謹賀新年
明けましておめでとうございます。
関東地方は、
本当に穏やかに雲一つない暖かな日となりました今年の元日。
今年もたくさんのスポーツが、
私たちの心を躍らせてくれるよう、
期待を持って新年を迎えました。
今年は2月にソチ冬季オリンピック、
6月にサッカーW杯が待っています。
日本中がスポーツ一色になる日が、
何日もあることでしょう。
そんな2014年を前に、
激動の2013年を締めくくる激闘が、
大みそかに東西の会場で行われました。
≪ボクシング 3王者防衛戦≫
【大田区立体育館】
▼WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・内山高志(ワタナベ)× 同級8位・金子大樹(横浜光)
▼WBC世界Sフェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・三浦隆司(帝拳)× 同級2位・ダンテ・ハルドン(メキシコ)
【大阪ボディメーカーコロシアム】
▼WBA世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・井岡一翔(井岡)× 同級4位・フェリックス・アルバラード(ニカラグア)
どうもこのところきな臭い話題の多いボクシング界なのですが、
本来は『強いのはどっちだ!を決めるどつき合い』がその本質。
【血沸き肉躍る】と形容するにふさわしい競技です。
そんなボクシング界の締めてくれる3大タイトルマッチ。
【内山 vs 金子】
東京・大田区体育館のメインイベントは、
7度の世界防衛を飾り”絶対王者”の風格漂う内山高志の8度目の防衛戦。
この相手に選んだのが、
25歳で今日の出の勢いの金子大樹。
内山をして『いま日本で一番強い選手なので』とリスペクトするその挑戦者は、
チャンピオンに臆することなく果敢に挑んでいき、
会場を沸かせてくれました。
内山は序盤のジャブの差し合いで先手を取ると、
的確に金子の顔面にショートパンチをヒットさせ、
ポイントを稼いでいきました。
しかし金子もときおり見せる連打で内山をコーナーに詰めるシーンもあり、
ヒリヒリとした雰囲気が画面を通しても伝わってくるような好試合となりました。
それでもワタシも【自己採点】で内山のフルマークに近い採点でしたので、
『内山圧勝』
を信じて疑わなかった10ラウンド、
信じられないことが起こりました。
金子の強烈な右が2度にわたり内山の顔面にヒット。
内山がその瞬間、
意識が飛んだかのようにマットに這い、
会場は興奮のるつぼと化しました。
まさかまさかの展開で、
『内山KOで陥落か!』
と思いましたが、
そこからがチャンピオン内山の真骨頂でした。
冷静にカウント9まで休んで立ち上がると、
逆に出てくる金子の顔面にショートの右、左をヒット。
しっかりと【試合の主導権は渡さない】というところを見せつけ、
残り2ラウンドもしっかりとポイントを押さえて、
終わってみればジャッジ3者とも7ポイント差での圧勝でした。
さすがの防衛でしたね。
KOこそできなかったものの、
『内山強し』
をさらに印象づけた8度目の防衛となりました。
内山と渡辺ジムの渡辺会長は、
今後の狙いを具志堅の持つ国内最長の13連続防衛の記録の打破においたようですね。
今34歳の内山。
たぶん一昨年ぐらいから昨年ぐらいまでが選手としてのピークと思われます。
ワタシは内山の強さを世界に広めるべく、
主戦場を国内よりもラスベガスなど世界の大舞台に移してほしいと希望していましたが、
どうやら年齢のことなども考慮して、
陣営は国内を主戦場に絞ったようですね。
そのジャッジ、
それもいいと思いますね。
国内でこれだけの選手の試合を見続けられる幸せというのも、
またいいものです。
2014年も、
その強さをまた見せつけてほしいと思います。
今度こそ・・・・・・
ワタシも内山の試合、
見に行きます。
さて、
敗れた金子選手。
敗れて大きく株を上げました。
敗れはしたものの、
常に前に出ていくアグレッシブな姿勢、
そして内山の強打を被弾し続けても倒れず、
心もおれないというタフさ、
とくと見せてもらいました。
まだ25歳。
間違いなく”次代の世界チャンピオン”とみました。
今後の戦いが、
とても楽しみです。
それにしても、それにしても。
凄い試合だったなあ。
印象に残ったのは、
内山選手が金子選手に対して、
『おっこいつスゲえなあ』
という感じで、
実に充実した楽しそうな表情で試合していたことですね。
内山選手は金子選手のことを【ザ・男】と評していましたが、
内山選手はさしずめ【ザ・ボクサー】ですね。
二人のすごい打ち合い、
ワタシは見ていて、
【ロッキーvsアポロ】
の試合を思い出しちゃっていました。(映画だけどね)
【三浦 vs ハルドン】
内山vs金子の激闘に先駆けて行われたのが、
苦労人のチャンプ・三浦の2度目の防衛戦でした。
常に『強いものに挑む』三浦、
内山に挑んだ2011年のころより、
確実に2段も3段も強くなっています。
『ボンバーレフト』と言われる左の強打は、
この日も健在。
じわじわと相手のハルドンを追い詰め、
もう5ラウンドぐらいからは相手に戦意を喪失させていましたね。
試合後のインタビューでは、
『1ラウンドで勝利を確信していた』
と語っているように、
相手との実力差、
かなりありましたね。
しかしこれは『ミスマッチ』なのではなく、
三浦がそれだけ≪飛び抜けた≫存在になってきている証拠なんではないかと思います。
中継ではしきりに、
【内山選手との統一戦】と煽っていましたが、
両者ともに応援したいワタシとしては、
『何とか対戦させないでほしい』
というのが本音ですね。
やるんなら、
両者がともにWBOかIBFのチャンプを破り2団体のタイトルを統一したうえで、
【2団体統一チャンプ】同士の統一選っていうのはどうでしょうか。
それなら、
世界的に話題になる王座統一戦となりますよ。
その対戦で内山vs三浦が激突となれば、
血沸き肉躍る対戦となるのは間違いありません。
ちなみにワタシ、
『内山、三浦、今はどちらが強いの?』
と尋ねられたら、
『まったくわからない。試合展開による』
と答えるでしょうね。
それほど両者の実力、
接近していると思います。
【井岡 vs アルバラード】
井岡は3年連続の大みそかの舞台で、
アルバラードを葬り去りましたね。
しかし残念ながら、
アルバラードは井岡とは『ミスマッチ』の相手でした。
確かにパンチはそこそこあったかもしれませんが、
井岡の相手になるような選手ではありませんでしたね。
井岡も、
『強さを見せつけて』
という勝ち方ではなかったので、
不満の残る内容だったでしょう。
しかし井岡は、
『勝ち方をよく知っている』
という点では、
しっかりとチャンピオンとしての経験を積み重ねて自分のものにしていると感じます。
井岡の周辺では、
たくさんの強力な日本選手など、
『戦うべき敵』は多いという印象です。
そういう相手とのマッチメーク、
2014年はしてもらいたいですね。
2014年には無理かもしれませんが、
ワタシが望むのは”天才”井上選手との対戦です。
どちらがより『本物』なのか、
見てみたいですね。
ということで、
2013年最後の日も、
ボクシングに楽しく締めてもらいました。
たくさんの日本人チャンプが百花繚乱のボクシング界。
今年もまた、
スーパーファイトが繰り広げられることでしょう。
そして世間が、
『本物こそが面白い』
と認識する年になるよう、
心から祈念します。