大相撲夏場所9日目。
初優勝を狙う大関・稀勢の里がライバルの豪栄道と対戦。
立ち合いしっかり組み止めた稀勢の里が、
万全の寄りで豪栄道を破り、
全勝を守りました。
いよいよ終盤戦。
白鵬という高い壁を越えてこそ、
初優勝+横綱も見えてこようというもの。
稀勢の里が『本当に変わったのか?』ということを満天下に見せつける大チャンスの到来です。
『あ~あ』
というため息が今場所こそは歓声に変わるよう、
頑張ってほしいものですね。
昨日日馬富士が敗れ、
1敗の力士がいなくなりました。
優勝争いは早くも、
白鵬と稀勢の里の二人に絞られたといってもいいでしょう。
さて、
今場所もそのトップを快走する白鵬。
何かと物議を醸してくれる最近の横綱。
しかしそれも、
先場所千秋楽後のインタビューで涙を流したことで、
少し払拭された感もありました。
しかし。
相撲内容が全くと言っていいほど変わっていない、
言い換えれば『協会から指摘されたことなど、先場所の反省なんてまるでなし。』
ということが如実に表れている、
今場所の相撲です。
今の白鵬、
誰が何を言っても、
全く聞く耳を持たないようですね。
逆に糾弾されたり指摘されたりすればするほど、
更に意地になってやり続ける……そんな気さえします。
昨日の勢との一番。
繰り出したのは、
ここ2場所ほど頻繁に繰り出す、
『大相撲としての品位もへったくれもあったもんじゃない』という、
反則すれすれの顔面へのエルボー。
大相撲中継などでは『かちあげ』と言っていますが、
本体の意味でのかち上げとは全く違う、
全くもって大相撲らしくない”技”です。
勢はこのエルボーがあごにヒットして、
膝からガクッと一発で崩れ落ちました。
白鵬は得意げに勝ち名乗りを受けると、
いつものように山と積まれた懸賞金を受け取ると、
どうだとばかりに掲げて見せて・・・・・・・
ここのところ彼が見せるいつもの”所作”ですが、
いつみても下品です。
『オレに文句言える奴、いるのか!!!!』
と心で叫んでいるように、
見えてしまいますね。
白鵬は『右ひじの状態が悪いので、サポーターをしている』とのことですが、
多分そうではないね。
この【エルボー】をより強力にヒットさせ自分のヒジにはダメージを与えないために、
このサポーターを巻いているんですね。
その姿、
かつてのプロレス界のスーパースター、
スタン・ハンセンの姿にダブって見えます。
そしてその技は、
さしずめウェスタン・ラリアットってところですかね。
プロレスは格闘技といっても『ファンを喜ばせる』興行という一面もありますから、
反則すれすれのことをやるレスラーがいて、
その技をさばいて・・・・・・・ということを、
ファンは予定調和的に楽しんでいるものです。
しかしその反則は、
あくまでも『見栄えがいい』ことが第一義で、
相手のレスラーを『壊しに行く』なんてことがあれば、
やったレスラーは、
逆にレスラー仲間から総スカンを食うことでしょう。
それがたとえ、第1人者であったとしても。
それが【プロレスの流儀】ってもんだと思います。
大相撲にも、
長く【国技】として存在してきた【相撲の流儀】ってもんがあります。
その中心は、
完全なる『番付至上主義』というもの。
番付が上のものが、
すべてに優先されるという流儀です。
お金の面とか、そういうものだけではないですよ。
相撲にかかわるすべての面で、
横綱がトップに『君臨する』という世界なのです。
要するに横綱こそが『相撲界の王』なのです。
そうであるがゆえ、
横綱には技量とともに、
抜群の人間性というものも要求される、
そうやって相撲というものは連綿と続いてきたのです。
そして、
上になった者が、下の者を支え、
そしてすべての手本を見せるということ、
それが相撲という世界の根幹を支えていると思っています。
だからこそ、
横綱には『横綱相撲』というものが要求されるということです。
下の者の挑戦は、
どっしりと受けて勝負する。
