大詰めを迎えている高校野球の地方大会。
ワタシが最も注目する神奈川でも、
決勝が行われました。
いわずと知れた名門・横浜に相対するのは、
32年間夏の甲子園に縁がない東海大相模。
『この対戦になったら、今年も横浜が有利』
そんな声が聞こえてきましたが、
今年は東海大相模が横浜を9-3で下し、
なんと33年ぶりの聖地への切符を手にしました。
33年・・・・
一言でそうは言っても、
その年月の長さ、
ちょっと表しようがないぐらい長いものです。
その間、
ずっと神奈川でトップの位置を守り続け、
全国レベルの野球を続けてきた名門・東海大相模。
しかし夏の女神は、
長い間彼らに微笑むことはありませんでした。
この32年の間、
夏の大会は準優勝実に7回、ベスト4が3回もありました。
常に甲子園に手をかけていながら、
あと一歩が遠かった!
オマケに言っておきますと、
春の県大会は8回の優勝。
秋の県大会は4回の優勝。
選抜高校野球大会には6回出場。
うち、全国制覇1回、準優勝1回。
したがって、
神奈川のトップに君臨していたことは、
どこからどう見ても間違いのないところでした。
こんなにも輝かしく光る実績を残しているものの、
夏の甲子園は本当に遠かった~!
前回出場の昭和52年は、
ポスト原辰徳世代。
4年連続の出場でした。
その後、
昭和55年のTVKに映った『部長の気合入れ殴打事件』での出場停止からケチがつき始め、
やや低迷した昭和の時代はY校を中心とした学校に跳ね返されていました。
平成に入って黄金時代を知る村中監督の就任。
そして、
選抜での準優勝。
そこからまた、
毎年大型チームを作るものの、
夏の大会は肝心なところでなぜか力が出ないのが【悪しき伝統】となってしまった感じで、
毎年涙に呉れる夏をすごしてきました。
・選抜準Vの吉田投手を擁しても遠かった夏!
・ドラ1捕手、原選手を中心とした豪打でも勝ち取れなかった夏!
・横浜と地区が分かれて、【絶対】といわれた決勝を落とした夏!
・あの全国Vを飾った筑川投手をもってしても破れなかった壁!
・新興勢力に完封されて閉ざされた夏の扉!
・田中・角の猛爆打線でもかなわなかった夏!
・絶対エース・菅野が最後に力尽きた夏!
・辰徳以来の大物・太田が本塁打新記録を打ち立てた夏も、涙に呉れた!
そんな悔し涙満載の思いを、
すべて打ち破ったのは、
今年の選抜で悔し涙に呉れた精鋭の面々でした。
【優勝候補筆頭】
の枕詞と共に聖地・甲子園で戦った春。
東海大相模は、
全くチーム力の片鱗をも見せることなく、
早々と甲子園を去りました。
同じく優勝候補とされていた沖縄の興南は、
素晴らしい戦いぶりで優勝!
大会前には左右の剛腕と並び称された、
島袋と一二三ですが、
大会後の評価では大きな差がつきました。
一二三は、
大会後調子を崩して、
春の県大会にも登板しませんでした。
チームも春の県大会は準々決勝で思わぬ大敗。
一からのスタートを余儀なくされたといっていいでしょう。
神奈川ではその間、
桐光学園が春を制し、
関東大会では横浜創学館が大活躍。
横浜隼人の今岡投手に復調の兆しありとか、
横浜の1年生に凄い投手が入学したとか、
桐蔭学園や慶応が練習試合で連勝街道を驀進しているとか、
とにかくいろいろなチームの噂が絶え間なく聞こえてきましたが、
東海大相模は鳴りを潜めたままでした。
唯一聞こえてきた話は、
一二三が不調で、
横手投げに投げ方を変えたらしい・・・・・
なんていうネガティブな話題だけ。
なんとも苦しい春から夏をすごしたチームは、
いつもとは違う雰囲気で夏の県大会を迎えました。
第2シードで臨むものの、
大会前の評判は芳しいものではありませんでした。
逆にこれが功を奏したのかもしれません。
元々力を持っているのに、
大会での各校のマークは、
やや薄い感じがしました。
しかし、
大会に入ってからは十分にその力を発揮し、
準々決勝の慶応戦、そして決勝の横浜戦と、
相手が強くなればなるほど力を発揮していき、
ついに長年の悲願を達成しました。
さあ、
次は全国の舞台。
決して長打がバンバン出て打ち勝つチームではありませんが、
低いライナーを打つ意識は強い攻撃陣。
そして、
バント、足を駆使して相手をジワジワと揺さぶっていきます。
マウンドに君臨するのは、
エースの一二三。
内角に食い込んでいくストレートと鋭いスライダーは、
甲子園でも威力を発揮するでしょう。
決して甲子園屈指の右腕ではありませんが、
辛酸を嘗め尽くした春を経て、
精神的に大きく成長した姿での登場です。
春よりもずっとチーム力は上がっています。
泥臭く勝ち抜く野球が発揮されれば、
どこが相手でも見劣りすることはないでしょう。
昨日三塁側スタンドから何度も流れた、
♪T・O・K・A・I 東海相模!
このメロディーが流れるとき、
東海大相模に夏の栄冠は輝くかもしれません。
大きな期待を背負って、
33年ぶりの聖地に向かいます。
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