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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第96回全国高校野球選手権大会 予選展望3 ≪東海・北信越≫

2014年06月26日 | 高校野球

≪第96回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望3 東海・北信越地区 -





【静岡】(参加117校)  
安定した戦績残す静岡が本命も、大波乱の展開もありうる群雄割拠の戦国大会。

◎ 静岡
〇 日大三嶋 常葉橘  
△ 静岡商 掛川西 飛龍 
▲ 浜松工 東海大翔陽 静清 常葉菊川

昨夏の常葉菊川のような大本命はいない。そんな中での大会になるが、本命は安定した戦いぶりを続ける静岡だろう。過去3年、常に県大会では優勝、準優勝などに輝く実績を残すチームながら、夏の大会では甲子園に届かない夏が続く。今年こそはの願いを込める今年のチームも、全員野球が持ち味だ。傑出した選手は誰一人いないが、そのチーム力は県内では随一と言える。何とか聖地に手を届けたい。春優勝の日大三島は、25年ぶりの夏を狙う。かつての強豪もこのところすっかり県内上位とはご無沙汰で”古豪”と呼ばれるに至ったが、今年はチーム力もアップして鼻息が荒い。小沢・中泉の投打の軸を中心に据え、波に乗って一気に代表の座を奪いたいところ。静岡ではずっと『春の優勝校は夏勝てない』というジンクスがあったが、そのジンクスは昨年常葉菊川が破った。ことしも日大三島が、”春夏連覇”に挑む。実力派の常葉橘は、今年も好投手を輩出。エースの木村はしなやかなフォームから140キロ台中盤の速球が武器。打線も整備されてきて、2年ぶりの夏を狙う態勢は整った。そのほかでは、秋の東海大会で4強入りした静岡商もいい感じだ。昨夏出場の常葉菊川は、渡辺・桑原の甲子園組を軸に立て直しを図っている。掛川西、飛龍など飛び出してきそうなチームも多く群雄割拠の様相。浜松工や東海大翔陽も、波に乗れば十分に”ありうる”チームだ。


【愛知】(参加189校)   
混戦を抜け出せるか、選抜4強の豊川。東邦、中京大中京、愛工大名電の”私学三強”は今年も安定した力を持つ。

◎ 豊川 東邦 中京大中京
〇 愛知啓成 愛工大名電 
△ 愛産大三河 至学館 岩津
▲ 豊田西 愛知黎明 大府

センバツで最後まであきらめない戦いを見せ『ミラクル豊川』の異名を取った豊川がまず本命の位置に座る。エース田中の素晴らしい投球はセンバツの華だったが、5月になるまでは完全休養を取って、夏の戦いに備える。打線は相変わらずここぞの時にタイムリーが飛び出す勝負強さが光る。その豊川を僅差で追うのが、伝統の東邦と中京大中京、そして3連覇を狙う”夏将軍”愛工大名電だ。東邦はエース大井の安定感が抜群。もともと破壊力のある打線と相まって、スケールの大きさは県内トップクラスだ。中京大中京は、このところ数年間音沙汰がなかったが今年は狙える位置に付けた。県内屈指の大砲・小林に伊藤など長距離砲が揃っているのが自慢。名門復活には投手陣の整備が課題だ。愛工大名電は、今年のチームでの実績はないものの、やはり夏は怖い存在。ベテラン倉野監督も夏への手ごたえはしっかりと感じている様子で、今年もしっかりと勝ち上がってきそうだ。こちらもチームの自慢は打撃力。例年に比べて”イマイチ”の投手陣の整備によっては、グッと連覇に近づく存在となる。春優勝の愛知啓成は、初めての夏を狙う。県内最高と言われる打線の破壊力はメガトン級。中軸だけで『100本塁打』に届かんとする長打力は脅威の的だ。ポップス調の校歌で一躍有名になった至学館は、昨夏のレギュラーを多数残し、経験値が高いチーム。3年ぶりの夏を目指す。そのほかでは、岩津の柴田、豊田西の西山など注目の投手の動向も気になるところだ。



