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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

選抜出場校 こんなこと思い出してしまいました2019 その5

2019年02月28日 | 高校野球

第5回は、
どのチームも本当に野球力の高い近畿地区です。
近年選抜では、他の地区代表をほとんど寄せ付けず毎年紫紺の大旗を持ち帰っている近畿地区は、
今年も強豪ぞろいです。大阪桐蔭がいなくとも、
選抜の優勝争いは近畿地区の学校を中心に展開されるであろうことは、
今年も”お約束”な気がします。


≪選抜出場校の思い出5≫

近畿代表   龍谷大平安(京都)    41度目(3年ぶり)
                          夏34度出場 甲子園通算 101勝70敗  優勝4回 準優勝4回 

龍谷大平安は、昨夏の甲子園で通算100勝を達成、中京大中京に続いてその金字塔を甲子園の歴史に刻みました。戦前から数多の好選手を輩出して、古都の高校野球の代名詞となってきた学校ですが、”平安愛”をベースにチームを鍛え上げる原田監督が円熟味を増し、さらに新たな専用グラウンドに移ってから、現在またまた黄金時代を築いているといえるのではないでしょうか。昨夏、そして前回の選抜の戦いぶりなどを見ても、「ちょっとやそっとでは負けない」というようなオーラをまとっているように見えて、平安のこの進撃は、まだまだ続くのではないかとみています。

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通算出場回数、そして勝利数を見ると、やっぱり圧倒されるものがありますね。龍谷大平安というよりも、平安高校という方が、全国のファンにはおなじみの名前ですね。ワタシが高校野球を見始めてから40数年になりますが、正直子供のころ、平安に対する強烈なイメージというのはありませんでした。74年に山根投手を擁して春4強、夏8強と力を見せつけた年はあったものの、それ以外では70年代、80年代はほとんど甲子園での活躍というより、出場自体がありませんでした。長い冬の時代があったのです。高校野球の話題になると、決まって『京都のオールドファンは、名門・平安の復活を心待ちにしている』ということが語られていたのですが、ワタシはそれが、実感としては分かりませんでした。流れが変わったのは、やっぱり『自身が一番の平安のファン』を自認する原田監督が就任してからですね。その情熱、やっぱり圧倒されるものがあります。現在55歳。酸いも甘いもかみ分けた年代に入ってきて、ますます円熟味を増したその采配と、あの驚くような鍛えられたムキムキボディのミスマッチ。甲子園のベンチでの彼を見ていると、本当に楽しくなっちゃいますね。平安で思い出に残っているシーンは数ありますが、やっぱり一番は一昨年の選抜初制覇ですかね。苦しい試合をものにしながら、うまく選手を乗せている姿が印象的でした。決勝で見せたあの必殺の投手リレー。しびれましたね。その年、その年によって微妙にチームカラーを変えて登場する最近の平安野球は、とても興味があります。名門ということで外野の声もとても厳しいものがあるとのことですが、それも期待の裏返し。これだけファンの気持ちを熱くするチームも、全国広しと言えどそうはないと思います。その熱い思いを一身に受けて、それ以上に熱い男が采配を振るうこのチーム、ただの名門というくくりでは決しておさまらない『高校野球の顔』ですね。


近畿代表  明石商(兵庫)     2度目(3年ぶり)
                        夏1度出場 甲子園通算2勝2敗

西武に今年入団した松本投手の出身校でもある明石商。そんなこともあってワタシもより一層注目する学校なのですが、前回選抜に初出場した時の活躍はセンセーショナルでした。吉高投手の好投に引っ張られて8強まで進出して、龍谷大平安戦もギリギリの延長12回の戦いでした。全国の公立校が「目指すべきチーム」にしているのではないかと思われる素晴らしい安定感のある攻守が明石商のチームカラーですね。その選抜で敗れた平安に、昨秋の近畿大会決勝でも同じように延長12回サヨナラ負けを喫しましたが、戦力的には近畿でも屈指の好チームだと思います。ひそかに初優勝を狙っていることでしょう。

