≪第86回選抜高校野球大会≫
【準々決勝】
第1試合 履正社 6-2 福知山成美
第2試合 豊 川 6-3 沖縄尚学
第3試合 佐野日大 7-5 明徳義塾 (延長11回)
第4試合 龍谷大平安 5×-4 桐生第一 (延長10回)
好天の甲子園球場。
昨年から昔に戻り、
1日4試合開催となった準々決勝。
昨夏も素晴らしい試合が連発する『高校野球の日』でしたが、
今年も期待に違わぬ『高校野球の日』となりました。
今年の素晴らしい激闘は、
第3試合。
左右の好投手同士の試合となった、
佐野日大vs明徳義塾
の試合が、
息もつかせぬ展開となりました。
先制したのは佐野日大。
ややボールのキレを欠く岸の立ち上がりを攻め、
序盤で4点を先取して4-1とリードします。
しかしここで黙っていないのが名門・明徳の真骨頂。
7回に猛反撃を開始。
そこまで1安打に抑えられていた佐野日大の田嶋に対し、
中軸がしっかりとつないで連打の嵐。
あっという間に5-4と逆転し、
その底力を見せつけてくれました。
迫力のある素晴らしい攻撃でした。
しかし佐野日大も、
すぐに反撃を開始。
同点に追いついて、
試合は延長戦にもつれ込みました。
この大会、
明徳は初戦の智弁和歌山戦で延長15回を戦い抜き、
佐野日大も2回戦の智弁学園戦で延長10回を戦い抜いてきています。
共にサヨナラ勝ちでこの激戦を制して来ており、
『接戦はお手のもの』
という感じで、
落ち着き払ったプレーを見せてくれました。
この試合のハイライトは延長10回裏。
明徳は1死から4・5・6番の3連打で満塁。
田嶋を攻めたててサヨナラのチャンス。
ここで迎えるバッターは7回に逆転のタイムリーを放っている森。
彼が叩いた打球は、
鋭くピッチャーの横を抜けて、
センターへ。
サヨナラだ!!!!
誰もが思った瞬間、
佐野日大のショート・竹村が、
このセンターへ抜けようかというあたりに対してダイビング。
しっかりとボールを捕って、
立ち上がり自ら2塁ベースを踏んで1塁へ転送。
このギリギリの場面で、
『スーパーファインプレー』
で明徳のサヨナラ勝ちを阻止。
死闘は11回へと向かいました。
それにしても、
ありえないような素晴らしいプレーでサヨナラ負けを防いだ竹村選手。
見事としか言いようがありませんでした。
そして、
死の淵から立ち上がった佐野日大は、
直後の11回、
岸を攻めて満塁から、
4番・5番の連打でついに勝ち越しました。
11回裏は、
田嶋が【エース】のピッチングを見せて抑えきり、
佐野日大は自身初の4強に進出しました。
栃木県勢としては、
夏を含めると3年前の作新学院以来。
春は、
2000年の国学院栃木以来の準決勝進出。
1986年宇都宮南以来の決勝進出を狙います。
昨日も書きましたが、
ここ数年で実力を伸ばす栃木県勢。
その力をいかんなく発揮した佐野日大は、
今大会の台風の目となってきましたね。
豊川、佐野日大と、
『無印良品』
の快進撃、続いていく春の選抜です。
第4試合もすごい試合になりました。
一昨日、昨日で計24イニングを戦い抜いた桐生第一。
この24イニングでわずか1失点のエース・山田は、
さすがにこの日は先発せず1塁での出場となりました。
平安の猛打線に対して、
控えの投手陣がまさかの頑張りを見せて4-2とリードして7回へ。
ここで満を持して登場の山田。
流れは桐生第一かと思われました。
しかし平安の強打は、
疲れの見える山田に襲い掛かりました。
というよりも、
大事なところで野手の方に疲れが見えた桐生第一が、
この回3つのエラー、野選を連発して、
1安打で同点に追いつかれてしまいました。
こうなるとさすがにこれを突き放す力は残っておらず、
山田投手は延長10回に力尽き、
最後はパスボールでサヨナラ。
悔しい結末となってしまいました。
しかしレギュラーに2年生が8人を占める桐生第一。
貴重な経験というよりも、
望んでもできない経験をたくさん積んだことでしょう。
帰郷してから、
しっかりと疲れを取り、
夏を目指してください。
成長した姿を見せてくれること、
期待しています。
さあ、
甲子園は準決勝。
開幕前から強豪として『候補』に上がっていた近畿勢、
履正社と龍谷大平安に、
今大会に入って彗星のように登場して勝ち進んできた、
豊川と佐野日大が挑んでいきます。
豊川・田中と佐野日大・田嶋。
両校投手の出来が、
試合を左右しそうです。
激戦の多い今大会。
最後に笑うのは、
どのチームだ!