それが横綱相撲。
だからこそ、
横綱が立ちあいに変化したりすると、
ことさら批判が巻き起こったりするのです。
最近の白鵬。
自身の衰えを自覚して苛立っているのか、
それともすべての相撲界の記録を塗り替えたので、
『あとは好きなようにやらせてもらう』
とでも思っているのか。
立ち合いの変化やねこだましなどの『姑息な技』が頻繁に出るようになったのを皮切りに、
先場所では何度も勝負が決まった後のダメ押しを繰り出し、
そして最近はこの『必殺エルボー』をお見舞いするという暴挙。
これはもう、
白鵬が『横綱の地位とか品位、風格なんてクソ食らえ』
と思っているということの、
まぎれもない証左ですね。
このエルボーやダメ押し、
まるで下の力士を『ぶっ壊しに行っている』という気がして、
なんとも気持ちがざわざわしてきます。
しかもよ~く見ていると、
こういった所業、
白鵬は決してモンゴル出身力士には繰り出しません。
日本人等の力士の、
決まった力士の時にだけ繰り出されるものです。
よ~く見ていると、
そんなことが分かって、面白いですよ、実際。
昨年の初場所後、
白鵬は報道陣に向かって、
『自分は差別されている』
なんてことを言いましたが、
ワタシは彼に言いたいね。
『あんたが外国人だから差別されているなんてことじゃなくて、その当時は【強すぎる横綱】だから、日本人の【判官びいき】という気持ちから、区別されていたんだと思うよ』と。
そして、
『そんなファンの気持ちは、なにもアンタに対してだけのものじゃなくて、いつでも強いものに対してはそういう気持ちを持つのが、日本人の気質ってことだよ。北の湖を見てごらん。強いってだけで、あれだけ実直に土俵を務めてきたのに、【負けろ、負けろ】って、そりゃあ相手を応援する声、いつもすごかったんだから』
『負けて喜ばれる、そしてニュースになることこそが、【大横綱の証】そんな風に思うけどなあ』と。
最近の白鵬の、
それはそれは残念な土俵上での振る舞いを見ていて、
ワタシだけではなくて大相撲ファンのかなりの人たちが、
それまで持っていた白鵬に対する畏敬の念、尊敬の念、
それらを完全に捨て去ったと思うよ。
自分で自分の晩節を汚して、
どうしようとしているのか、
彼の気持ち、全くわかりません。
これが朝青龍ならば、
『元から彼は、こういう力士だったからなあ。』
と思うし、
彼を尊敬していた人がほとんど一般にはいなかったから”さもありなん”としか思わないのだけど。
ちなみに朝青龍について、
優勝回数や勝利数など立派な成績を残していますが、
そんなイメージを持っている相撲ファンはほとんどいないと思います。
彼のイメージは、
『しょうもない』『暴れん坊』『問題ばかりおこしていた』
なんてところではないでしょうか。
立派な成績も、
ほとんど語られることはありません。
白鵬も晩節を汚しまくっていると、
『最多優勝』も『最多勝』も『連勝記録』もほとんど語られず、
『ラフな横綱だった』
ということでしか人々のイメージに残らなくなりますよ。
本当にそれでいいのかなあ。
ワタシは白鵬のことが本当に好きで、
その立派な相撲っぷりを尊敬していたので、
全くもってこの【変節】に我慢ならないというか。。。。。
大好きな人に裏切られたというか。。。。。。
そんな気持ちで、寂しいんです。
だから怒ってしまうんです。
白鵬が長く『自分の目標』として語っていた大横綱・双葉山のこと。
双葉山の『究極の相撲』である【後の先】、
とてもじゃないが、
今の白鵬には語ることすら許されない、
そんな感じすらします。
双葉山も、
そして白鵬が角界の父と慕った大鵬も、
今の白鵬の相撲っぷりを見たら、
草葉の陰で泣いているだろうよ。。。。。
せめて稀勢の里との決戦になったら、
立ち合い正面からガチッと当たる、
相撲らしい相撲が見たい。
それだけが今の願いです。
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