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今も昔も、変わらぬ高校野球の大激戦地である兵庫。報徳学園と東洋大姫路が東西の横綱の位置にドーンと座り、周りを名門の育英、滝川、神港学園や新顔の神戸国際大付などの強豪が固める図式は、長い間変わりがありません。そんな中、ちょこちょこと”新顔”が甲子園に登場してくるのも兵庫の特徴。関学、洲本の復活とか、加古川西、社、市川、西脇工などの初出場など、話題には事欠きません。そんな中、春夏通じて初出場を決めたのが明石商。明石市からの公立校の出場ということで言えば、あの中京商との延長25回を戦った伝説の明石高校(当時明石中)や、ただ一度だけ甲子園で戦った明石南などが思い浮かびます。この明石商は、05年に明石市がスポーツの活性化のため公募した枠でやってきた、元中学野球の名将・狭間監督が率いているということで、当時話題を集めたものでした。ワタシもこの学校には注目していたので、何度か練習試合に足を運んだことがあります。その時の印象は、『なかなか良く鍛えられた、いいチームだ』というもの。それゆえ、いつこの学校を甲子園で見ることができるのか、ひそかに楽しみにしていました。昨夏は兵庫県大会で強豪を連破してスルスルと勝ち上がっていたので、『もしかしたら』と期待していましたが残念ながら決勝で敗退。しかしそのすぐ後の昨秋の県大会で、報徳学園らを破り優勝。近畿大会も予想通り4強まで勝ち上がり、ようやく甲子園切符を手にしました。明石市民も、盛り上がっていることでしょうね。できれば報徳とアベック出場してほしかったという思いはありますが、報徳以上の活躍を期待しています。名門・明徳義塾で高校、中学の指導者として何度も大舞台を踏む経験を持つ狭間監督が、チーム初めての大舞台でどのように選手を導くのか。そのあたりに注目して、選抜での試合を見ていこうと思っています。

近畿代表   履正社(大阪)     8度目(2年ぶり)
                                夏3度出場 甲子園通算 16勝10敗   準優勝1回 

前回の選抜出場で見事に二度目の準優勝を飾った履正社。もうすっかり「全国高校野球の顔」として認識されていますが、その前に大きく立ちはだかっているのがご存知の大阪桐蔭。履正社としては、前回の準優勝はうれしかった反面決勝で敗れた相手が大阪桐蔭だったというところに、何か引っかかりもあるのではないでしょうか。大阪桐蔭はそこから昨年は春の選抜を連覇し、そして夏も勝って春夏連覇を達成。「最強伝説」にまた新たな1ページを付け加えました。しかし履正社も、黙ってみていたわけではありません。昨夏の大阪大会準決勝の大阪桐蔭との激闘は、「全国屈指の好カードとは、こんな激闘を生むんだな」という事を改めて認識させられ、この2強のレベルの高さにため息をついたものでした。ほぼ同じ時期に全国の舞台で活躍し始めたこのライバルがすでに甲子園63勝、なんと8回の全国制覇を成し遂げているのに対し、「実力的には決して劣っていない」と言われる履正社がまだ全国制覇を成し遂げておらず甲子園勝利数も16勝にとどまっているのは、関係者としては悔しい思いでしょう。今年はなんとしても初の全国制覇を成し遂げて、大阪桐蔭に肩を並べる第一歩としたいこの履正社の戦いに、注目してみたいと思っています。

