≪第93回選抜高校野球大会≫ ~甲子園~
【準決勝】
第1試合 東海大相模 2-0 天 理
第2試合 明 豊 5-4 中京大中京
さあ、2年ぶりのセンバツも準決勝までやってきました。
この大会は2日の雨天順延がありましたが、
この日は晴天の下、爽やかな風が吹く中試合が行われました。
第1試合は東海大相模のエース石田が天理の打線を完全に抑え込んで、
3安打無四球、15三振という圧巻の投球で連続完封。
今大会無失点で決勝への道を切り開きました。
東海大相模はこの日もキャプテンの大塚を欠いての布陣。
しかし初回から天理の先発・仲川を攻めて柴田がタイムリーを放ち先制。
まっ芯でとらえたあたりが1番~5番まで続き、
準々決勝と同じような速攻が期待されましたが、
初回を1失点で切り抜けた仲川はその後立ち直って、
その後東海大相模打線に8回まで得点を与えませんでした。
天理はエース達が前回登板で痛めたわき腹を考慮してこの日はマウンドに上げませんでした。
ロースコアのゲームになったこの第1試合、
ゲームを支配したのは東海大相模のエース・石田でした。
準々決勝で初先発、完封した石田は、
この日も前回と同じぐらいの素晴らしいピッチング。
キレのあるストレート、スライダー、チェンジアップを内外角に正確に投げ込み、
当たっている天理の打線を全く寄せ付けませんでした。
終わってみたら3安打無四球で完封。
三振も15奪い、まったく危なげのないピッチングでした。
それにしても素晴らしい投球が続く石田。
1・2回戦はしびれる場面でのリリーフでマウンドに立ちましたが、
初戦が3回1安打無四球、7三振。
2回戦が5回1安打5安打無四球7三振。
準々決勝が9回3安打1四球14三振で、
この準決勝が9回3安打無四球15三振です。
この大会の石田の成績は下記の通り。
4試合26イニング 被安打12 四球1 三振43 失点0 防御率0.00
ま~
無双といっていい素晴らしい投球ですね。
この安定感、
ワタシは09年に優勝した清峰のエース、今村を思い出してしまいました。
当たっていない打線は、
ヒットは出るもののあと一本が出ず……と、
決して好調ではありません。
しかしここまで駆け上がってきました。
決勝では準々決勝で見せたような、
東海大相模らしい鋭い速攻でエース石田を援護してもらいたいと思っています。
第2試合も意外な展開となりました。
石田と並んで今大会安定感抜群の投球を見せていた中京大中京のエース畔柳が、
この試合では先発を回避。
先発には初先発の左腕柴田が上がりました。
その柴田に対し、
明豊の打線が2廻り目にとらえることに成功します。
1死満塁の好機をつかむと、
7番塘原がきっちり犠牲フライを挙げて先制。
そこから打線がつながり、
太田・蓑原・阿南が次々とタイムリーを連ね、
息もつかせぬ連打で計5点を奪い取りました。
準々決勝の智弁戦同様、
前半で5点のリード。
連打で得点を奪われると、
ここでようやく中京は畔柳をマウンドへ。
畔柳はこれまで同様素晴らしいピッチングで明豊打線を切ると、
打線はリズムが良くなったか明豊の太田をとらえ始めて5・6回で3点を返し、
俄然試合の行方は分からなくなりました。
しかしここでアクシデント。
エース畔柳が「これ以上投げられない」という事でマウンドを降りるのですが、
3塁側ベンチに白衣の関係者が駆けつけるなど物々しい雰囲気となりました。
中京大中京は、
非常にいい流れだったのですが畔柳の降板はやはりショックだったのでしょうね。
攻撃のいい流れも途絶えて、
明豊がリリーフで送ったエース京本を打ち崩すことができません。
迎えた9回。
2点ビハインドの中京大中京が意地を見せて無死1・3塁の大チャンスを迎えます。
ここで中京大中京はとっておきの代打を送りますが、
三振に切って取られ1アウト。
さらに1塁に代走を送るものの、
直後に痛いプレーがでてしまいます。
