならないぐらいの選手なので、
田口選手にも十分チャンスがあるんじゃないかなあ・・・・なんて思います。
全くよくわからない対戦なので、
予想は出来ません。
◆12月31日
≪KYOKUGEN 2014≫ ~大阪・ボディメーカーコロシアム~
◇WBO世界Sバンタム級タイトルマッチ 12回戦
王者・ギジェルモ・リゴンドー(キューバ) × WBO同フェザー級9位・天笠尚(山上)
井岡とTBSがタッグを組んで行う『大晦日興行』。
今年は、井岡のまさかの無タイトル&世界戦組めず・・・・という状況の中、
何とか形を付けたというのがこのタイトルマッチです。
天笠?WHO?
これがワタシの偽らざる印象ですね。
一度もそのファイトを見た事のない選手なので、
どんな選手なのか見当もつきません。
しかしながらその相手、
キューバのリゴンドーについては、
その名前、ファイト、良く知っているといってもいいかもしれません。
『世界のビッグネームの一人』であることは間違いありません。
オリンピック2連覇というだけで、
そのネームバリューは推して知るべしの選手。
プロ転向後もしっかりと世界タイトルを掴み、
昨年はあのドネアとの統一戦にも勝利しました。
ファイトスタイルは守備中心。
ほとんど相手にクリーンヒットを与えない技術は秀逸。
地味な戦いに見えるものの、
その技術は『超絶』です。
昭和の年代には、
たくさんこういった『技巧』の選手がいて、
日本人の世界タイトル挑戦者は、
その都度『世界の技巧』に辛酸をなめさせられるということが続いていた記憶があります。
そういった意味では、
この試合、
『リゴンドーの技巧』
を目の当たりにできるということで見れば大変に面白い見方ができると思います。
天笠選手が自分でも言っている通り、
『天笠選手の勝つ確率』は1%もないぐらいでしょうかね。
攻撃一辺倒のスーパーチャンプならば『もしかしたら』と思わないでもないですが、
決してリスクを冒さないリゴンドーに対しては、
正直”勝つ”という見込みは限りなく小さいと言わざるを得ないでしょう。
しかし『強い相手にはより強く』・・・・『弱い相手にはそれなりに』という、
どっかのCMみたいな戦い方をするであろうリゴンドー、
派手に『世界のビッグネームの戦いだったなあ』と観客を満足させる試合にはならないんじゃないか・・・・
12R流して戦われてしまうんじゃないか・・・・・・
そんな気もしています。
予想では8RあたりでのKOでリゴンドーですが、
もしかしたら判定もあるかもとは思っています。
◇IBF&WBO世界ミニマム級王座決定戦 12回戦
WBO同級1位・高山勝成(仲里) × WBO同級2位・大平剛(花形)
よくわからない経緯で2団体の統一王者戦となったこの試合。
高山選手は苦労人ですが、
8月にメキシコで負けたタイトルにまた挑んでいくという構図が、
よくわかりませんね。
ランキングもある日一気にぐ~~ンとアップなんて・・・・・・
基準もよくわかりません。
あまり興味のないタイトルマッチです。
正直大阪のこの2大タイトルマッチは、
非常に『作られた感』が強い試合となっているように感じて、
どうしても興味がわきません。
やはり井岡が出てきてくれないと、
盛り上がりませんね。
井岡の早期の捲土重来を、
期待しています。
ということで、
8つのタイトルマッチが百花繚乱の晦日、大晦日の2日間。
ボクシングファンにとってはたまらないのですが、
本音を言うと『もうちょっと分散開催してくれよ~』
といったところでしょうか。
いずれにしても、
最も注目される井上尚哉のタイトルマッチで、
彼が『真の世界のスーパースター』への道を歩み出すかどうか、
注目されます。
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