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昨秋の明治神宮大会を制していち早く『全国制覇』を成し遂げた履正社。この選抜では、堂々『西の横綱』として、優勝候補筆頭の評価で大会に臨みます。今や山田哲人(ヤクルト)をはじめとしてプロ野球にもたくさんの人材を送り込む大阪の強豪。ライバルでもある大阪桐蔭が『高校野球の盟主』の座をがっちりとつかんでいるのと比較すると、同等の実力を持つとされるこの履正社の甲子園の実績は、まだまだ比較できるものではありません。しかし振り返ってみると、大阪桐蔭も西谷監督の時代は、実力はありながらなかなか甲子園で実績を積み重ねるところまで行くのには時間がかかりました。中村(西武)・岩田(阪神)のいたチームでは甲子園出場を逃し、西岡(阪神)擁するチームでは甲子園で初戦敗退。辻内(元巨人)平田(中日)中田(日ハム)らを擁した超絶なチームでも、頂点には届きませんでした。しかし浅村(西武)らがいたものの前評判はさほど高くなかった08年のチームで優勝を果たすと、あとは何かつかえていた栓が抜けたかのように、短い間で3度もの全国制覇を飾って、今や押しも押されぬNO1チームとなっています。
これを履正社に当てはめると、履正社はちょうど05年の大阪桐蔭のような段階なのかもしれません。一度全国制覇を経験したら、あとは常勝の名をほしいままにするチームに生まれ変わる可能性は、大きいのではないかと思っています。黙っていても『いつかはそうなる』とは思いますが、今年はその大チャンスの年なのかもしれませんね。ちょうど大阪桐蔭が、スーパースター中田で全国制覇を逃した翌年に、地味と言われたチームで西谷監督初の全国制覇に輝いたように、履正社も昨年のスーパースター、寺島投手で成し得なかった全国制覇に、そのポスト年である今年、挑んでいきます。
さて、履正社の甲子園での歴史は、1997年夏に始まります。その当時、まだ大阪はPL学園の天下。最強と言われた80年代からは力を落としていたとはいえ、まだまだ中村監督も健在で、90年代も大阪の中心はPLで間違いありませんでした。事実95年には福留(阪神)を擁して甲子園の話題を独り占め、翌96年にはエース前川(元近鉄)で甲子園をつかんでいます。98年にはあの松坂擁する横浜と甲子園で激闘を繰り広げたチームです。履正社はそのPLの間隙をぬって、97年に初出場を決めましたが、ワタシも『履正社?どこ、そのチーム』という感じで、全然知らないチームでした。ちなみにこのときの府大会決勝は履正社vs関大一。まったく知らないチーム同士の対戦で、本当に驚いたものでした。その初出場のチームは、今とは全く別の守りを中心としたチームでしたが、甲子園では初戦で岩手の専大北上に惜敗。大阪のチームが岩手のチームに負けるなんてことは想像だに出来なかったので、本当に驚きました。次に甲子園に登場したのは10年後の06年春。そして甲子園初勝利を飾ったのが08年春ですね。10年夏には、あの山田を擁して夏の選手権へ。甲子園に出てくるたび、大阪の代表ということで一定の注目を集めていましたが、甲子園では自分たちの野球ができずに早い段階で敗れるということが続き、甲子園で実績を残し続ける大阪桐蔭と、どうしても比較されて『勝負弱い』と形容されることが多かったように記憶しています。しかし11年の選抜で飯塚投手を擁して4強に進出。このあたりからようやくその存在感を発揮しだして、14年春には見事に準優勝に輝きました。06年の選抜出場から、9年間で6回の出場を果たし、さらに徐々に戦績がアップしてくるにつれて、『春の履正社は怖いぞ』というのが浸透してきているようにも感じます。逆に夏はどうしても大阪桐蔭の厚い壁を破れずに甲子園までたどり着くことができませんでしたが、昨年寺島投手を擁したチームがその壁を破り、ようやく『履正社新時代』というか、『黄金の10年を迎えた』という感じが、ビンビンと伝わってくるように感じています。
ここからの履正社、本当に大注目です。大阪桐蔭とのライバル関係は、今後一層、ものすごいものになっていくことでしょう。もうすでに、『甲子園で勝つよりも、大阪で勝つ方がずっと難しい』状況になりつつあるこの両者の対決。目が離せないどころか、一試合でも見逃せない・・・・って感じです。今年の選抜も、流れが向けば両校の『決勝対決』が見られる可能性もありますね。 


近畿代表   智辯和歌山(和歌山)    13度目(2年連続)
                            夏23度出場 甲子園通算 61勝32敗 優勝3回 準優勝4回

歴代最多勝監督の高嶋監督が引退をして初めて臨む甲子園。智辯和歌山が夏に初めて全国制覇した時の主将にしてドラ2で阪神に入団し、プロ野球の経験もある中谷監督が率いるこのチーム、全国的にもすごく注目されているといって良いでしょう。「智辯和歌山」と言えばあの高嶋監督の”仁王立ち”。もう30年以上も見慣れたこの光景が見られないのは本当に残念ですが、新たな風が吹くことには期待感が大きいですね。池田、PL、横浜、そして智辯和歌山。「名物監督」と言われた名前も実績もある指揮官が去った後、チームはかつてのようにはいかないというのが定番なのですが、智辯和歌山は今後どんな道をたどっていくのでしょうね。しかしながら、高嶋監督最後のチームというのが半ば公然とささやかれていた去年のチームは、往年の智辯和歌山のすごさを見るような凄まじい根性の座った攻撃を見せてくれましたね。鳥肌ものだった準々決勝の創成館、そして準決勝の東海大相模戦。両優勝候補に対して、いずれも二ケタ失点をしながら終盤にうっちゃって勝った試合は、まさに智辯和歌山の『背中から湧き出る闘志』を存分に見せてもらい、高嶋野球というものの真骨頂を見せてもらった思いでした。しかし残念だったのは、選抜決勝の大阪桐蔭戦や選手権1回戦の近江戦。やはり同じ近畿勢同士の対戦になると、いつも対戦しているせいかしっかりと対策を立てられて、自慢の打線が機能するまでには至らず悔しい敗戦となってしまいました。昨夏はもう少し勝ち進んで、高嶋監督の雄姿を拝みたかったなあ。。。。。。そんな智辯和歌山の新たな時代に、期待しています。

