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第99回全国高校野球選手権大会 準決勝  中村の『歴史的アーチ』に大観衆沸く!

2017年08月23日 | 高校野球

≪第99回全国高校野球選手権大会≫ ~甲子園~

【準決勝】

第1試合 広陵(広島) 12-9 天理(奈良)

広陵 200 112 303 -12
天理 002 200 203 - 9


中村 あの清原の大記録を破る6号弾! 広陵、猛打で初優勝へ。


前半から中盤、目まぐるしく攻守が入れ替わる大激戦となったが、その中で広陵の主砲・中村が2連発。大会6号弾を打ち込み、あの清原が持つ大会5本の本塁打記録を32年ぶりに更新。しかも満塁一掃のタイムリー2塁打や、大事なところでのタイムリーなど4安打7打点の大爆発。1大会最多打点も従来の15を破り17として、大会記録を樹立した。その主砲の大爆発に守られ、広陵は19安打12点を上げて4度目の決勝進出を決めた。
試合は天理のエース・碓井の右打者内角をえぐるシュートが中村を中心とした広陵打線にどこまで通用するかというのが見どころだったが、初回に中村が高めに入った球を豪快に先制2ランを叩き込み、その後碓井は内角を攻め切ることができなくなった。天理はビハインドから広陵の先発・山本をよく攻めて中盤に逆転したが、そこからのチャンスを掴みきれず、逆に広陵打線につかまった。中村は5回に大会新の2発目を叩き込み、2点リードの7回に満塁一掃の3点2塁打で突き放した。天理投手陣としては、中村と果敢に勝負を挑んだが、その都度打ち返されてポイントとなるところで失点を重ねて行った。それでも6点差がついた9回、開き直って5連打。球場中を『もしかしたら』という雰囲気にして期待されたが、最後は3点差満塁の3-2から、山本の低めのボールになるスライダーにバットが空を切って、涙をのんだ。不穏な空気が流れた最終回の5連打の後、再度マウンドに上がった広陵の山本が、本当に良くピンチを抑えて投げ切った。もしここで一本出ていたら、本当に試合はわからなくなっていたところ。先発で打たれはしたものの、最後はまさにチームの救世主となった。
広陵は、中村の猛打がクローズアップされるが、上位・下位ともにまんべんなく打って19安打。そしてバント、守備、走塁などにも隙を見せず、ここまで勝ち上がってきた。チームの状態はピーク。そして明確な勝ちパターンを持っているという強みがある。天理は、最後は力負けという形になったものの、今大会は本当にチーム全体が成長して、中村監督を軸に『ニュー天理』の姿を甲子園で披露してくれた。ここ数年、どちらかというとライバル・智弁学園の後塵を拝した形で、甲子園でも勝ち進むことは少なかったが、今年の粘り強い攻守は本当に生まれ変わった姿だと感じることができた。豪打・天理の伝統はそのままに、決して球威があるわけではないものの内角をえぐるシュートを柱として強打の相手をきりきり舞いさせたエース碓井の投球は、忘れることができない。これからの天理、智弁の両雄の熾烈な代表争いは、今から本当に楽しみだ。




第2試合 花咲徳栄(埼玉)9-6 東海大菅生(西東京) *延長11回


花咲徳栄  012 100 020 03 - 9
東海大菅生 211 000 002 00 - 6


関東同士の大激戦は延長決着。花咲徳栄 強打と安定と粘りで決勝へ!


本音を言うと、『なんで準決勝で当たっちゃうんだよ!』と思わずにはいられなかった対戦。両校ともに、練習試合でもよく見る学校なので思い入れも深く、なんだか『どっちも勝て』という中で、逆の意味で客観的にニュートラルな立場で試合を見ていたため、『熱く』試合に入っていくことができなかった。しかしながら、試合内容は見事の一言に尽きる試合だった。初回から東海大菅生が足を使って揺さぶりをかけると、花咲徳栄の堅い守備陣にほころびが見えて初回2点を先取。東海大菅生のエース松本の初回の投球から、この試合も東海大菅生ペースで進んでいくことが予想された。しかしながら、好調の花咲徳栄打線がじわじわとプレッシャーをかけ始め、2,3,4回にきっちりと得点を重ねていく。しかし東海大菅生も2,3回に得点を重ねて、序盤は互角の攻防で4-4。試合はその後落ち着いた形で4-4のまま6回を終了。ここで東海大菅生がピッチャーを松本から戸田へリレー。花咲徳栄は4回に先発の綱脇から
清水にリレーしていたため、同点の終盤は『チーム2枚看板の2番手の投げ合い』の様相を呈していった。
花咲徳栄は終盤の8回、満塁のチャンスを掴むと、ここまでまったく当たりの出ていなかった9番の岩瀬がレフト戦へタイムリー。待望の勝ち越しを決めるものの、9回に東海大菅生もチャンスを掴むと、1番田中がショートを強襲する2点タイムリー。歓喜の同点に追いつき、試合は延長へともつれ込んだ。
この試合、東海大菅生が後攻だったため、延長になると有利ということも考えられたが、ピッチャーの力を考えると花咲徳栄が有利かという考えもあり、まったく予断を許せない力の入った戦いになった。花咲徳栄としては、9回に2点は取られたというものの、エース清水がこの日は見事なピッチングを披露していたので、安心感はあったでしょう。低めに速球、変化球がまさにビシビシと決まって、さしもの好調、東海大菅生打線でも、とらえることはできませんでした。東海大菅生としたら、9回同点に追い付いた後の1死2塁のチャンスに、2・3番で一気に試合を決めたかったところですが、それを許さなかった清水が一枚上だったと言っていいでしょうね。
10回からマウンドに上がった『東海大菅生140キロカルテット』のひとり、山内投手ですが、やはりこの場面での起用では荷が重かった。10回は何とか抑えるものの、明らかに球が高めでばらついていたこともあり、11回に花咲徳栄の打線につかまってしまいました。花咲徳栄はチャンスでこの日ヒットのなかった高井が真ん中の球を見事に振り抜き、ライトの頭上を越える決勝の2点タイムリー2塁打。ここで勝負が決まりました。
花咲徳栄は、勝利に対する執念を見せました。これまでどうしても勝負弱さが払しょくできなかったチームが、この夏大きな成長を遂げて、こんなしびれる試合を勝ち切れるようになりました。ライバル・浦和学院の壁がどうしても破れなかった姿はもう過去のもの。埼玉県勢初の全国制覇の夢に向かって、一直線に走り続けています。
東海大菅生にとっては、痛恨の戦いだったでしょう。実力的には互角だったものの、大事なところで記録に現れないミスも出て、全国制覇の夢をつかみ損ねてしまいました。しかしながら、今年の西東京にあって、”絶対”と言われた2強、早実と日大三を相次いで破って出場した甲子園は、ここ3年間予選決勝敗退という悔しい歴史を払しょくする大舞台でした。『あの2校を破った』ということが自信となって、全国という大舞台でも気後れすることなく、自分たちの持てる力を存分に出し切ったということで、東海大菅生野球部の新たな歴史を作ったと言えるでしょう。これからは、日大三、早実と並んで【西東京3強】の地位をがっちりとつかんでいくことと思われます。新たな戦いは、今日から始まると思います。夢の全国制覇へ。歩みは続いていきます。


