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第96回全国高校野球選手権大会 予選展望4 ≪近畿≫

2014年06月27日 | 高校野球

≪第96回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望4 近畿 -





【滋賀】(参加53校) 
久々に狙いを夏に絞れた北大津。ライバル・近江が追うも、大会自体は波乱の要素も十分。

◎ 北大津
〇 近江 比叡山 滋賀学園
△ 彦根東 近江兄弟社
▲ 八幡商 八幡工 光泉

北大津が2年ぶりの甲子園へ視界良好だ。春の大会は準々決勝からの3試合をすべて投手が踏ん張ってものにしての優勝。夏に向かって自信を深めた。しかし伝統の強力打線は、やや例年よりも線が細い感じがするため、きっちりと細かい野球で得点を重ねることが優勝への近道だ。その北大津に春は1点差で敗れたものの、伝統校の比叡山も戦力は充実。15年ぶりの代表へは、投手陣の踏ん張りが必要か。北大津のライバル、近江は1・2年生の二人の投手が機能すれば上位に対抗できる戦力。滋賀学園には、高校通算30発を誇る大砲・田中のパワーあふれる打撃に注目。エース中島も注目される速球派だ。昨年歓喜の初出場を決めた彦根東は、聖地での自信を胸に新チームでも秋春ともに4強入り。すっかり強豪の仲間入りを果たしている。チームの骨格はブレなく”例年通り”の様子。技巧派のエース川副に、しっかりと守れる守備、そして基本に忠実な打撃。『高校野球のにおい』をチーム全体から発しての、連覇への挑戦だ。秋に優勝を飾って久々にその存在感を見せた近江兄弟社は、エース佐々木でひと波乱を狙う。佐々木は140キロを超える速球を持つが、球持ちがよく打者が打ちづらいタイプ。伝統の八幡商、そしてお隣の八幡工も狙いは甲子園。光泉の殿城も注目の好投手だ。



【京都】(参加78校)  
センバツVの龍谷大平安が盤石に見えるが、追ってくる対抗馬も力をつけており侮れない。

◎ 龍谷大平安
〇 福知山成美 立命館宇治 
△ 京都翔英 鳥羽
▲ 京都外大西 立命館 

選抜で悲願の初優勝を飾った龍谷大平安が頭一つリード。春はどうしても選抜からの頭の切り替えができずに苦しんだが、もともと持っている力は他校を圧倒しており、普通の状態にもどれればすんなりと夏も代表切符を取れるはずだ。トップの徳本や4番の河合など打線の力は他を圧倒しており、できれば打撃戦に持ち込んで一気に突き放す試合を連続させたいところか。エース高橋、リリーフ元氏らの投手陣もきっちりと仕上げてきており、今のところ死角は見当たらない。その平安を追うのが、同じく選抜で8強に入った福知山成美。エース石原の左腕は、なかなか他校がとらえるのに骨が折れる。打線もいいのだが、選抜終了後に田所監督が退任発表するなど(夏までは指揮を執っている)、なかなか落ち着いて仕上げられなかったところには不安が残る。立命館宇治は粘りの好守で龍谷大平安からの大金星を狙う。エース山上は球速なら京都NO1の好投手。打ち合いになっても簡単には引き下がらない”気合の入った”好チームだ。その他のチームでは、春4強入りした鳥羽と立命館の両校が平安の首を狙う。特に鳥羽は、春の近畿大会で強打の智弁学園に対して完投勝利を飾ったエースの島西が自信をつけたのが好材料。立命館は打撃戦なら負けない。昨春甲子園を沸かせた京都翔英が夏の初キップを狙えば、名門の京都外大西も黙って指をくわえてはいない。京都の暑い夏を熱く燃えさせる戦いが、はじまる。




