≪第93回選抜高校野球大会≫
【第5日】
第1試合 東海大菅生 4-3 聖カタリナ
第2試合 京都国際 5-4 柴 田
第3試合 常総学院 9-5 敦賀気比 (延長13回タイブレーク)
令和になってから初めての選抜高校野球大会。
前回大会から採用されているタイブレークが、
この日の第3試合で初めて適用されました。
常総学院と敦賀気比という、
このセンバツでの優勝経験のある名門の対決となった第3試合。
今大会では例年以上によくみられる粗っぽい試合となりましたが、
終盤に試合はもつれました。
初回に4点を先制し、
先発秋本が敦賀気比に対してなかなかヒットを許さずに無得点に抑えていたことから優位に試合を進めていた常総学院。
しかし終盤になって四球、エラーなどが絡んで敦賀気比の鋭い追い上げを許しました。
そこまで打つ手がことごとく裏目に出る感じだった敦賀気比が、
7回にわずか1安打で3点を返すと、
8回には待望のタイムリーが出て同点。
そこからは裏の攻撃のアドバンテージもあってか、
敦賀気比が伸び伸びと打ち始め、
そこに四球も絡み毎回サヨナラのチャンス。
9回は3四死球で1死満塁のチャンスをつかむも、
常総の2番手・大川が粘りの投球で切り抜け試合は延長へ。
敦賀気比は、
この試合が公式戦初登板だったという本田が見事なピッチングを披露。
10-12回まで、
常総に得点のにおいを感じさせないようなナイスピッチングで切って取ると、
打線は10,12回にも一打サヨナラのチャンスをつかみましたがここでも打線が不発。
試合は結局、
大会初のタイブレークとなりました。
ワタシは常々思っていることがあります。それは、
「タイブレークになったら先行のほうがやや有利ではないか?」
ということ。
これは自分でチームの指導をしていた時にも思っていました。
なぜならば、
攻撃側は自由度が高い攻撃が展開できるという事と、
いきなり1・2塁から始まるタイブレークの表の攻撃は、
5回の休憩後の守りが難しいのと同じく守り側にとって難しいのではという事。
ただし表の攻撃がゼロに終わった場合は、
先行のチームは腹をくくらなきゃなりませんけどね。
という事で始まった選抜初めてのタイブレーク。
常総の攻撃は5番の秋本から。
体型から見るとどう考えても犠打などを器用にこなすタイプには見えず、
さらにこの日はタイムリーを放つ強打者という事もあって、
解説の人も「ここはバントと決めつけないほうがいい」ということを言っていました。
まさにその危惧が現実となり「当てただけの緩い2塁正面のゴロ」は、
敦賀気比のバントシフトをあざ笑うかのように外野に抜けまず1点、
そして次の打者の当たりは前進守備をあざ笑うかのように「ショート定位置付近への緩いフライ」だったものがポトリと落ちてさらに1点。
さらにさらに、
次打者の緩い「セカンド守備位置当たりの緩いハーフライナー」も抜けて2点タイムリーとなりジ・エンド。
好投を続けていて、
この回もすべて打ち取ったあたりだったものがすべて抜けて4失点。
まさに敦賀気比・本田投手にとっては、
「球運がなかった」
としか言いようのない悪夢のような13回でした。
常総学院は、
初回の攻撃といい13回の攻撃といい、
2回のビッグイニングは本当にツキがあった、
この日の試合となりました。
島田監督は就任1年目での公式戦勝利となりました。
ワタシが見たところ粗さが残る攻守には課題が満載ですが、
逆に言えば伸びしろもそれだけ大きいという事でしょう。
スポーツ紙などでは盛んに「木内イズムを受け継いで」という事が書かれていましたが、
ワタシにはこの日の試合は「木内イズムは全くなく、新たなるチームの戦い」のように見えました。
しかしながら、
ここ数年「力はありながら甲子園のかかった試合で必ず終盤大逆転負けをする」という嫌な流れで来てしまっていた常総が、
この聖地甲子園でこういうしびれる試合を勝ち切ったことは、
新たな一歩として非常に大きかったのではないかと思っています。
見ている間中ワタシは、
秋に終盤の逆転勝ちの連続で勝ち上がった敦賀気比と、
ここ数年終盤の逆転負けばかりだった常総の姿が重なり、
「ああ、敦賀気比のサヨナラになるだろうなあ」
と思っていたので、
この意外な結末には驚いてしまいました。
タイブレークはやはり、
それまでの試合の流れを一度完全に断ち切る制度だと思いましたね。
第1試合の東海大菅生も、
エース本田が肩だか肘だかの違和感で登板回避。
簡単に逃げ切れるはずの試合が終盤にバタバタになって、
こちらもワタシ、
「3年連続で夏の西東京大会決勝で敗れた東海大菅生」のここ一番でバタバタしてしまう姿を思い出したりしていたのですが、
最後の最後で聖カタリナのほうに攻撃の焦りが出てしまって、
何とか逃げ切ることができました。
今年の東海大菅生。
力のあるチームだとは思っていますが、
やはりエースが痛んでは上位は望めないと思います。
この大会は本田をはじめとする選手のコンディション次第といったところでしょうか。
第2試合の柴田。
完全に自分たちのペースで試合をして、
のびのびと力を出し切っていたのが印象に残りました。
惜しむらくは失点のシーン。
センターが飛球の目測を若干誤り、
満塁の走者をすべて還してしまったことですね。
風も強かったこの日の甲子園。
やはり慣れていないチームに、
甲子園の外野飛球は難しいですね。
しかしながら、よくやったと思います。
今大会、
32校のうち30チームが登場しましたが、
やはりいろいろな影響もあってか、
例年よりさらにチームの仕上がりという面では遅いと思います。
しかしながら、
大会という観点で見ると、
これほど面白い大会もないのではないか・・・・・という気もしてきます。
これから後半戦。
連日の熱戦に、目が離せません。
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