【岐阜】(参加67校) 
県岐阜商が夏に向けて実力アップ。対する連覇狙う大垣日大は、今年も強力打線で挑む。 

◎ 県岐阜商
〇 大垣日大 
△ 岐阜聖徳 岐阜工 関商工 市岐阜商
▲ 帝京可児 大垣商 中京

昨年ほどの凄味はなくとも、県岐阜商の力は県内では抜けているという印象だ。今年は2年生中心のメンバー構成だが、来年のドラフト候補の逸材と言われるエース高橋は、現時点ですでに150キロ越えの速球を投げ込む本格派。まだまだ荒削りだが、控えには昨春の選抜で登板経験がある葛谷が控えて万全を期す。打線の力もあり、現時点では候補一番手に間違いない。追っていくのは2年連続を狙う大垣日大。ベテラン阪口監督は、今年のチームに故障が多いのを嘆いているが、そこはコメントを額面通りには受け取れない。各学年にエース格の投手を揃える層の厚さが自慢の投手陣に、例年夏は爆発する打線が上手くかみ合えば”県岐阜商おそるるに足らず”の戦力になる。岐阜聖徳のエース左腕・滝瀬は県内で注目を浴びる技巧派。球の出し入れで勝負できる投手で、安定感はピカイチだ。岐阜工は昨夏からのメンバーが7人も残るプラチナ学年で、今年は初の甲子園を狙う。甲子園に深い足跡を残した関商工も、3年前の夏以来の”聖地帰還”がターゲット。相変わらずの野球力の高さとしぶとい野球は、相手にとって嫌な存在だ。名門の市岐阜商は、昨夏は決勝に進出。あと一歩の壁を破るべく猛練習を積み、戦力アップの最中だ。その他では、帝京可児、大垣商、中京など強豪が戦力を整えれば、覇権争いに絡んでくるかもしれない。



【三重】(参加64校) 
春秋東海を制した三重が圧倒的な力を誇る。いなべ総合が対抗馬の一番手だが…

◎ 三重 
〇 いなべ総合  
△ 宇治山田商 松阪 海星
▲ 皇学館 松阪商 菰野 

選抜出場校ながら選抜後監督が交代するという激震に見舞われた三重だが、力は衰えていない。県大会はもとより、春の東海大会を秋に続いて連覇し、今年のチームは東海地区では負けたことのない無敵を誇るチームだ。エース今井は昨年、今春と甲子園のマウンドを踏んで経験は十分。春先は調子を落としていたものの、夏にかけてまず心配はないだろう。打線はもとより東海地区NO1の破壊力を誇る。新監督は元三重中京大で則本(楽天)を育てた中村監督で、新監督の目指すスキのないチーム作りがはまれば全国でも上位を狙えるチームだ。その三重の力が1枚も2枚もぬけているものの、他校も黙っている訳にはいかないはず。その筆頭はいなべ総合だ。県内NO1の好投手、石垣がマウンドに仁王立ち。守りを一手に引き受ける。勝ち方を知る名将・尾崎監督のもとで、狙うは打倒・三重での甲子園だ。宇治山田商は、不祥事で2年生の出場がかなわないが、3年生の意地に期待して△マークを打った。名門復活へ、歩みを止めたくない夏だ。一昨年代表の松坂は、監督をして『当時のチームよりも上』と言わしめる戦力で2年ぶりにあの大声援を甲子園にとどろかせたい。県大会を勝ち抜くカギは、2年前に掴んだ【大会の風】を今年もつかめるかどうかだ。名門の海星は打力で勝負。皇学館のエース戸上は184センチの長身から144キロの速球を投げる注目の投手だ。素材のいい選手が揃う菰野は、投手陣の踏ん張り次第では大きく浮上も。松阪商は小気味いい野球を展開する好チームだ。