代走で出たランナーがなんと飛び出してしまい挟殺プレーでアウトに。
その間に3塁ランナーは還って1点差になったものの、
2死ランナーなしとなり、
反撃もここまで。
優勝に一番近いと思われた中京大中京が、
悔しい負け方で甲子園を去りました。
ベストコンディションには程遠い今日の試合でしたが、
何とかこういう試合を切り抜ければ頂点が見えてきたと思うと、
残念でしょう。
しかしまだ夏もあります。
畔柳クンはしっかりと休養を取って、
また夏にあの素晴らしい投球を見せてほしいと思います。
完璧な試合ぶりだった準々決勝を見ているだけに、
なんだか本当に残念な中京大中京の敗退です。
勝った明豊は初の決勝進出。
00年夏に初めての甲子園の土を踏んでから約20年。
ようやくこの舞台に上がってきましたね。
このチームは決して期待されていたチームではなく、
勝ち上がり方も接戦、接戦の連続です。
しかしハンパないしぶとさを持ったこのチーム、
何度もあるピンチをその都度切り抜け、
先輩たちが成しえなかった決勝という舞台をつかみ取りました。
思えば1年先輩のチームは、
九州最強と言われ、
全国制覇も十分に狙えるといわれたチームでした。
エース若杉を強打が支えるスケールの大きなチームでしたが、
そのチームが全国の頂点に立つ舞台は、
春夏とも用意されはしませんでした。
その無念をつぶさに見て、感じていたナインは、
この甲子園で一戦一戦強くなっていき、
紫紺の大旗に手が届くところまでやってきています。
先輩たちも、
無念を後輩たちに託して、
大きな声援を送っていることでしょう。
何しろ1回戦から、
1点差3試合、2点差1試合と、
常に「追いつめられる」状況でゲームが進められていますが、
土俵際で特俵に足がかかってからの強さは出色。
太田・京本・財原の3本の矢が、
それぞれに特徴を出して相手を何とか抑えて勝ちあがってきました。
この戦い方で、
ワタシが思い出すのは01年夏に決勝に進出した近江ですね。
3本の矢の投手陣が相手を抑え、
攻撃陣がそれに応えて接戦を制していったチームです。
奇しくもその大会で初出場し8強まで勝ち上がったのが上がったのが明豊です。
さあ、
決勝も得意の前半で得点を挙げ、
3本の矢で逃げ切る野球がはまるでしょうか。
しかし本来はビハインドのゲームで後半に得点を挙げて「まくる」ゲームが大得意のチームでもあります。
いずれにしても「接戦はお手のもの」のチームで、
どんな展開にも対応可能なしなやかなチームでもあります。
そしてチームの強みは、
決して乱れることのない固い守備力です。
勝っても負けても今大会最後のゲーム。
どんなゲームが展開されるのでしょうかね。
明豊もですが、
東海大相模も昨年のチームには何人ものスラッガーがいて、
非常に大型の全国制覇が期待されたチームでした。
その先輩たちとは違い相手を粉砕する攻撃力はありませんが、
「頼りになるエース」石田を軸に守り勝つというここ数年とは違った魅力を持つチームです。
東海大相模の選抜といえば、
原辰徳を中心に豪打で決勝に進出した75年のチームや、
震災の年に強烈な強打で優勝した11年のチームなど、
「これぞ東海野球」という強力打線のチームが思い浮かびます。
しかしながら、
剛腕・吉田道を中心として決勝に進出した92年や、
高校年代最高級の投手・筑川を擁して”門馬東海”が初めて優勝した00年など、
投手を中心として守り勝つチームでも結果を残しています。
その時々のチームの特徴をつかんで、
大会の波に乗せることができたチームは、
結果を残してきているという事です。
今年は完全に投手を中心とした守り勝つ野球での決勝進出。
さて、最後まで駆け抜け頂点を極めることができるでしょうか。
プレーボールは12:30。
注目の決勝戦は、
もうすぐです。
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