【大阪】(参加179校) 
今年もまた、マッチレースの様相。今年はわずかに履正社リードも、大阪桐蔭の打線は全国屈指の破壊力。

◎ 履正社
〇 大阪桐蔭
△ PL学園 関大北陽
▲ 大商大堺 東大阪大柏原 上宮太子 東海大仰星 

今年もナニワの夏は、宿命の対決で決着がつく。ここ数年は大阪桐蔭が戦力を充実させてリードを奪うという図式だったが、今年は履正社が選抜で準優勝。どうやらひとつカラを破った感じで、一段上のチームに昇華してきた。選抜で機能した投の2枚看板、溝田と永谷は健在で投手陣に不安はない。大阪桐蔭に比べて毎年やや線の細さを感じさせる打撃陣は、今年のチームに限っては互角の威力をもち、決して引けを取らない陣容になっている。ライバルの大阪桐蔭は、秋の大阪大会で履正社に敗れて5季連続の甲子園を逃したのがよほど悔しかったと見えて、ひと冬超えた春はしゃかりきに勝ちを取りに来て近畿大会を楽々制覇。『やはり強い』というところを満天下に見せつけた。今年は過去2年に比べて投手陣がややライバルに後れを取るものの、打線の破壊力はすさまじい。峯本、香月、森らの経験組に加えて、正髄などの新戦力も続々登場して、層の厚さを見せつける。全国でいつも注目の的になる『大阪桐蔭のバッティング』は今年も健在。両校の直接対決では、履正社の永谷が大阪桐蔭打線に力勝負を挑んで抑えきれるかということが最もポイントになるだろう。いずれにしてもこの対決、【全国屈指】であることだけは間違いない。さて、何かと話題のPL学園。未だ監督は決まらず、校長先生がベンチ入りし、采配は選手が担ういびつな構造のままだ。それで勝てるほど大阪の夏は甘くないとみるが、このところ一敗地にまみれ続けている大阪桐蔭、履正社の両校にひとあわ吹かせられるのか注目だ。その他のチームにもこう選手はたくさん散らばっているのが大阪大会。東大阪大柏原は、監督が交代して元興南の監督であった比屋根氏が采配を振るう。関大北陽はエース宮所で久々の出場を狙う。大商大堺や東海大仰星など力を持ったチームの進撃は楽しみだ。公立校にも大冠をはじめいいチームはあるものの、これだけレベルの高い大会だとその出番はないだろうというのが正直なところだ。はたして履正社か、大阪桐蔭か?全国の最後に決まる代表であるため、注目度も半端ない”大坂夏の陣”だ。



【兵庫】(参加162校) 
報徳、東洋大姫路のクラシック対決濃厚。神戸国際大付属などの後続陣は、どこで2校を捕らえるのか。

◎ 報徳学園 東洋大姫路
〇 神戸国際大付
△ 加古川北 社
▲ 明石商 関西学院 滝川二 市川

お互いを『宿命のライバル』と認める報徳学園と東洋大姫路の対決が濃厚だ。まさに【兵庫サマークラシック】の様相で、盛り上がることは必至。一昨年、昨年と本命視されながら聖地にたどり着かなかった苦い思いを抱えて三度目の正直に賭けるのが報徳学園。今年は秋、春の県大会を制して県内負けなし。三冠で最後を締めくくるには、層の暑い投手陣が額面通りの働きをすることが何と言っても肝心。過去二年、絶対エースがまさかの投球をして落とした”苦い夏の思い出”を払しょくする夏にしたいところだ。ライバルの東洋大姫路は、長身のエース甲斐野の右腕が頼り。今年は藤田監督が自信を持っている戦力で、『打倒報徳』への秘策は練られている。両校に後れを取りたくない対抗馬としては、こちらも名前を知られる強豪ながら、なぜか夏はまだ甲子園の土を踏んだ事が無い神戸国際大付が上がる。何しろ新世紀に入ってからも『夏の本命』に上がったことは二度や三度ではない。それだけ力があるのに逃し続ける夏が続くため、近年では『夏に弱い』とありがたくない異名を頂戴するようにまでなってしまった。打線のパワーは県内屈指。投手陣の駒もそろっていて、『なぜ勝てないの?』と不思議になるほどの戦力で、今年こそを狙う。甲子園で実績のある加古川北と社は、いずれもしっかりと試合を作れるエースが健在で夏の戦いを見据える。狭間監督がそろそろ実績を作りたい明石商、名門の関西学院、滝川二や市川なども虎視眈々と頂上を狙っている。