【新潟】(参加88校) 
強力打線軸に真紅の大旗狙う日本文理。ライバル・新潟明訓がその進撃を止められるか。

◎ 日本文理
〇 新潟明訓
△ 中越 新潟産大付
▲ 三条 北越 帝京長岡

日本文理は、センバツでは悔しい初戦敗退を喫したが、そのスケールの大きさはまさに【県内史上最強チーム】と言って過言ではない。エースの飯塚はドラフト1位候補のスーパー球児。185センチのがっしりとした体から投げ下ろす迫力のある速球には磨きがかかり、中軸に座る打棒も冴えわたる。捕手・鎌倉との息もぴったりで、今度こそ甲子園でそのポテンシャルを十分に発揮したい。秋春の県大会、秋の明治神宮大会、秋春の北信越大会と、これまでこのチームのタイトルは5つを数える。あと欲しいタイトルは、新潟県初の真紅の大優勝旗しかない。県内で長年ライバル関係を続ける新潟明訓は、さすがに秋、春とも決勝まで上り詰めているが、今年のチームに限って言えば、少し日本文理には水をあけられている。それでも村山、漆原の投の2枚看板は強力。守りもしっかりしており、大量失点は考えにくい安定感を備える。問題はバッティング。飯塚を想定してバットを振り込んでいるとはいうものの、やや力負けに終わっている過去の対決を振り返り、何か秘策を練りたいところだ。3番手以下は、優勝するには厳しい年となった。一応実績を残す中越を推すものの、2強との差は歴然。エース星を中心に、どうその差を埋めていくのか。その他では、新顔ともいえる新潟産大付はエース前川を経験十分のバックが支える。三条、北越などは守りがしっかりしており、一発勝負には向くチームだ。帝京長岡は、何とか壁を破って甲子園を掴みたい。




【長野】(参加88校)  
地球環境、東海大三、創造学園、松本第一、上田西・・・・・・・近年聖地にたどり着いた学校が、混沌とした中で覇権を競い合う。

◎ 地球環境 東海大三
〇 創造学園、長野日大 松本第一 上田西 
△ 東京都市大塩尻 下諏訪向陽
▲ 佐久長聖 長野西

ここ数年、長野県の高校野球のレベルの低下が叫ばれている。今年は秋の北信越大会で東海大三が準優勝して選抜を掴み、地球環境も4強入りを果たした。しかしながら、まだまだ『全国レベル』のチームが県内に散見されるわけではなく、どんぐりの背比べ状態は続いていると言わざるを得ない。そんな中での今年の夏は、有力校が『両手でも足りない』状態で、どこが勝ちぬいてもおかしくはない大激戦の大会になる。残念なのは、県内最多出場の名門・松商学園の出場停止だが、それもまた混戦に拍車をかけたに過ぎない出来事で、かなりの学校が『今年はチャンス』と腕を鳴らす状態だろう。一応本命は、先に上げた地球環境と東海大三を上げておく。地球環境は総合力で勝負のチーム。これといった大きな特徴がない代わりに、投・攻・守どれも高いレベルでまとまりを見せる好チームだ。爆発力がやや足りないのが泣き所にならない展開で頂点を狙う。東海大三は高井ジュリアンが選抜以降精彩を欠いているのが心配の種だが、彼の復活とともにチーム状態が急上昇のカーブを描くはずで、候補からは外せない。春優勝の創造学園は、地球環境とよく似たチーム。両校の激突があれば、激戦は必至だ。昨夏悲願の甲子園出場を果たした上田西は、自信をつけた攻守で連覇を狙う。チームの中心は1・2年生だが、3年生の意地を見たい。松本第一、長野日大共に投手力に自信を持つチーム。夏向きの好チームだ。都市大塩尻は2度目のVへ向け、ここの所好調を持続する。名門の佐久長聖は、藤原監督のイズムがまだぴたりとハマるような状態にはなっていない感じだが、もともと力は県内屈指。どっしりと構えての横綱相撲を目指す。下諏訪向陽、長野西あたりが今年の”惑星”になる予感を秘めた県大会だ。



【富山】(参加48校)  

県内剛腕投手の見本市。今年の富山の夏は、激アツだ!

◎ 富山第一 富山商
〇 高岡商 国際大付 富山工
△ 新湊 砺波工
▲ 滑川 魚津 高岡南

昨年の富山第一の甲子園での活躍を見ても分かる通り、ここ数年県内のレベルは上昇の一途をたどる。今年は昨年に輪をかけて、好投手が県内に揃って面白い大会になりそうだ。まずは2連覇を狙うディフェンディングチャンピオンの富山第一。今年も本命の座は揺るぎそうにない。注目されるのは4番に座るスラッガー・幸山。ピンポン玉のように球を遠くに飛ばす能力は県内随一。昨年に比べるとやや落ちると言われる投手陣の踏ん張りで、大きく浮上してくるチームだ。まったく差なく続いているのが名門の富山商。ドラフト候補にも挙げられる左腕の森田を軸に、中軸を打つ捕手の富川も”超大物”の風情を漂わせる。高岡商にも、144キロの速球をマークしたエース河端が君臨。強豪との対戦を心待ちにしている。富山国際大付属にも将来性十分なエース西田が控えており、さしずめ今年の富山県大会は【好投手の見本市】の様相を呈している。もう一人忘れてはならないのが、2年ぶりを狙う富山工の剛腕・宮尾。スピードだけならば県内のどの投手にも負けないと強気で自負する好漢だ。この5校のエースたちがどんな競演を見せてくれるのか、ワクワクするような大会になりそうだ。しかしその他の高校も黙ってはいない。新湊、砺波工の”経験組”は、夏の戦い方を知っているだけに怖い存在。滑川や魚津など、ダークホースの戦いぶりにも注目だ。



