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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

山中慎介  激闘を制してV9 『苦しかった~』

2015年09月23日 | ボクシング

≪WBC世界バンタム級タイトルマッチ≫ 12回戦   ~大田区体育館~

 チャンピオン                     挑戦者・2位
  山中慎介(帝拳)   〇 12R 判定  ●   アンセルモ・モレノ(パナマ)
                  115-113
                  113-115
                  115-113


山中が9度目の防衛に迎えた最強の挑戦者。
それが昨日の対戦相手、アンセルモ・モレノでした。

”神の目”と言われるディフェンス力を持ち、
WBAで長く王座に君臨、最後には”スーパーチャンピオン”の称号まで与えられたもモレノ。
今まで一度もマットに這って敗れたことのない、まさに最強の相手です。

『強打vs強打』
の対決であればまだしも、
こういった”超技巧”の相手に対して、
山中チャンプがどのように戦うのか、
注目の試合となりました。

このところすっかり”神の左”がさく裂して勝つのが定番となっていた山中チャンプでしたが、
他の日本人世界王者と比べて、
余りある強者であるがゆえに対戦相手がなかなか見つからないということも災いし、
なんだか『簡単に防衛できる相手』が多かったという印象で、
今一つ本人も燃えるものがないという状況が続いていました。

その間、
同門の先輩である西岡のアメリカ挑戦をはじめ、
八重樫のロマゴンとの激闘や、
井上、三浦が有り余る強敵との対戦で世界的な評価を上げることなどを間近に見て、
やや焦りがあったかもしれません。

何度も『強い相手とやりたい』『アメリカに進出したい』という希望を述べるも、
なかなか実現しなかったこの2,3年間と言えました。

しかしこのモレノとの対戦が発表されるや、
山中チャンプのモチベーション、
一気にあがった感じでしたね。

これまでの防衛戦前の発言と比べても、
試合を楽しみにしているというワクワク感とみなぎる緊張感を、
感じることが出来ました。

明らかにバンタム級全団体での『頂上決戦』と言えるこの試合、
立ち上がりから、
そのピリピリとした感じが伝わってきて、
『激戦』を予感させました。

絶妙な距離感で山中からの被弾を防ぎつつジャブを決めてくるモレノ。
明らかに今までの相手とは違い、
『本物感』が漂う挑戦者でした。

しかし『決め手』を書いている感じは否めず、
『山中チャンプは中盤に捕えてくれるだろう』
と思ってみていました。

しかしここで思いもよらないことが。

ワタシは、
『1ポイントビハインドか、ドロー』
と思っていた4R後の採点が、
山中の2者リード、1者ドローと公表され、
何となく試合の様相も変わってきました。

5Rからモレノがエンジンを上げ、
山中チャンプは相手を捕らえきれないでやや焦り単発に左を振るうという展開。

『それでも勝っているか?』

と思われた8R後の2度目の公開採点で、
今度は2者がドロー、1者がモレノ支持(2ポイント差)に変わり、
会場も一気に重苦しい空気に変わりました。

ワタシも、
1-4Rの採点を見ている限りにおいては、
5-8Rもややモレノ優位に見えたものの採点では悪くてもドローかと思っていたので、
何となく『やばいぞ』という雰囲気に変わりました。

そして9R。

『よっしゃ ここからや!』

と前に圧力をかけた山中がモレノの右を被弾。
あわやダウンというところまで追い込まれました。

何とかこのラウンドを耐えた山中でしたが、
このラウンドは明らかにモレノが取ったと思われ、
残り3Rで反撃しない限り、
9度目の防衛は消えてしまいます。

『山中が敗れる』

ということをまったく想定していなかったワタシの心は、
正直、乱れに乱れていました。

『まさか、まさか……』

しかし山中チャンプ。

やっぱりここから、
やってくれました。

乾坤一擲の反撃を開始。

勝利を確信したのか、
それとも単純なスタミナ切れか、
モレノがここからペースを落とし『流し』に入ったことが、
山中チャンプには幸いしました。

見た目にはチャンピオンらしくない『不細工な』攻撃でしたが、
これこそ山中チャンプが『危機の時にも逃げないで攻め続ける』姿勢。

その攻勢からチャンスをつかみ、
残り3ラウンドはワタシも、

『よっしゃ 全部取ったぜ!』

と自信を持って言えるラウンドとなり、
最後の最後で逆転勝ち。

2ポイント差で2者が山中チャンプを支持して、
2-1の『スプリット・ディシジョン』ながら、
見事この難敵を下して、
9度目の防衛を飾りました。


苦しい、本当に苦しい戦いとなりました。

しかし山中チャンプ、
表情は充実感がありましたね。

それはやはり、
『強い奴と戦って、勝った』
という充実感でしょう。

やっぱり山中慎介には、
(WBCの)緑のベルトがよく似合う。


この秋の【ボクシング戦線】の最初を飾る、
見事な防衛だといえるでしょう。

これからの防衛ロードが、
どのようになっていくかはわかりませんが、
これからもワタシ、
全身全霊で、応援していきますよ。

おめでとう!!!!!


そしてこの秋からの試合、
まずは27日に、
井岡の防衛戦と高山の防衛戦が予定されています。

特に高山の防衛戦は、
相手が大橋ジムの原選手。

ワタシ、原選手のファンですので、
楽しみです。


その後、物議を醸しています(いや、注目もされていないか?)、
河野と亀田興起の”アメリカでの”防衛戦があります。
ワタシとしては、まったく楽しみではありませんが。。。。。

そのあといよいよ、
あの三浦隆司がラスベガスでの防衛戦を行います。

こちらは、リアルもリアル、
本当に待ち望んだ防衛戦です。

三浦チャンプ、
世界戦線に殴り込みをかける、
本当の意味での≪世界進出第1戦≫です。

その後村田もベガスで試合を組まれるみたいですし、
国内ではケガからの復活を目指す井上の防衛戦や、
八重樫の3階級制覇挑戦、
そして”スーパーチャンプ”内山の、恒例の大みそか興行もおこなわれます。

秋から冬にかけては、
まさに≪ボクシングの季節≫。

その幕開けを飾るにふさわしい、
昨日の山中チャンプの見事な防衛でした。


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