SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

ボクシングダブル世界戦  おかえり~~!

2015年12月30日 | ボクシング

≪ボクシング ダブル世界タイトルマッチ≫   ~有明コロシアム~

【WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ】

チャンピオン                  挑戦者・1位
井上尚弥(大橋)  〇   TKO   ●  ワルリト・パレナス(フィリピン)
              2R 1分20秒


八重樫の素晴らしいタイトル奪取の後のメインイベント。
誰もが井上のKO勝ちを予想していましたが、
1年のブランク明けの影響を心配する声もあり、
ちょっとドキドキした試合の開始でした。

しかし。。。。。

そんな心配は全くの杞憂。

試合開始直後に放った井上のパンチで、
すでに勝負の行方は完全に見えたといってもいいぐらいでした。

ものすごい左右のパンチ!!

『これが世界の井上だ!』

と観衆とテレビ桟敷の人々に1年ぶりに叫ぶかのごとく凄いものでした。

第1R。
ファンはみんな、
井上チャンプが1年ブランクがあるなんて忘れてしまったことでしょう。
右の拳を負傷しているこの1年で鍛えた左の拳が、
右と同じぐらいの威力を身に着けたことに、
驚きを隠せませんでした。

そして第2R。

早くも≪その時≫は訪れました。

井上チャンプの試合は、
本当に『瞬き一つできない』ほどの素晴らしいショー。

1分過ぎに早くもパレナスを捕らえて尻もちをつかせると、
1分20秒でTKO。

パレナスは最初のダウンですでに戦意を喪失していた感じで、
あとは『こんなパンチ食らったら、たまったもんじゃない』とでも言いたげでした。


いや~。

それにしても井上チャンプ。

凄いという言葉では形容できないほど、
ものすごいボクサーに進化し続けています。

昨年あのナルバエスを2Rで”戦慄KO”した衝撃もすごかったのですが、
昨日の試合は、
『軽量級のパウンド フォー パウンド(階級を超えて一番強い)は井上以外にありえない』
ということを認識させてくれました。

今年のボクシング界は、
あのメイウェザーvsパッキャオのスーパースター対決に沸きましたが、
井上チャンプがあのロマゴンことローマン・ゴンザレス選手に挑めば、
メイーパック戦に匹敵するぐらいのレベルの、
ものすごい試合になるんではないでしょうかね。

昨日の井上チャンプの華麗なる復活劇を見た世界のファンは、
ロマゴンvs井上
を熱望しているのではないでしょうか。

近年日本のスポーツ界は、
様々な”天才アスリート”を生んでいます。
フィギュアの羽生選手、
テニスの錦織選手、
野球の大谷選手、
体操の内村・白井両選手たちにそんなにおいを感じるのですが、
井上チャンプは間違いなくそれらの選手に勝るとも劣らない素晴らしい才能を備えた選手ですね。

もはや【日本の宝】と言ってもいい選手だと思います。

振り返ってみると日本のボクシング界もたくさんの名選手を生んできました。
白井義男選手からファイティング原田、輪島功一、具志堅用高。。。。。
そして最近でも、西岡、長谷川、内山、山中、八重樫、三浦など、
数多の名チャンプの、魂を揺さぶる試合を見てきました。

しかし。。。。

断言してもいいのですが、
井上尚弥ほど、
ここまで才能を持ったチャンピオンはいなかったのではないかと思います。

日本ボクシング界が生んだ【最高の才能】だと思います。

しかしこのきらめく才能が、
それに見合った結果を得ることが出来るのかどうかは、
今後にかかっていると思います。

まごうことなく、
世界に向かって歩いて行ってほしい、
そう思います。

ラスベガスでビッグネームと世界タイトルマッチを行うことが、
本当に日常になっていきそうな、
2016年になりそうです。

井上チャンプへの期待、
MAXまで膨らんでいます。



【IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ】

チャンピオン                             挑戦者・8位
ハビエル・メンドサ(メキシコ)  ● 12R判定0-3  〇  八重樫東(大橋)
                       109-119
                       111-117
                       107-120


井上尚弥のものすごい締めの試合の前、
”激闘王”八重樫東が心を揺さぶるファイトで、
我々の前に帰ってきてくれました。

ものすごく、
魂を揺さぶるファイトとともに。

昨年9月、
あのロマゴンの挑戦を敢然と受けて激闘の末に散った八重樫チャンプ。

その試合は、
日本ボクシング史に残るような激闘でした。
あのロマゴンに対して敢然と打ち合いを挑んだ”あの試合”は、
いまだに我々の心から離れることはありません。

まさに『男の中の男』を地で行った好漢ですが、
その代償もまた大きかった。

階級をライトフライ級に落として挑んだ年末の王座決定戦で、
我々は『あの八重樫がボディでKOされた』衝撃の瞬間を目の当たりにしました。

明らかにロマゴン戦とは、
動きもファイトスタイルも、何もかもが違った末の完敗。

そしてその後、
『八重樫引退か?』
ということが取りざたされ、
我々ファンは何とも言えない霧のかかったような日を過ごさざるを得ませんでした。

井岡戦の、そしてロマゴン戦の激闘の八重樫の姿が頭に残っているワタシは、
『何とか再起してほしい』
と思っていましたが、
それでもどこかに『燃え尽きたのならそれはそれで、いい』
という気持ちも持っていたりして、
なんだか整理できない頭の中になっていました。

