≪WBA世界Sバンタム級タイトルマッチ 12回戦≫ ~エディオンアリーナ大阪~
チャンピオン 同級9位
ネオマール・セルメニョ ● 11R 棄権 ○ 久保隼
(ベネズエラ) (真正)
”久保桜”が大阪城に咲き乱れました。
初めての世界挑戦となった、
全国的には全く無名の久保隼。
正直ワタシも名前ぐらいしか聞いたことはなく、
ファイトを見るのは昨日が初めてというボクサーでしたが、
見事にベテラン・セルメニョを11R開始に棄権に追い込み、
世界王者の奪取に成功しました。
戦前は『どう見ても勝ち目はない』なんて言われていて、
チャンピオンのセルメニョも『次の試合は・・・・』なんてこの試合のことはスルーしていたぐらいでしたが、
久保はメラメラと闘志を燃やしていたことでしょう。
しかしながら、
リング上では表情も動きも飄々として、
何か≪つかみどころがない≫風を装いながら、
きっちりと決めるところは決めてくれました。
序盤から相手との距離を支配し、
自分のペースで試合を運び、
ボディーとワン・ツーで完全に相手から主導権を奪いましたが、
好事魔多しで7回に相手のロングフックを被弾。
マットに這って大ピンチを迎えましたが、
何とかそこをしのいで8Rからまた攻勢。
もう余力がほとんど残っていないと見えたセルメニョは、
11Rのゴングが鳴ってもコーナーから立ち上がろうとはせず、
自らグローブを取って『白旗』を上げました。
その瞬間、
久保が夢に見た世界チャンピオンの称号は彼の手に。
苦労が報われた陣営は大喜びでしたね。
リングサイドでこの日は試合の解説をしていたジムの先輩、
長谷川穂積もこの日の久保のファイトに評価を与えていました。
まだまだ課題も多い王者ですが、
これから強くなる匂いも、
感じることができます。
『勝てば勝つほど強くなる』
先輩・長谷川がたどっていった道を、
歩いていってほしいと思っています。
周りの雑音や、
ショーもない相手からのオファーなんて、
軽くいなしてやってください。
世界チャンプになった久保ですが、
WBAのこの階級には、
実は《スーパー王者》なるものと《暫定王者》なるものが存在。
要するに『王者』と名の付く人が3人いるという、
なんだかよくわからないことになっています。
スーパー王者は、
『名前はあるけど、人気まるでなし』
の試合枯れ王者・リゴンドーです。
近い将来、
このスーパー王者を倒して、
久保がWBAの統一王者として、
君臨してほしいです。
しかし昨日の試合、
下馬評では久保、散々な言われ方をしていましたが、
そんな”完全アンダードッグ”の試合で勝つのを見るのって、
本当に気分のいいものです。
一面では『これぞボクシングの面白さ』と思ったりしますね。
それにしてもこの久保選手も『父子鷹』のようです。
もうボクシング界では、
いい選手はほとんどが『父子鷹』ですね。
現在の王者を見ても、
井上兄弟に井岡、長谷川、河野。。。。。。
多くのチャンプが、
『父と鍛えて強くなった』選手。
我々の世代は、
やっぱり『星一徹と星飛馬』という父子鷹の姿が強く残っているので、
気持ちの奥の方になんだか訴えるものがありますね。
ボクシングって、
やっぱりそういう競技なんだろうなあ。。。。。なんて思います。
お父さんがやっていて、
その夢を子供が引き継ぐ(子供に託す)。
そうやって強くなっていくものなんですね。
ボクシングに何のかかわりもなかった親からは、
なかなか『強い子供』は生まれないのかも。。。。。
それはDNAって面もあるのですが、
もう一つは『競技への理解』っていう面もあるのだと思います。
親の目から見ると、
やっぱり息子にボクシングは、
本気ではやってほしくないかも。。。。。
常に命とかかわる競技なので、
なんだか心臓がいくつあっても足りない気がして。。。。。。
【プロボクサーになります】
と子供が言ってきたらワタシならどうするか?
考えちゃいます。
『よしっ!がんばれ』
と一言目から応援することは、
できないだろうなあ。。。。。。
そんな『関係ないこと』も、
なんだか考えてしまいました。
いずれにしても久保選手、おめでとう。
世界チャンピオンですよ!!
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