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かつて智弁学園を甲子園常連校に育て上げた高嶋監督が、和歌山の兄弟校であるこの智辯和歌山の開校とともに移ってきたのが1980年。それから38年の歳月が流れ、その間智辯和歌山は90年代~00年代にかけてその驚愕の強打とともに、高校野球界に一時代を築きました。現在まで34度の甲子園出場、優勝、準優勝共に3回を成し遂げ、何と一人の監督で57勝という甲子園通算勝利を挙げています。もちろんこの数字、歴代監督の最多勝利となっています。校歌にも歌われる、あの茜色が甲子園の緑のグラウンドに映え、出てくるたびに甲子園に驚きとドラマを残してくれるチーム、それが智辯和歌山です。10年代に入り、さすがの高嶋監督も齢70という古希を迎えて力を落としたかと思われる「初出場時以来」の甲子園3連敗を喫しましたが、昨夏の甲子園で初戦、我喜屋監督の興南に対して6点差をひっくり返し、次の2回戦では『王者』大阪桐蔭に対して最後まで食らいつく、かつての勢いがよみがえったかと思われる素晴らしい戦いを披露。そのメンバーがごっそり残る今年の大会では、大阪桐蔭にリベンジを果たしたうえでの4度目の全国制覇を狙っています。大ベテラン・高嶋監督はまだまだ意気軒高。『負けっぱなしでいられるか!』の気迫は、久々に智辯和歌山の快進撃を感じさせてくれるものです。今年の選抜、とても楽しみです。さて、智辯和歌山の思い出については、過年に書いたものがありますので、そちらをどうぞ。

https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/6ad30b101ad1a707e8c1e36a99e1853f




近畿代表   福知山成美(京都)   3度目(5年ぶり)
                         夏4度出場 甲子園通算 7勝6敗

福知山成美といえば、田所監督の姿が思い浮かびます。最初の甲子園の時から采配を振るい、甲子園に出てくるときは必ずいいチームを作ってきましたね。特に印象に残っているのは駒谷投手を擁して8強まで進出した06年夏ですね。この年”ハンカチ王子”の早実・斎藤と3連覇を狙った”マーくん”田中の駒大苫小牧に世間の耳目は集まっていましたが、地味ながらとても興味深かったのが準々決勝第4試合の、福知山成美と鹿児島工の戦いでした。福知山成美が夏2度目、鹿児島工は初出場で、まだまだ高校野球のチームとして両校ともに名が通っていないチームでしたしこの大会の下馬評にも挙がっていませんでしたが、両校ともに勢いがあって8強まで駆け上がってきて、いい試合を見せてくれました。4強の最後のイスをかけてカクテル光線の中戦っていた彼ら。それまでの3試合で「スター選手」「スターチーム」がすべて登場した後だったためスタンドには空席が目立っていたのですが、「これぞ高校野球」というようなしびれるしのぎあいでした。両チームのエースである駒谷と榎下が力のある球を投げ込んで相手打線を抑えて、2-2という展開で終盤を迎えて、毎回ドキドキのしっ放しだったことを思い出します。最後は鹿児島工の主砲・鮫島が一発を放り込んで決着しましたが、スタンドが一番わいたのは鹿児島工の代打、もう名前は忘れてしまいましたが(確か末吉選手だったかな?)、くりくり坊主の頭で「おりゃ~」と投手に気合を入れる姿が、大会の一服の清涼剤として、当時大いに注目されていました。(腰に持病を抱えながら驚異の代打率を誇ったんですよね、彼。最後は準決勝で斎藤の前に抑えられて高校野球生活を終えました。)両チームのカクテル光線に照らされた終了のあいさつ。やっぱりなんだか、選手たちが神々しく見えてしまう瞬間でした。福知山成美といえば、田所監督に鍛えられたつながる強打線が特徴というイメージです。出場するたびにしっかり一つは勝って帰るというイメージなんですが、福知山成美が6度の出場で2度だけ初戦負けを喫しているチーム、それが上位進出の力があるといわれた08年と13年というところに、勝負の面白さと厳しさがありますね。特に08年はワタシも大会前の予想では、夏の府大会や春の近畿大会の戦いぶりから優勝候補の一角との評価をしていましたが、当たった相手がその年決勝まで進出する常葉菊川で、試合内容も一方的に押しながらワンチャンスにやられた悔しい負け方で、全体にツキがありませんでしたね。13年も仲村渠という好投手を擁して期待されたチームでしたが、しょっぱなに当たったのが九州NO1と呼び声の高かった沖縄尚学というツキのなさでした。やっぱり甲子園の初戦は、あまり強い相手とは当たりたくないものです。しかし福知山成美は、とにかく甲子園ではインパクトを残すというチームで、今年も大いに期待させられますね。京都とはいっても北部に位置する福知山、平安を中心にした京都市内のチームとはカラーの違う、なかなかのチームで甲子園をわかせてくれる存在です。 



