【第96回選抜高校野球大会】
◇準決勝
健大高崎 000 200 300 ー5
星稜 011 100 100 ー4
中央学院 000 100 010 ー2
報徳学園 100 210 00× ー4
甲子園は準決勝。
なかなか盛り上がりを見せない今大会ですが、
あっという間にここまできてしまいました。
第一試合は両チーム互角の戦力で好ゲームが期待されましたが、
後半まで流れがどちらに転ぶかわからない接戦になりました。
まだ選抜だけに、
両チームともミスも多く、
まだまだ試合のレベルとしては今ひとつという気もしましたが、
試合自体は接戦になり好ゲームでした。
健大高崎は序盤からチャンスをものにできず、
守ってもミスが頻発して苦しい試合でしたが、
鍛えてきた打線が終盤に機能して、
1点差のゲームをものにしました。
準々決勝で手の血豆を潰したということでこの日の先発はここまで抑えを担ってきた右の石垣。
この日は150キロも記録する速球を武器にまずまずの好投を見せますが、
序盤から中盤にかけて星稜にジワジワと攻められリードを許します。
2-3の1点ビハインドで迎えた7回、
健大高崎は斎藤、高山、箱山の期待の上位3人がタイムリーを連ねて3点を取り逆転。
そして1点リードに変わった8回、
満を持して登板したエース佐藤が残り2イニングを抑えて勝利を掴み取りました。
佐藤のピッチング、
光りましたね。
あれだけ投げられれば、
多分決勝も大丈夫でしょう。
健大高崎は、
ついに念願の決勝進出を果たしましたね。
NHKの実況なんかでは、
いまだに「機動破壊」という言葉が健大高崎に対して枕詞のように使われますが、
機動破壊で戦っていたのは昔の話。
今の健大高崎は、
ほとんど機動力を駆使してなんとかしようという野球ではありません。
今は強力打線を引っ提げて、
相手を破壊していく野球です。
機動破壊に大きな役割を果たしたコーチが健大高崎を去って、
青柳監督は大きく戦い方を修正、
今の形にしてきましたが、
正直まだまだ全国の舞台でそれが成功したとは言い難い戦績になっていました。
2010年代をセンセーショナルに駆け抜けた健大高崎のいやらしいまでのあの機動力は今はなく、
全国に数多ある強打のチームの一つに変化していました。
しかしこの強力打線というのは、
ひとたび相手投手に対して沈黙すると、
そのまま試合が終わってしまうというリスクもはらんでいるのは明白。
好投手がいるチームではなかったので、
どうしてもそれまでのように勝ち切ることがなかったとワタシは感じていました。
しかし今大会、
強打のチームには不利と言われた低反発バットが導入されたその大会で、
強打で鳴らす健大高崎が勝ち上がってくるなんて、
本当に不思議なものです。
まか今年のこのチーム、
本当のチームの中心は2年生の投手二枚看板に他なりませんがね。
昨年の春季関東大会。
その前の選抜で、
こっぴどく初戦敗退を喫した健大高崎のマウンドに、
まだ入学間もない佐藤、石垣の2人が交互に上がり、
見事なピッチングを見せて優勝をかっさらったのに、ワタシは本当にビックリしていました。
ハマスタに見に行っていたワタシの後ろの席に座っていたコーチ(?)らしき人が連れの人に2人のことを「解説」していて、それをワタシ、興味深く聞いていて「これは今年から3年間は、健大高崎はホント楽しみだな」なんて思っていました。
そして秋、成長した2人のPで甲子園をがっちり掴んできたので、期待感は大きかったのですが、ここまで頑張るとは思っていなかった!
何せ2人ともまだ新2年生、
高校生活1年をようやく終えたところですから。
さあ、決勝はどうなるでしょうか。
2人の下級生投手陣だいうことでは、
昨年の報徳がまさにその通りのチームでした。
間木、今朝丸の2人は昨年の選抜決勝のマウンドに上がり、
今年さらにグレードアップした姿を見せてくれて、
2年連続の決勝の舞台に上がってきました。
昨日はほぼ楽勝のゲーム展開だったのが後半に相手の反撃にあい、
最後の1人で間木-今朝丸のリレーとなりました。
しかし戦力的には盤石で、
特に投手陣を支える守備陣が見事。
そのアグレッシブな守備はまさに「一見の価値あり」のものですね。
さらに今大会での36本の安打のうち35本までがシングルヒットというのは、
今大会からの「高校野球新時代」にまさにマッチした攻撃で、
「甲子園で勝つ野球」を実践しています。
今年の32校の中では、
明らかに「最もいい野球」をしているチームです。
今年のチームは、
報徳が過去2度選抜を制した1974年、2002年のチームと比べても、
トータルのチームバランスでは上ではないかと思っています。
大阪桐蔭に完勝したのも頷けるチームです。
して決勝ですが、
これはもう、
両チームの投手の出来如何にかかっていますね。
普通に考えるとロースコアの接戦が予想されますが、
なんだかそうはいかないような気もしています。
そして健大高崎は、
そういう試合展開を、
実は狙っているのではないでしょうか。
ロースコアで報徳、
ある程度打ち合うなら健大高崎、
そんな気のする決勝になりそうです。
そして気になるのが観衆。
日曜日の決勝で、
さらに地元の報徳学園が出場ですから、
なんとか満員にならないものでしょうかね。
昨今言われている「高校野球の不人気」という報道にちょっと心痛めているもので、
出来れば。。。
そんな決勝の朝です。