【石川】(参加50校)

今年も2強対決が濃厚。今年はやや星稜のパワーが上回るか。

◎ 星稜
〇 遊学館
△ 小松大谷 金沢 金沢学院東
▲ 日本航空石川 津幡 石川県工

県内でトップクラスを維持するものの、どうも甲子園までは届かないという感じのあった名門・星稜。しかし昨年、押され気味だったライバル遊学館を決勝で破って甲子園切符を掴み取り、流れを変えつつある。今年もこの両校が『2強』を形成するものの、どうやら星稜が優位に大会を進めていきそうな気配が濃厚だ。星稜はエース岩下の存在が大きい。スケールの大きな投球はプロのスカウト陣を魅了しているが、ライバルとの対決に向けて気持ちを高めていっているはずだ。このところ星稜にやや分が悪い遊学館は、例年通り『強力打線と勝てるタイプの投手』を揃えてライバルを迎え撃つ。打線の破壊力ではいつもながら遊学館に一日の長があるが、打線を前面に出した展開に持っていけるか。春準優勝の小松大谷は、小柄な左腕・山下の出来にかかる。安定した投球は県内屈指の評価だが、控え投手陣の層が薄いのがなんとも気がかり。打線は上位の2校にも引けを取らない得点力を誇るため、山下にいい状態で2強との対戦に臨ませてやれれば勝機が見えてくる。名門・金沢は浅井監督勇退後、どうも2強との間に差が出来てしまった印象だ。今年も2強を脅かすほどの戦力は有していない模様。面白いのが、元プロの金森監督が率いる金沢学院東。金森監督は、プロの時代からその打撃の指導術には定評があった。どれだけこの高校生のチームに生かされているか、注目が集まっている。そのほかでは”2度目の夏”を狙う日本航空石川は強力打線が看板。古豪の津幡、石川県工にもチャンスはある。



【福井】(参加30校) 

攻守にバランスとれる工大福井に、大黒柱・栗原の攻守で挑む坂井・春江工。

◎ 福井工大福井
〇 坂井・春江工 敦賀気比  
△ 福井商 啓新 
▲ 敦賀 若狭 高志 北越

全国でも下から数えたほうが早い、30校という小規模な大会だが、毎年必ずドラマの起こる熱い大会でもある。数年来県内の覇権を争ってきた敦賀気比・福井商・工大福井の3強という図式に、坂井・春江工が敢然と挑戦状をたたきつける。一昨年の秋季北信越大会を制して昨春の選抜に初出場した坂井・春江工は、その力を今年のチームも維持している。その中心に座るのが、『捕手としては10年にひとりの逸材』と言われる栗原。その肩、バッティング、リード、統率力などどれをとっても高校生としては超一流とスカウトが認めるほどの逸材だ。栗原はやや心もとない陣容の投手陣を上手くリードして、県内の覇権を奪い取る心づもりだ。打線は県内屈指の破壊力を持ち、上位下位ともにムラがない。春優勝で夏はシードを獲得。4試合を勝ち上がれば優勝だけに、そのシュミレーションはきっちりと出来上がっていることだろう。一方、投手力で対抗するのは工大福井。エース田川が安定感を増し、一気に全国レベルの陣容になった。バランスの取れた攻守は、やはり県内NO1と言えるだろう。一方の敦賀気比は、昨春の甲子園4強入りの原動力となった浅井・峯の中軸が健在。打線の力は間違いなく県内屈指だ。しかし投手陣に駒は揃うものの、今ひとつ軸が見つからない様子で、ここが泣き所。名門の福井商は連覇を狙う。例年のように夏の展望をすると『他校よりは劣る』と言われるのだが、実際に戦ってみると『やっぱり強かった』が定番。ダテに30年も40年も、県内のトップを維持してはいない。ことしもその力を見せつけられるか。敦賀、若狭の名門2校は巻き返しに必死。そして創部3年目の啓新が殴り込みをかけてきた。手塩にかけて育てた1期生最後の夏に、どこまで上位を脅かせるのか。その他では高志や北越なども好チームだ。


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