【奈良】(参加42校) 
”全国制覇狙い”の智弁が圧倒的にリード。積年のライバル・天理の巻き返しはあるのか。

◎ 智弁学園
〇 天理 大和広陵
△ 奈良大付 橿原学院
▲ 関西中央 畝傍 

もう40年も続く、天理vs智弁のライバル物語は今年も健在。しかしながら、昨年はその”図式”に新鋭・桜井からくさびを打ち込まれ悔しい夏となった。今年はその悔しさから、智弁学園が新チーム結成以来好チームを作り選抜に出場。天理を一歩リードしている。智弁は今年のチームで小坂監督が本気で全国制覇を狙っている。そしてその力を十分に持つ。プロ注目の主砲・岡本の打棒は健在。『ここ一番』で一発が出る頼もしいこの主砲は、聖地でのさらなる一発に狙いを定める。天理は昨夏3回戦敗退というショックがあってから、1年間どことなく元気がなかった。しかし春の県大会ではようやくチームが立ち直りの兆しを見せて準優勝。水をあけられていた智弁の後ろ姿がようやく見えてきたところだ。天理初優勝の優勝メンバーにして元プロの中村良治氏が指導に加わり、ますます打線は強化されている。投手陣もエース橋本が安定感を増して、どうやら夏までには智弁と『互角』の勝負を挑めるところまで上がってきた感じだ。両校を追うチームとして期待が大きいのが大和広陵のエース・立田だ。昨春の選抜でそのポテンシャルを発揮できずじまいだったこのプロ注目の右腕は、今春にはMAX149キロまで球速を上げてきた。もとより投手としてのセンスは抜群。投球術、フィールディングなど総合力で智弁、天理に迫る大物だ。しかしバックの力が”2強”には遠く及ばないため、立田の孤軍奮闘がすべてだ。このところ各大会でその存在感を見せる奈良大付属も、チャンスがある。打線の破壊力は折り紙つきのチーム。橿原学院は元郡山の竹村監督が打倒2強を狙う。投手力が自慢のチームだ。奈良大付属、畝傍など面白いチームも多いが、やはり強さ格別の2強対決は濃厚だ。




【和歌山】(参加39校) 
こちらの智弁も実力は全国屈指。昨年その壁を破った箕島は『夢よもう一度』。

◎ 智弁和歌山
〇 市和歌山 箕島
△ 高野山 海南 近大新宮  
▲ 南部 那賀 紀北工 

昨年V9ならず悔し涙を流した智弁和歌山だが、今年はその【絶対王朝】が復活する可能性が高い。選抜でその力を見せつけた智弁和歌山は、久しぶりに全国制覇を狙える陣容を整え、静かに夏を待つ。山本・長・片山のクリーンアップのパワフルな打撃は全国屈指。県大会でピークに持ってこないという高島監督の方針から県大会での爆発は例年あまりないが、それでも他校にとって脅威であることには間違いない。今年のチームは投手力も斉藤、東妻などポテンシャルの高い投手がそろい、穴のない戦力になっている。死角なしに見える智弁和歌山だが、他校はなんとかそのスキをうかがっている。まずは県内で最もライバル視されている市和歌山の動向が気になるところ。鍛え上げられた攻守は夏に最も力を発揮する。エースの小久保の頑張りがカギか。昨年尾藤監督の就任とともに名門復活を遂げた箕島が連覇を狙う。昨年より落ちると言われる投手陣を支える伝統の黒潮打線が今年のチームのウリだ。選抜21世紀枠の海南は、選抜を骨折で棒に振ってしまったエース岡本が復活。智弁和歌山にとっては最も怖い相手。投手陣の層が厚く平成初の甲子園を狙うのが高野山。近年実力を伸ばす近大新宮、強豪の南部、那賀、そして昨年智弁和歌山を破って男を上げた紀北工も、2年連続のサプライズを狙っている。

 

 

 


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