今日の準決勝。

期せずして、【プロ野球から高校野球の監督へ】と戦いの舞台を移した、天理の中村監督と東海大菅生の若林監督の両監督が頂点を目の前にして、敗れ去ってしまいました。
しかしながら、プロ野球のメソッドを高校野球に還元した監督がこの夏、本当にいいチームを作って甲子園に戻ってきてくれました。プロアマの規制が撤廃される機運の中、今後もこうした流れは続いていくことでしょう。プロ野球という野球の最高の舞台で経験を積み、いろいろな引出しをもって高校野球の世界に戻ってくる監督さんの活躍、本当に楽しみです。監督として采配を振るうためには、”プロ監督”ではなく教員としての地位が求められるため、彼らは本当に努力をしてここまで来たということが推察されます。そんな苦労もまた、球児たちの指導の中に、必ず生かされているのではないかな?そんな気がしています。
そしてそういう『元プロ野球選手』の監督に対して、闘志を燃やして『負けてなるか』と戦いを挑む数多の監督さんもいて、それがまた、高校野球のレベルを上げていくと思います。






【決勝の見どころ】

広陵(広島) vs  花咲徳栄(埼玉)


初優勝かけ、実力派が激突。 勝ちパターンに持ち込んだほうが深紅の大旗を握る!


決勝のカードは、広陵と花咲徳栄となった。
大会前、関係者の間でチームの実力は高く評価されていたものの、明確に『優勝候補』にはあげられることの少なかった両校が、どんどん大会中にチーム力を上げて、この舞台まで上り詰めてきた。今やこの両チームの力を疑うものなど誰もいないであろう、力を持った両チームの激突となった。

広陵は大黒柱の主砲・中村が今大会で清原の不滅と言われた記録を破る大会6本塁打、おまけに大会17打点の記録を引っ提げて、決勝の舞台に臨む。準決勝での振りの鋭さは、『これは並の投手では、絶対に抑えることはできないな』と感じるほどすごく、今日も全く不発に終わることは考えにくい。であるならば、花咲徳栄としては、なんとしてものこの中村の前にランナーを出さないということが、勝利への鍵になってくると思われる。花咲徳栄の強みは、2本柱の投手陣の必勝リレー。先発の綱脇は速球、スライダーを低めのコースいっぱいに決めるプレースメントに長ける好投手。準決勝ではやや守備に足を引っ張られる形で失点したが、修正能力は高いので中盤まで強打の広陵打線を2,3点に抑えたいところ。終盤に『絶対守護神』の清水につなぐ形が取れれば、花咲徳栄の勝ちパターンに持っていけるだろう。

一方広陵の投手陣と花咲徳栄の打線ということでいえば、先発が予想される山本がスライダーを武器にどこまで花咲徳栄の上位の左打線を抑え込むことができるかが焦点。太刀岡、千丸、西川の上位は、足もあるうるさい打者が揃っているので、ここで出塁を許すと厳しい状況になることも考えられる。そして準決勝まで本来の投球ができていないエース平元の意地にも期待がかかる。『やっぱり最後はエースが締めた』という展開が、広陵にとっては理想の展開だ。花咲徳栄の打線は、5試合で47得点をあげる好調ぶり。乾坤一擲のリレーで、どこまで抑え込むことができるのか。

いずれにしても、勝負は終盤までもつれ込む気がする。
少ないスコアならば4,5点の勝負、取り合いになれば9,10点ぐらいの勝負も想定される。
疲れの残る投手陣を、打線が援護することが優勝への必須条件。

はたして、どちらが初優勝をつかむのか。


決勝は2時プレーボール。


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