しかし八重樫は戻ってきた。

今年2度の『世界前哨戦』を行いいい形を作って、
まさに満を持して挑んだIBFのタイトルマッチ。

八重樫の生きざまに感じ入ることの多いボクシングファンは、
昨日の試合前八重樫が入場してきたときから、
なんだか叫ぶような歓声を上げていました。

『何とか、何とか頑張ってほしい』と。

相手はハードパンチャーと噂の若いメキシコのメンドーサ。

第1Rのゴングが鳴り、
勇躍青コーナーを飛び出した八重樫。

しかしまず放たれたメンドーサのパンチは、
速く重そうで、
そしてリーチが『むっちゃ長い!』ように見えました。

正直、
『こりゃあ、やべ~なあ。苦戦するかも。。。。。』
そんな予感をはらんだ立ち上がりでしたが、
ラウンドの中盤から見せた八重樫のまさに全盛期を思わせるリズミカルな動きと鋭いパンチ。

それを見た途端、
『今日は八重樫、切れてるぜ!行けるぞ!!』
というココロモチになりました。

2R,3R,4R・・・・・

八重樫は相手の強烈なパンチをかいくぐり、
時には被弾しながらも決して下がらずパンチを振るい続け、
明らかに試合の主導権を握っていきました。

こうなると経験豊富な”八重樫の試合”となっていきます。

相手の打ち終わりに合わせる鋭いパンチ、
そして出入りなど、
『これぞ八重樫の試合だ』
ということを存分に見せ、
試合は進んでいきました。

心配されたのは瞼の腫れ。

八重樫はこの癖になっている瞼の腫れで、
何度も目をふさがれて窮地に陥っていましたので、
リードする試合展開でも、
なんだか心配の種は尽きませんでした。

そして相手のメンドーサも、
打たれても打たれても前に前にの前進を止めず、
速くて硬そうなパンチを振るい続けて、
チャンピオンの矜持を見せてくれました。

八重樫は最後までスタミナ切れを起こすこともなく、
最終ラウンドではメンドーサをダウン寸前まで追いつめ、
試合終了のゴングが鳴るや否や勝利を確信してガッツポーズ。
我々ファンも誰一人、
勝利を疑うものはありませんでした。

そしてレフェリーによって八重樫東の右手が高々と掲げられ、
八重樫東はまた、
八重樫チャンプとなりました。

おめでとう八重樫チャンプ!!


リング上でのインタビュー。

最初涙を流し続けていた八重樫が、
3階級制覇についてその感想を尋ねられた時でした。

八重樫チャンプは、
こう言い放ったのです。

『この3階級制覇は、おまけです。ボクサーは、いかに強い相手と試合するかということが大切で、それがお金を払って見に来てくれるファンへの自分の恩返しです。その結果ということで、3階級制覇など、おまけです。』


なんとなんと!!!!!!

我々ボクシングファンが、
ここ10年近くにわたって、
ず~~~~~ッと言いたかったことを、
この【男の中の男】が、
ぜ~んぶ言ってくれました。

そう、
ボクシングファンにとって、
〇〇階級制覇なんて、
まさに”おまけ”なんですよ。

八重樫のような選手が見せてくれる好ファイト、
それも強い相手との≪記憶に残るファイト≫に勝るものなんて、
ありゃしないんです。

ボクシングに記録なんて、
どうでもいいとは言わないまでも、
”二の次のもの”なんです。

〇〇階級制覇への過度なこだわりなんて、
そんなもの視聴率のための『煽りVTR』に必要だというテレビ局あたりに、
まかせときゃ~いいんですよ。

八重樫も井上も、
そして先日ベガスで敗れた三浦も、
厳しく強い相手とのファイトを選び自らいばらの道を歩むからこそ、
ファンに絶大に支持されるんだと思います。


そして奥さんへの愛の囁き。
い~ですねえ。

そして子供たちも、
誇らしげな顔でリングに上がっていて、
見ていてうれしくなりました。

八重樫~~~~

かっこいいぞ~~~~~


ということで昨日の興行。

八重樫のファイトで、
本当に『おなかいっぱい』になるほど大満足でした。

しかしその後の井上尚弥チャンプの試合は、
『スーパーおいしいデザート』
を食べた感覚でしたね。

どんなにおなかいっぱいでも、
デザートは別腹ということで。。。。


いずれにしても、
井上尚弥と八重樫東の揃い踏み。

まさに『い~もの見せてもらった~』
という、
お得感いっぱいの1日となりました。

ももクロのライブも、
良かったですよ。
たくさんのファンも来て、
ペンライトを振っていましたね。
びっくりしました。

ももクロは2度でてきたんですが、
彼女たちが歌っている間に、
粛々と赤コーナーと青コーナーを入れ替える作業が行われていて、
『そっか~そのために歌のコーナー設けたんだ~』
と、ひとりごちていました。

なんにしても、
年末にいいもの見せてもらいました。

井上チャンプ!

アメリカ進出しても、
出来れば年末はこの興行で、
顔見世してくれよな~~。
また見に行くから。

そして八重樫チャンプ。

また【激闘】見せてください。
感動、ありがとうね~~。


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