近畿代表   市和歌山(和歌山)    6度目(3年ぶり)
                           夏5度出場 甲子園通算 11勝10敗   

今回の選抜出場校の選考で、最も驚かされたのは関東・東京の6番目、盤石だろうと思われていた東海大菅生が外れて横浜が選出されたというもの。そして同時に驚いたのが、近畿6校目に選出された市和歌山でした。何しろ優勝した龍谷大平安と接戦をしたというのが評価されたようですね。両校ともにまんじりともしない数か月を過ごしてきたと思うので、春の陽気の下その思いを思いっきりぶつけて戦ってほしいですね。近畿はかつては7校、現在は6校が一般枠として選考されますが、秋の近畿大会準々決勝敗退組の4校から選出されることが多く、強豪同士の対決で敗れた5校目、6校目が選抜で大活躍するという事も、多々あります。00年には秋の近畿大会初戦敗退だったものの選出された智辯和歌山が大ブレークして選抜準優勝、続く選手権優勝に輝いたという例もあります。一方関東・東京の6校目。かつては関東で5校選出されていたこともあって、その頃は「関東の5校目」というのが選抜のジョーカーになっていたという事もありました。「4強に残れなかったチームたちの最後のイス」ということで、その頃は「それ以外で最も強いチーム」が先行されることが多く、それゆえ「関東の最後の枠は気をつけろ」ってなことが言われていたこともありました。そんな「最後尾から一気」という、競馬を見ていてももっともコーフンする展開を演出してくれるチームになってもらうと、選抜も盛り上がります。何しろ選抜は、『無印良品』を見つけるのが楽しい大会というのが、大会を楽しむポイントになっているような気もしますからね。という事で、市和歌山も秋に見せたようなしぶとい戦いで、頑張ってほしいと思っています。


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市和歌山というよりも、『市和商』と言った方がまだ、通りのいい学校です。記録を見ると、60年代中盤に一度チームが強かった時期がありますが、その後はあまり甲子園で見かけることはありませんでしたね。00年代に入って、ようやくその”古豪”が復活してきたと言ってもいいかもしれません。和歌山県の高校野球と言えば、70年代から80年代後半にかけては尾藤監督の箕島の1強時代が続き、その後80年代後半から最近までは、まさに高嶋監督の智弁和歌山1強時代。他の高校は、時折甲子園に顔を見せても一過性に終わり、その”1強”の厚い壁を破ることができないというのが、和歌山の高校野球の歴史ですね。市和歌山に関して言うと、04年夏の玉置投手(元阪神)の好投や、05年春の川端選手(ヤクルト)のホームランなどが、かすかに浮かんでくる程度ですが、一昨年夏の甲子園初戦、鹿屋中央戦の延長でのサヨナラ負けのシーンは、鮮烈な印象があります。サヨナラのピンチ、1死ランナー3塁での、2ゴロを魅入られたように1塁に送球してしまった2塁手の茫然とした表情。忘れられるものではありません。一瞬、ワタシも何が起こったのかわからなかったのですが、セカンドの選手も、極限まで練習を積み上げてきたからこそ、体が反応してしまったプレーなのだと思いましたね。それ以来の甲子園になるチーム。3年生は、その試合をスタンドで見ていたと思いますので、今度こそは歓喜の勝利を得て、校歌を甲子園にとどろき渡らせたいところでしょう。


(つづく)

 

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